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月と体調のこと

旧暦9月の和名は長月は秋の夜長を指す「夜長月(よながつき)」の略、という説があります。照明のなかった時代、月は今の私たちよりもっと暮らしの一部であったかと思います。

満月時、月は日没とともに現れ、日の出とともに姿を消します。終夜明るい満月時に対し、満月以後は一日約50分ずつ月の形を細くしながら、月の出は遅くなります。つまり新月に近づきほどに、その暗さは増していきます。押せば点灯する電氣のある生活は、(いい悪いは別として)月との関係を希薄にしました。

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また月は、潮の満ち引きとも大きく関わっており、漁業はもちろんのこと、私たちの身心にも大きく関係してきます。ということで今回は、月と潮の満ち引きについて書いてみようと思います。


新月はどれ?

さて問題。下記の図の中で新月は①~④のうち、どれになるでしょう?

月と太陽

新月と満月は、潮の満ち引きは大きく(大潮)となります。それは太陽と地球と月が一直線となるからです。一方、上弦や下弦の際に小潮となるのは、打ち消し合う関係性(直角)となるためです。


月と人の関係

自然界(外)で起こる事象は、人(内なる自然)でも同様の現象が起こる、と中医学では考えます(天人相応)

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もし体内に血や水の停滞(瘀血・痰湿)があれば、新月や満月時は勢いよく巡ろうとする妨げになってしまうので、結果体調不良となることがあります。また上弦や下弦の際は、活発に巡ろうとしないので、結果あまりやる氣がでなかったり、注意力散漫で集中力に欠ける、といったこともあります。


1日と15日は小豆粥

こうした現象を上手く活かしたものが、その土地に伝わる風習や伝統食のようなものだと思います。例えば昔京都では、1日と15日に小豆粥を食べていました。

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つまり排出力の強い新月と満月の時に、利尿作用の高い小豆を食べることは、湿氣がちな土地で健やかに暮らすための知恵のようなものだと思います。

体調が崩れやすい時や、メンタルにムラがある時など、少し月の満ち欠けとの関係性をみると、予防のヒントがみつかるかもしれません。月の満ち欠けの様子がが、日付けを見るだけで一目で理解できる旧暦は、やっぱり養生にはとっても便利のアイテムだと思います。


ということで、前述の問題の答え。新月(朔)は①です。以下、②は上弦、③は満月(望)、④は下弦の月となります。


ゆらね養生雑記 旧暦長月号


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