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JR有楽町駅・駅長 富塚幸雄さん。駅から街を見守り、支えてきた富塚さんが語る、有楽町の豊かさとは

ニッポン放送で40年近くラジオに携わってきた上柳昌彦アナウンサーが、東京・有楽町に関わる様々な人をゲストに迎え、有楽町の魅力やそこで生きる人の思いを聞くポッドキャスト番組「有楽町ひとさんぽ」。

今回のゲストは、JR有楽町駅の駅長・富塚幸雄さん。今年で開業110年を迎える有楽町駅を支える富塚さん。意外と知らない駅のお仕事の話、そして駅から街を盛り上げていくその活動についてお伺いします。

鉄道の仕事着は雨合羽から白制服まで?

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真っ白な制服を着てらっしゃいますが、それはいつごろどういう時に着られるものなんですか?

はい、この白い制服は公式の場で着ることが多いです。
普段やはり駅で仕事している時はいろんな作業もありますので、この制服では汚れも目立ってしまいますので、
こういった場に来るときとか、駅でイベントがあるとき、そういった時に着用しております。

富塚駅長は現在JR東日本にお勤めですが、その前の国鉄の時に入社されているということで、入社は何年ですか?

私は1982年の4月に国鉄に入りました。
まず最初に渡されたものが、ヘルメットと直足袋と雨合羽でした。私はどんな仕事をするんだろうと、鉄道の仕事についたのに何故こういうものが渡されたんだろうと理解に苦しみましたけど、実はそれは貨物列車を組成するような仕事でした。貨物列車という一つの貨物ごとに行き先が違うんですね。列車としてやっぱり運行するにあたっては同じ方面の貨物を集めて連結させていくんです。貨物の線路が10も20もあるようなそう言ったところで砂利の上を毎日地下足袋を履いて走りながら、組成という行き先別に貨物を仕分けするという仕事をしていました。

憧れの新幹線乗務。そして駅長へ

貨物のお仕事の後はどんな仕事に就いたんですか。

国鉄入ってしばらくすると「分割民営」という話になりました。そしてJR東日本になったわけですが、国鉄の時に貨物の駅から数年後には常磐線の車掌をやりました。
JR東日本になってからは、この白い制服を着れるのは駅長と車掌だったんです。今は駅長しか着れないんですが、この白い制服に憧れまして、「よし、新幹線の車掌になればこの白い制服が着れる」とこんな思いから新幹線の車掌をやっておりました。新幹線の車掌になるのも色んな実績が必要になるので、やはり日々努力しながらどうやったら新幹線の車掌になるにはどうしたらいいのかを上司に聞きながら、勉強して東北上越新幹線の車掌を乗務しておりました。

新幹線に乗務すると行先の名物を食べられたりとかそういう楽しみはあるんですか。

私は、食いしん坊なので、例えば東京から盛岡に行くとなった時にお昼ぐらいに着きますと、街の中の食堂が開いてますから、じゃあわんこそば食べに行ってみようとか、今日は仙台で降りるから牛タン食べに行ってみようとか、言った先々で食を楽しんでました。でも仕事なのでお酒は厳禁なんです。

車掌さんの後は何をされたんですか。

新幹線に車掌をやった時に、私は会社人生ずっとこのままでいいかなと思ってました。ところが新幹線に乗務して1年くらい経った時に上司から呼ばれまして、
「お前に転勤の話がある」と言われ、今東京支社というところでデスクワークをしてましてそこからしばらくデスクワークが続きまして、支社ですとか新宿にある本社にも勤めました。その後に駅長という仕事に就きました。

TOKYO ALEWORKS ボブさんと作った。有楽町駅限定ビール。

以前このプログラムにご出演いただいた。TOKYO ALEWORKS STATION TAPROOMのボブ・ストックウェルさんが
JR有楽町駅の駅長さんと一緒にクラフトビールを作ったと話していましたが、ビールをお作りになる工程、どういうところで参加されたんですか。

TOKYO ALEWORKSさんは板橋の方にブルワリーがあるんですけど、休みの日にそちらまで行きまして、仕込みからやらせてもらいました。そもそもビールを作るなんていうことは私自身やったことはありませんでしたが、私ビールが大好きでして、ボブさんと一緒にビール作りができたのは非常に嬉しかったです。
ボブさんからまず最初に「ビールは清潔な環境で作るのが一何大事だ。」と指導されまして、掃除に始まって掃除に終わるみたいなそんな工程で、1日がかりでした。
その1日がかりで作ったビールを1ヶ月くらい寝かせた後にテイスティングで試飲させてもらったんですが、非常に感無量。美味しかったです。

今、富塚駅長が座ってらっしゃる横に、駅員さんが敬礼しているラベルが描いてあるビールがあるんですがそれはなんですか?

今日お持ちしたこのボトルビールは、実はTASTY IPA(アイピーエー)というボブさんと一緒に作ったビールです。このラベルも私達の思いをボブさんに伝えて、デザイナーの方がデザインしてくださいました。
これは有楽町駅限定のビールなので、有楽町駅のTOKYO ALEWORKS STATION TAPROOMでのみお試しいただくことができます。飲み口は非常に柑橘系のフレーバーがありまして、ちょっとグレープフルーツを感じさせるような味とクラフトビール独特の苦味がくる、非常に好評いただいていおります。
またTOKYO ALEWORKS STATION TAPROOMにはビールの注ぎ口(種類)を表すタップが16あるんですが、その1番目のタップにこのドラフトビールが入っているんです。
TOKYO ALEWORKS STATION TAPROOM有楽町の店舗でしか味わえないタップから出てきた冷たい「TASTY IPA」これを是非楽しんでいただきたいと思います。

有楽町駅開業110年。駅と街の一体化へ

今年、開業110周年を迎える有楽町駅ですが、有楽町駅から新橋方面の高架下にできた「日比谷OKUROJI」が非常に盛り上がっていますね。

そうですね。110年前からあるレンガのアーチをうまく使って高架下にああいう商業施設ができるというのはまさかという感じでビックリしましたね。
私はその中でも日比谷OKUROJIに入りました「グレンクライド」というところの靴下を愛用しているんです。実はここの靴下は非常に珍しいシステムで、ちょっとお値段は高くて2000円程度なんですが、永久保証がついていて穴が空いたら取り替えてくれるんです。当然作る側もこだわりがあって当然穴が開かないように作っているので永久交換保証なんだそうです。ただこの永久保証をやっているのは紳士ものだけと伺っています。いずれは女性モノの靴下も作られるんじゃないだろうかと思っております。

「HELLO!有楽町プロジェクト」というプロジェクトも始まっているということですが、こちらはどんなプロジェクトなんですか。

駅と街の一体感、街の魅力の楽しさを発信できないかということで始まったプロジェクトになります。有楽町駅改札や特定の店舗によって色んなステッカーをお配りしておりまして、「ハロー!有楽町!」と駅員または店員さんに声かけてもらいますと、「ハロー!有楽町!」とお返します。
このステッカーはコースターくらいの大きさで、色々有楽町を象徴する写真になっています。日比谷OKUROJIの店舗さんにも参加していただいてますし、TOKYO ALEWORKSさんにも参加していただいております。色んなところでこのステッカーを集めていただいて、お客様に楽しんでいただこうというプロジェクトです。

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有楽町駅・駅長 富塚さんが語る有楽町の豊かさ

私も東京都文京区本郷の生まれですので、幼い頃から日比谷・銀座・有楽町というのは食事に来る時にも、買い物に来る時も来ていた非常に馴染みのあるエリアなんです。
やはりこの地域は日本を代表する「美食家」が集まる街ではないかなと、さらにそこには出会いがある。美味しいものへの出会い、人との出会い。
有楽町界隈には世界各国の料理や日本の郷土料理を味わえるお店がたくさんありますので、コロナ禍でなかなか旅行に行けない今、有楽町界隈では世界中の食の楽しみを経験することができる。そんなところが有楽町の豊かさなんじゃないかなと思います。

全編はポッドキャスト「有楽町ひとさんぽ」で公開中。ゲストはJR有楽町駅・駅長 富塚幸雄さん。「有楽町ひとさんぽ」はポッドキャストで聴くことができます。全編無料です。​

「有楽町ひとさんぽ」は、有楽町の街の新しいテーマソングを公募するプロジェクト「有楽町うたつくり計画」と連動した超ローカルポッドキャスト番組です。有楽町で働く方、生きる方をゲストに迎え、街の魅力や歴史、展望などを伺っていきます。

<有楽町ひとさんぽ>
毎週月曜日、最新エピソード配信予定。
「有楽町うたつくり計画」公式サイトほかポッドキャストで聴取できます。

<有楽町うたつくり計画>
有楽町の街の新しいテーマソングを創り上げる楽曲募集企画。
一次審査通過者は、音楽プロデューサー・本間昭光さんとのワークショップを通して、楽曲をブラッシュアップし、有楽町の”まちうた”をつくりあげていきます。詳細は公式サイトをご覧ください。
公式サイト:https://www.1242.com/project/yurakucho

「JR有楽町駅」information
電話:03-3211-5671
住所:〒100-0006 東京都千代田区有楽町2丁目


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