見出し画像

「世界でたった1人のアナタに出逢えるまでの軌跡」 ~神戸ARTレディースクリニックにて不妊治療(体外受精・不育症治療)を経て妊娠するまでに得た全知識と体験談~


~プロローグ~

【自己紹介】

画像1

始めまして、現在40代で第1子を子育て中の「ゆらみ」と申します。

私は、不妊治療で有名な神戸にある「神戸ARTレディースクリニック(旧:大谷レディースクリニック)」にて体外受精を行って2019年に子どもを授かることが出来ました。

当初はブログで治療記や治療情報などを伝えようと考えていたのですが、子どもが成長するにつれ、時間が思うように取れなくなりブログの継続が厳しくなってきました。
※2020年8月末ブログ閉鎖済

しかし、この超絶大変だった治療記録を何かに残したい!(子どもが理解できる年齢になったら読んで欲しい)という思いと

今まさに不妊治療で苦しんでいる方に、特殊な治療の情報として少しでも何か役に立てばと思いブログ閉鎖前にnoteとしてまとめることにしました。

以下のような方にこのnoteをお手に取って頂ければとても嬉しく思います。


・妊活について詳しく知りたい
・妊活あたってどんなステップアップがあるのか知りたい

不妊治療(妊活)を始めようと思っている
・不妊治療(妊活)について体験者目線で色々知りたい
・アメブロなどの不妊治療ブログを見ても、まだ妊活を始めたばかりで用語が分からないので解説とかあったら知りたい

・今まさに不妊治療中だが、なかなかうまくいかず原因が分からない
体外受精にチャレンジしたいと思っている
体外受精でクリニック選びで迷っているので選ぶ基準を知りたい
・体外受精に既にチャレンジしているが原因が分からずうまくいかない

・神戸ARTレディースクリニックへ転院を考えている
神戸ARTレディースクリニックで治療した人の体験談を知りたい

新型着床前診断に興味がある
不育症の検査など特殊な不妊検査に興味がある(ERA検査、th1th2検査など)
・不妊治療者の濃い体験談を読んでみたい


また、このnoteは少額ながら有料とさせて頂くことにしました。
※私自身の「治療年表」と「不妊治療の主な用語解説」までは無料公開しておりますので、「不妊治療を始めたいな」と考え始めた方は無料部分だけでもこれから始める治療の参考になると思いますので是非、お読みください^^

一定のハードル(有料)を設けさせて頂いた理由は下記です。

・かなり個人的な治療内容(各検査の診断結果なども公開しています)を公開していることによる身バレリスクの回避。

・不妊治療ブログを始めたとき0歳児育児の合間に質問や相談メールに答えていたら、いっときパンクしそうになってしまった。
※当時私が知りたかった情報をすべてこちらに詰め込みましたのでnoteを読んで頂いた上で分からないことなどを質問頂けましたら幸いです。


有料とはしておりますが、今後の加筆修正などによる多少の価格改定はあれど、高額商品などにするつもりは毛頭ございません。心無いメッセージを避けるためと何卒ご理解ください。

※ゆらみに不妊治療の相談をしてカフェでちょっとお茶を奢ったくらいに思って頂ければ幸いです。

このnoteは、下記のような方に特にオススメします。

・「目次」を見て、読んでみたい!詳しく知りたい!と思った内容がある
・治療年表見て、治療内容や検査内容に興味が沸いた!
・病院側ではなく個人の体験に興味がある!

本気でこのnoteに、神戸ARTレディースクリニックでの治療だけではなく、不妊治療全般で役に立ったことや心がけていたこと、困ったことや対処法など当時血眼になって治療中に調べに調べたことや想いを余すところなくギューギューに詰め込みました。(その為、えらい文字数(5万字超)になりましたw)

是非続きをご購入頂き、このnoteをアナタの妊活や不妊治療にほんの少しでも役立てて頂ければ幸いです。

★注意★
・2020年春まで公開していたブログに大幅に加筆修正を加えています。
・基本的に2019年までの情報です、費用や価格は都度改正されており値上がりしている可能性があります。(詳細はクリニックへご確認ください。)
・このnoteを作成にあたり、同じ神戸ARTレディースクリニックで治療を受けた友人や看護師の友人にも話しを聞き、内容については十分に確認を取っておりますが、私はあくまで治療体験者であり、医療従事者ではありません。

上記を必ずご理解の上購入ください。


2020.4.5 追記
2020.4.1に「日本生殖医学会」より不妊治療に関する声明が出ました。
※母体や胎児への知見がないことから治療の延期や中止を推奨する声明です。
※詳細は下記記事(無料)にまとめました。

「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する日本生殖医学会からの声明による不妊治療への影響について」

必ずご確認の上、妊活・治療を行ってください。
皆様の安全を心から祈っています。


※2020.4.10 追記
「神戸ARTレディースクリニック」では2020.4.10HP上で感染予防対策を徹底し今までどおりの診察を行うと掲載されています。

※2020.6.2 追記
「神戸ARTレディースクリニック」へ通う友人より連絡がありました。
カウンセリング等は現在オンラインにて対応してくださっているそうです。

※2020.9.1 追記
長文すぎるため、「読みたいところへサクッと飛べるようにして欲しい」との要望がございましたので、自身で付けている目次とは別に目次の設定(本文の前に表示されるようになりました)を追加しました。
読みたい場所へジャンプできるようになっております。

※2020.9.1 追記
体験談の章に「◆(参考)採卵および移植周期の通院記録」を追加しました。通院日を追記しましたので遠方から来られる方の参考になれば幸いです。

※2020.9.1 追記
「ゆらみからのお願い」

このnoteは、神戸ARTレディースクリニックでの不妊治療を検討されている方、新型着床前診断(PGT-A)を検討されている方等に向けて何か少しでも参考になればという思いから一体験者の視点で書いています。
※少しのつもりがえらい文字数ですが、、、
※余談ですが、子どもが大きくなったときに不妊治療が一般的になっていれば読んで欲しいとの思いもあります。

最近なぜか購入者様が増えておりまして、、、

治療者様の参考に少しでもなれば幸いだと本当に思っておりますが、「治療者様ではない方かな?」という方の購入も最近見受けられます。

もちろん購入に関しましては特にどなたにご購入いただいても問題ございませんが、私に無断での本文内容の転用・引用はどうかお控え願います。

※もし、何かに使いたいという場合はお手数ですが一度私のTwitterのDM(←クリックするとTwitterプロフィールへ飛びます)へご相談願います。(利用内容を精査させてください)
※無断での利用が確認された場合はしかるべき対応をさせていただく場合がございます。

どうかご理解とご協力の程、宜しくお願いいたします。

※2021.1.4 追記
昨年、購入者様からいただいた質問で多かったものを追記しました。
※通院日数については体験談と被っていますが、よく聞かれるため敢えて重複させております。


※2022.2.12 追記
昨年友人2名(43歳と41歳です!)が不妊治療を無事卒業(妊娠)しました!

また、4月からは不妊治療者待望の保険適応が始まります。

それに伴い、リアルな「今」の不妊治療内容や、支払った費用の内容も異なってくるかと思いますので今後こちらのnoteの加筆修正は行いません。


日々のデータは古くなっていくかと思いますが、今後も詳細な治療記として残しておきますので、遠方から神戸ARTを検討されている方の治療の参考や不育治療の情報等、必要な方に届いて少しでも参考になれば幸いです。

※購入者様からの質問やメッセージはわかる範囲で今後もきちんとお答えさせていただきます。
※保険適応は回数や年齢に制限があるため、最初のクリニック選びがかなり重要になってくると考えています。少しでもクリニック選びの参考になればとても嬉しいです。


noteの費用(980円)に関しましては、個人情報がかなり入っているのでどうしても誰にでも閲覧されるのが怖いため、価格はつけたままにさせていただきます。(あくまでも必要な方に届けばと願って書いたものです)
※近所のママ友たちには体外受精をおこなったことを公表しておりませんので、身バレ防止の観点をご理解いただければ幸いです。


よろしくお願いいたします。

ゆらみ


【目次】

++++++++++++++++++++
プロローグ
【自己紹介】
【目次】
【治療年表】

【不妊治療用語解説】
◆妊活・不妊治療の種類
◆体外受精の採卵方法
◆体外受精後の培養方法って?
◆体外受精での受精卵のグレードとは?
◆採卵手術とは
◆移植とは
◆妊娠判定とは
◆不育症とは

~本編~
【神戸ARTレディースクリニックでの新型着床前診断を含む治療全般について】
◆神戸ARTレディースクリニックでかかった費用
◆助成金の申請について
1.確定申告での「医療費控除」
2.各地域での「不妊治療助成金」
※助成を受けるための国の3つの規約とは
◇貰える金額はどれくらい?
◇必要書類は何?
◇支払い方法や支払い時期は?

◆神戸ARTレディースクリニックでの初診について
◆神戸ARTレディースクリニックでの遺伝子カウンセリングについて
◆神戸ARTレディースクリニックでの新型着床前診断について
◆神戸ARTレディースクリニックでの新型着床前診断にかかる費用は
◆神戸ARTレディースクリニックでの新型着床前診断を受ける流れ
1.新型着床前診断を行うことを伝える
2.遺伝子カウンセラーと面談
3.採卵のあと検査へ
4.正常卵確認後、正常卵があった場合は移植へ

◆神戸ARTレディースクリニック以外でも新型着床前診断は可能か
◆新型着床前診断をしても出生前検査はすべきか?

【不育症・妊活検査等について】
◆神戸ARTレディースクリニックなどの専門医で行っている割と特殊な「不育症」検査
「ERA(エラ)検査(着床時期を確認)」
「th1th2検査(ヘルパーt細胞比を確認)」
「子宮内フローラ検査(ラクトバチルス菌の量の検査)」

◆不妊治療を行っているクリニックでは割と検査が可能な「不育症」検査
「子宮鏡検査(子宮形態異常の確認)」
「凝固因子異常検査(血の流れを確認する検査)」
「内分泌異常検査(甲状腺の値を確認)」
「黄体期の女性ホルモン検査」

◆妊活検査
「抗ミュラー管ホルモン(AMH)検査(血液検査)」
「卵管造影」
「エコー検査(超音波検査)」
「風疹抗体検査」
「子宮クラミジア検査」
「感染症検査(B型肝炎・C型肝炎・梅毒検査・HIV検査など)」
「子宮頸がん検診」
「HPV(ヒトパピローマウイルス検査)」
「乳がん検診」
「糖尿病検査(血液検査)」

◆着床しやすくするための移植前の処置について
1.「レーザー アシステッド ハッチング (LAH)」
2.「シート(SEET)法」

【神戸ARTレディースクリニックで治療を検討されている方へ】
◆神戸ARTレディースクリニックでの担当医の選び方
「大谷院長」
「森山副院長」
「大西先生」
「北川先生」
「高松先生」
◆神戸ARTレディースクリニックでの診察待合の様子や待ち時間は?
◆神戸ARTレディースクリニックでの効率的な予約の取り方

【体験談① 不妊治療(主に1回目の体外受精)での反省点】
◆「新型着床前診断」をするかしないかで直前まで迷った
◆主人の検査結果がよくないのに「ふりかけ」と「顕微鏡」を半々にしてしまった
◆「自己注射」をしなかった
◆ルトラールが嫌で「自然周期移植」を選択してしまった

【体験談②神戸ARTレディースクリニックでの体外受精活動記録】
◆神戸ARTレディースクリニックへ転院まで
(神戸ART以外に検討したCLも参考にご紹介)
◆初診
◆担当医決定
◆サブの担当医決定
◆遺伝子カウンセリング
◆採卵期
◆採卵日決定
◆体外受精(採卵手術1回目)
◆新型着床前診断結果確認
◆移植日決定
◆移植
◆判定日(流産)
◆休憩期間
◆2回目の体外受精前に診察
◆採卵期(体外受精2回目)
◆採卵
◆不育症検査
◆移植日決定
◆移植
◆判定日(着床)
◆卒業(産院へ転院)
◆卒業
◆卒業後
◆つわり
◆薬の副作用
◆神戸ARTレディースクリニックでの治療まとめ

【よくあるQ&A(厳選5つ)】
①採卵フェーズの通院日数はどれくらい?
②採卵決定基準は?(主席が何ミリくらいでしたか?)
③移植フェーズの通院日数はどれくらい?
④現在の待ち時間はどんな感じ?
⑤どうしても大谷院長対応を希望しているのですが

【オマケ①】
◆不妊治療専門クリニック(転院先)の選び方
◆不妊治療の辞め時とは?
◆ご主人が検査を嫌がるときは
◆不妊治療と仕事の両立について
◆サプリメントの選び方(情報にまどわされないで)

【オマケ②】
◆神戸ARTレディースクリニック周辺のオススメ食事スポット
・ランチにオススメ!1,000円代で満腹の神戸の洋食
・お茶にオススメ!神戸のカフェ・ビストロ
・妊活中でも妊娠中でもゆっくりアフタヌーンティーが出来るところ
・治療を頑張っている自分へのお土産にオススメのお菓子やパン

~エピローグ~

++++++++++++++++++++

【治療年表】

画像13

【36歳】
2015.6 結婚
2015.12 親不知抜歯手術

【37歳】
2016.2  基本不妊検査(卵管造影など)
2016.3  タイミング法から治療開始

2016.9  主人の不妊検査
2016.10  人工授精開始

【38歳】
2017.6  神戸ARTレディースクリニックへ転院
2017.10  1回目の体外受精・新型着床前診断にチャレンジ

【39歳】
2018.2  移植後、流産
2018.4  再度体外受精・新型着床前診断にチャレンジ
2018.5  不育症検査および治療
2018.7  移植後、妊娠判定

【40歳】
2019.3  出産

【41歳】
2020.3  1歳児子育て中



【不妊治療用語解説】

画像14

妊活や不妊治療ではかなり専門用語が出てきますので、これから妊活や不妊治療、体外受精を考えておられる方のために簡単によく出てくる用語を解説しておきます。
※神戸ARTレディースクリニックで行われている「新型着床前診断」については本文の中で詳しく説明するため省きます。

◆妊活・不妊治療の種類

「タイミング法」
基礎体温や排卵検査薬などでもチェックはできますが、自己流で半年くらい経っても妊娠しない場合は産婦人科を受信し、排卵日を内診でより正確に予測し、タイミングを計る方法です。

内診だけなので、保険適応で1回の診察は1,000円前後で済みます。

また、追加でご夫婦の年齢や不妊治療の基礎的な検査結果によって追加で排卵促進剤(漢方やクロミッドなどの排卵誘発剤)や、子宮内膜を厚くしやすくする薬(ルトラール等)などを処方されることもあります。

※通常女性は毎月1つの卵を排卵しますが、このクロミッドによって卵が複数出来て双子を妊娠したというケースもあります。

※私はこのルトラールが合わなくて毎月副作用でPMSが酷くなり、立てないくらい地獄の痛みでした。


「人工授精(AIH)」
タイミング法で妊娠しない場合よく行われる次のステップです。

軽度の男性不妊や、女性の頸管粘液の分泌が少ない場合、十分な精子が子宮内に侵入できていない可能性があります。

タイミング法と同じく排卵日を予測し、元気な精子のみを回収して、カテーテル(細い管)で子宮腔内に直接入れ、精子が泳ぐ距離を短くして受精を助ける方法です。カテーテル挿入時に多少の痛みはありますが、耐えれないほどの痛みではありません。
※息を吐いてリラックスしていると余計に痛くないです。

挿入する精液はご主人にクリニックに来て人工授精直前に採取してもらうこともできますし、人工授精の2時間程度前までに自宅で採取してもらい、適度な温度を保って(当時の私は缶コーヒーくらいのサイズの容器をフェイスタオルでくるんで、保冷保温バックに入れて温度を保って持参しました。)女性がクリニックに持参することも可能です。
※ご主人の精液検査の結果が悪い場合はクリニックでの採取を勧められます。(鮮度命w)

タイミング療法と同様、漢方、排卵誘発剤、子宮内膜を厚くする薬を併用する場合がありますし、排卵を誘発する筋肉注射(ゴナドトロピン製剤)を打つ場合もあります。
※私は薬ではなく注射を打ちました。
※筋肉注射は割と痛いです。

費用は保険適応外で、1回2万円~3万円程度です。
※追加で筋肉注射をした場合これが意外に高くて7,000円、8,000円します。

精度が低いと言われることもありますが、最近では精液を採取したのちに精製してくれるところが多く、元気の良い精子だけを挿入してくれるので軽い不妊なら人工授精で妊娠したという友人も実際にいるのであなどれない治療だと思っています。

また、人工授精は多くても6回までと言われており6回行っても妊娠しない場合は体外受精へのステップアップを検討します。
※実際には3回4回失敗したところでステップアップを勧められることが多いです。

治療費も3回も行うと10万円を超えてきますので、確定申告の医療費控除の対象になりますので、きちんと領収書を保管しておきましょう!
※私は保管していなくて、人工授精での医療費控除ができずに損をしましたので皆さんはそんなヘマはしないでくださいね。


「体外受精」
排卵日より前に採卵手術を行って体内から卵を取り出し、卵子と精子の受精をその名の通り体外で行う治療です。
※通常、体外受精と言うと「ふりかけ」と呼ばれる卵子が入っている培養液に精子浮遊液を加えて受精するのを待つ方法を指します。

受精が正常に起こり細胞分裂を順調に繰り返して発育した良好胚を体内に移植することで妊娠率が高くなることから、一般的には5日間程度の体外培養後に可能な限り良好な胚を選んで腟から子宮内に胚移植します。

※この良好胚はグレード(下記詳細)によって判断されます。
※私の通院した神戸ARTレディースクリニックでは、胚盤胞まで育ったものだけを移植します。(どこまで培養するかもクリニックによって様々です)
※私は、このグレード基準の移植ではなく「新型着床前診断」を行っての移植を行いました。

費用は採卵方法や移植の回数によって異なりますが、治療1回につき70万円~100万円はかかります。
※治療1回とはこの場合、採卵から培養、移植を行い妊娠確認までを指します。
※低刺激による採卵で、1回の移植で成功した場合はもう少し少なくて済むのかもしれませんが、あまり安く済んだという話しは聞きません。1回で軽自動車1台くらいと思っておくのがいいかと思います。


「顕微鏡受精」
体外受精でも妊娠しない場合(男性の精液中の精子濃度や運動率が低い場合が多いです)「ふりかけ」ではなく、採卵後に顕微鏡受精を行います。

顕微授精では顕微鏡で観察しながら細いガラス針に奇形もなく元気に運動している精子を1個吸引して入れ、ガラス針を卵子に刺して精子を注入する方法です。

より精度を高める方法のため、体外受精に追加で10~20万円程度(顕微鏡受精を行う卵の個数による)かかります。
※私達夫婦は体外受精1回目では採卵された卵の半分を顕微鏡受精、2回目はすべてを顕微鏡にしました。


◆体外受精の採卵方法

(参考)神戸ARTレディースクリニックで頂いた採卵方法についての資料

画像7


基本的にAMHと言われる検査によって採卵方法を決定します。

<参考:AMH>
AMHは抗ミューラー管ホルモン検査と呼ばれており、卵巣の中にどのくらいの卵が残っているのかを知るための指標となります。

この値が高いとより卵を多く取る高刺激の採卵方法が選択されることが多く、値が低い場合は低刺激の採卵方法を取ることが多いです。


「アンタゴニスト法」
月経3日目から排卵誘発剤の筋肉注射(FSH製剤やHMG製剤)を開始し、卵胞がある程度発育してきたらGnRHアンタゴニストを注射し、採卵のタイミングを調節する方法です。
※おそらく、一番多くの卵が取れる方法です。
※採卵間近になれば排卵抑制の注射なども追加されます。


「ロング法」
体外受精前周期の黄体中期(月経の21日目くらい)からGnRHアゴニストと呼ばれる点鼻薬を開始し、月経3日目より排卵誘発剤(HMG/FSH)の注射を7〜10日連日投与する方法です。

「ショート法」
月経初日より点鼻薬(1日3回、両鼻)を開始し、月経3日目より排卵誘発剤(HMG/FSH)の注射を7〜10日連日投与する方法です。その名の通り、ロング法より点鼻薬の期間が短いです。
高齢の方や、AMHの値が低い方に用いられます。

「中刺激」
クロミッド等の排卵誘発内服薬に注射(排卵誘発剤)を追加する方法です。
※こちらも現在はあまり行われないそうです。

※アンタゴニスト法が確立(ここ5年程度)されてからは神戸ARTレディースクリニックではロング法、ショート法、中刺激の採用は割と減ってきているそうです。


「低刺激」
月経3日目からクロミッド等の排卵誘発内服薬を1日1回内服します。
※卵巣の機能が低下している方に行う採卵方法です。


「完全自然排卵周期法(参考)」
新宿加藤レディースクリニックや系列のクリニックが用いていることが多い方法で、限りなく薬や注射を使わない体に負担をかけない方法です。(薬も基本的に漢方推奨です)

自然周期で採卵するので、取れる卵も1個です。そのため麻酔を行わないところもあるようです。

余剰凍結もないので、採卵から移植までの費用はかなり抑えられますが、取れた卵が育たない、育っても空胞だったなど不成功の度に採卵する羽目になります。

※この方法にも興味があったので、この方法を採用しているクリニックの講演会や説明会には足を運びました。
※ちなみに最終的に私が通った神戸ARTレディースクリニックではこの採卵方法は行っていません。


◆体外受精後の培養方法って?

受精卵(=胚)の培養方法には、採卵後2~3日間培養する方法(初期胚)と、5日間(~7日)培養する方法(胚盤胞)の2種類があります。

胚盤胞培養は胚の優劣をはっきりさせ、治療効率を上げることができるため、最近では胚盤胞まで培養するクリニックが多いです。

また、一方で胚盤胞到達率は受精卵の約半数とされていますので、胚盤胞培養を進めた場合、胚盤胞に到達せず凍結・移植などが不可能となるケースが一定の割合で発生します。

私の通った神戸ARTレディースクリニックでは胚盤胞培養のみでしたが、受精卵の個数やその患者さんの治療経過・ご希望などを総合的に判断し、初期胚の移植を行っているクリニックもあります。


◆体外受精での受精卵のグレードとは?

私の通った神戸ARTレディースクリニックでは「Gerdner」による分類が取られていました。(下記)

画像2

・胚盤胞の広がり具合を1~6の6段階
・内細胞塊(胎児になる部分)をA~Cの3段階
・栄養外胚葉(胎盤になる部分)をA~Cの3段階


※胚盤胞のステージが3~6のものを神戸ARTレディースクリニックでは凍結して貰えます。
※この値が低いから着床しないということではありません。あくまで値です。
※凍結した方が着床率が高いことから、神戸ARTレディースクリニックでは胚盤胞は必ずいったん凍結されます(凍結融解胚移植)。これもクリニックによって異なりますので、ご自身の通うクリニックで確認を行ってください。


<参考>
「Veeck」による分類

初期胚をグレード1〜5段階に分類する方法です。
※この場合グレードが小さいほどより良好胚となります。

初期胚のグレード分類は、分割された細胞それぞれ(割球)の大きさが均一かバラバラなサイズかという分割のキレイさと、細胞の破片であるフラグメンテーションの多さで判断されます。

他にも独自の分類を行っているクリニックもありますので、よく確認してくださいね。


◆採卵手術とは

神戸ARTレディースクリニックの採卵、移植、判定について参考に記載しておきます。

採卵前日に排卵を促す注射を打ちます。
※採卵時間から逆算するので夜中とかになるので基本的に自己注射になります。

採卵当日は、全身麻酔のため絶飲食でクリニックへ行き受付を済ませて手術室へ入ります。

麻酔をかけたあとは、担当の先生がモニターを見ながら細い針を腟から刺し、排卵前の卵胞から卵胞液とともに卵子を吸引し、回収します。
※採卵は、卵胞数により差はありますが、5分~15分程度で終了します。

麻酔が覚めたあとは、1時間ほど休んでから診察(採卵数の結果などを聞いたり、体調を確認してもらいます)をし、まっすく帰宅しその日は安静にします。

※神戸ARTレディースクリニックでは、子宮奥の卵まで吸い出すため全身麻酔による採卵手術を導入しています。

※クリニックによって局部麻酔や、自然排卵を推奨しているクリニックでは無麻酔のところもあるようです。


◆移植とは

良好な胚を、柔らかいカテーテルを用いて子宮内に戻します。
こちらも手術室で行いましたが、大掛かりな麻酔などもなく15分程度で終了します。

神戸ARTレディースクリニックでは、移植後は着床しやすいように?1時間程度うつぶせで寝かされます。

一定時間が経過したら帰宅します。
※これ以降、走ったり激しい運動をするのは禁止されます。(当たり前w)


◆妊娠判定とは

基本的には移植日に逆算して判定日を伝えられます。
※診察予約を取ります。

判定日までに、患者さんに合わせた投薬や自己注射などを処方されることが多いです。
※黄体補充や、高温期を高めるもの、血の流れをよくするものなど様々です。

判定日はクリニックへ行き、尿検査と血液検査を行い1時間程度待ってから結果を聞きます。

・妊娠していた場合は、神戸ARTレディースクリニックでは分娩を行っていないため、卒業までのスケジュールを教えて貰います。
※卒業までの間も投薬や注射を処方されることが多いです。

・妊娠していなかった場合は、今後の治療について話しあいます。
※流産なのか、着床すらしていないのかによっても治療方針が異なります。

私は流産も妊娠もどちらも経験しています(涙)

その為、体外受精1回目の反省点、2回目に成功するために特に気を付けたことなども詳しく本文に書いています。

◆不育症とは

不育症(習慣流産)とはその名の通り、

「妊娠はするものの、流産や死産を繰り返し生児が得られない場合」

を指します。

きちんと下記定義もあります。

・流産(妊娠22週未満の分娩)を2回以上繰り返す
・死産(妊娠22週以降に死亡した胎児を出産)
・新生児の生後1週間以内での死亡
・反復流産(流産を2回以上繰り返す)
・習慣性流産(流産を3回以上繰り返す)

これまでは原因不明とされることが多かったのですが、(いまだに原因不明のものもありますが)、近年ではいくつかの原因が解明されてきました。

原因が判明すれば、治療を行い妊娠する確率があがります!
※不育症や治療(新型着床前診断など)については本文に詳しく記載しています。

◇プロローグの最後に
このnoteがなくても特殊治療についての正しい情報がもっと世の中に広まり、高額な費用を持ち合わせなくても気軽に治療が受けられるようになる未来を心から願っています。

※まだ通院している友人もおりますので、新しい知識が入り次第加筆修正も行いますが、私個人としては2019年までの治療情報です。

ここから先は

49,700字 / 13画像 / 1ファイル

¥ 980

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?