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延期になったお話と、5月5日にやること。


前略

5月5日に予定していた火曜日のゲキジョウ30×30「林檎の君へ。×劇団レトルト内閣」が延期になりました。

今の時点で、お客様、そして役者、スタッフ陣の健康と安全を保障できないこと。今の世の中の流れとして物理的にも精神的にも、万全な状態で稽古、そして十分に宣伝ができないこと。を踏まえまして、決断致しました。お気にかけて頂いていた皆様ありがとうございました。この判断に、ご理解ご協力をお願い致します。

自分個人だけの、池山ユラリと、林檎の君へ。だけの、お話です。

今まで発表会、なども含めて、初めて延期、中止、という経験をしました。しかも自分のユニットで。「もうこの状況下で大変だ!今回は延期にしよ!」とすぐに判断することも可能だったのですが、やっぱり決断する、というのは苦しいです。

私は火曜日のゲキジョウ実行委員でして、毎週火曜日の公演で当日制作のサポートとしてインディペンデントシアター1stにいます。(一応制作助手、という立ち位置になってます。実はいつの間にかカゲキ実行委員になっていて、いつのまにかそんなスタッフ名を頂いてました。なんせ初期段階では押掛女房的に勝手に手伝いに行っていたので。)

2.3月初めの頃から、延期や中止という判断をする舞台が増えてきた一方、3月スタートのカゲキでは劇場に入る前にお客様の検温をし、全員にマスクをしていただき、観劇してもらう、というスタイルをとっていました。一番最初の公演では10分開演が押してしまうなど、ご不便をおかけしたのですが、お客様、そして参加団体さん、スタッフ陣、の、とにかく「舞台が観たい!演じたい!しっかり終演させたい!」という気持ちが溢れていて、それを勝手ながら浴びて感動していました(検温しながら)

舞台はやっぱり希望だと思いました。

どんな状況下でも、エンタメと芸術は、存在してほしいし、どんな状況下でも存在するものなんだと私一個人の意見として思ってます。これは私の意見です。ただ、命より大切なのか。日常より大切なのか?その結論は私の中で出ていません。生きるために芸事をするのか。芸事するために生きているのか。日常とはなんなのか。人それぞれだと思います。

お芝居は瞬間的なものです。絵や、文字や、文章はその瞬間だけではなく形として残りやすいけれど、お芝居はその時にあなたの心に残らない限り「もの」が残りません。物体がない、その瞬間瞬間に刻まれるもの。刹那的なもの。きっと私は刹那的なものも永遠的なものも憧れていて、演じることも演出することも書くことも目指しだしたのですが、今のこの話では「お芝居」が、出来上がる、一番目指してる結果です。

どんなに設定しても、その設定の中で今しかできないものがあります。今しか届けられない、言葉にできないものがあります。その時にしかできなかったものがあります。お芝居のステキなところはきっとそこで。今の私が書いた言葉で今の私の演出で、今の大橋未歩、入江ほのか、銭山伊織にしか出来ないことがあると思います。それは良いも悪いも、絶対あります。それが届けたかったし、見たかった。そもそも今後この作品が私にとっても出来るのか、わからない。だから、延期、といってもやっぱり悩ましいところでした。

延期先はどこかまだ未定です。ただ4人で話していたところでは、4人集まれるのはちょうど1年先になるのでは…と。未定なので、この疫病が収まって急に4人集まれる環境になる可能性もあるのですが、今の予想で1年後、という話になるなんて今集まれるのは奇跡とまでいかなくともすごい可能性だったんだなと思いました。4人で1年後。もっと人数が多かったら。そして1年後に終息しているのか。

たとえ本当に1年後だとしたら、4人ともどうなってるかわからないし、まず健康なのかもわからないし、結婚してるかもわからないし、子供がいるかもしれないし。人生何があるかわからないので、健康ではいてほしいけれど、舞台に取り組む状況に私含め本人達がなっているのか。そして、1年後にどう変わっているのか。良くも悪くも大人になっていくから。人って、1日でも変わるから。

ポジティブに考えれば次の目標が出来たと考えてもいいんだけれど、やっぱり今の4人でだって、届けたいし見たかった、と、思います。

そして、相手団体のレトルト内閣さん。最初にどこと対バン(対バン?対劇?)ですかとお聞きしたところ、たはらもえちゃんの名前を聞いて、御縁があるなと思いました。実は出身大学が一緒です。(あと家が近いらしい)彼女の方が全然演劇的に先輩だし、いつも輝いていて。そんな憧れる子にこうやってここ2年ぐらいで時々お会い出来ていて、すっごく嬉しいし、今回も同じ日にカゲキにエントリーしたのは勝手に運命感じていたし(もえちゃんごめん)そして彼女が所属しているレトルト内閣さんというすごい劇団さんと(すごくて語彙力無くなりますよね、、すみません。)ご一緒させて頂くのは正直吐きそうだったし、あとカゲキ実行委員であり彗星マジックのプロデューサーと座長にこの状況を見て頂くのは震えるし…と思っていたのですが。叶わず。カゲキブログにも書かれていましたが、今後林檎とレトルトさんが必ずしも同じ組み合わせになるとは限りません。

お客様がいてお芝居成り立ってます。見てもらう人がいて成り立ってます。あなたがいるからできます。そんな大切なあなたには、家族がいて、恋人がいて、大切な人がいて。それを考えると結局強行することは叶いませんでした。きっと、どこの劇団さんも、色んな思いで、決断をしていると思います。上演すると決めた人、延期中止を決めた人。それを聞いたお客様。悲しいですよね、苦しいですよね。5月の火曜日のゲキジョウは全週延期になりました。カゲキ実行委員としても、遣る瀬無い、虚無感に襲われます。きっと、他団体さんも、お客様も悲しい。でも、わかるよ、私もよ、とは、言えません。俺もだよ、と言われても、ありがたいですけど、一緒だねとは言えません。だってあなたの悲しみも苦しみも、私の悲しみも苦しみも、自分自身のものだから。悲しみの度合いも色も内容も違うから。私の正義はあなたを傷つけるかもしれないし、あなたの正義は私の正義ではないから。そう思ってしまう自分に悲しさと寂しさと捻くれさを感じながら。でも、人の側にはいれるようになりたいと思います。私は私の悲しみにちゃんと浸って、悲しんでる人苦しんでる人の側にいて、自分の悲しみに浸りあきたら私は私ができることを取り組むしかない。ちっぽけですね。でも何にもしないよりマシでしょという気持ち。


めちゃくちゃ長く書いたのですが。結局自分のために書いていて。こんなこと考えてたんだなって思って。ここまでスクロールしてくださった方ありがとうございます。林檎の君へ。と池山ユラリを少しでも気にかけてくださった方、ありがとうございます。実はご予約も頂いてて。本当にありがとうございます。あとね、役者のみほちゃんほのちゃん銭山、ありがとう愛してます元気でいてね。

色々考え、役者にも相談したのですが、

5月5日の18:30-21:00の間だけ、やる予定だった今の時点の台本を公開しようと思います。

読みにくいと思います。台本だけじゃ意味ないと思います。でも、5日にこんなお話やる予定だったんだなと、気になって下さった方に届けばいいなと思います。そしていつか上演できることを、することを。覚えて頂けると幸いです。

期間が切れたら、いくらか販売という形で置いておこうと思います。((買ってくれ!!と正直によう言えませんけど。笑))

私は悲観主義なので毎日「いつ死ぬかわからん」「もう明日には会えないかもしれない」と、思っていて。だから、正直やれるかどうかもわからん、とも思います。でも、やると決めたら行動が早いので、やるぞ、という気持ちは持ち続けます。疫病終息したらすぐ計画するからな!!!!

だから。延期になったことも含め、ここからどうなるかわからないけれど。私は元気にお芝居に取り組んで、舞台に携わって、素晴らしい作品に出会って、私も誰かの心に残る舞台の一員になって。誰かの心の側にいれるようになりたいと思います。

あなたも私も、お元気でお過ごしください。

それが願いです。かしこ

      林檎の君へ。

                                          池山ユラリ

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