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「松本楼」四代目 小坂文乃社長。日比谷公園の中心から見てきた有楽町の豊かさとは

ニッポン放送で40年近くラジオに携わってきた上柳昌彦アナウンサーが、東京・有楽町に関わる様々な人をゲストに迎え、有楽町の魅力やそこで生きる人の思いを聞くポッドキャスト番組「有楽町ひとさんぽ」。

今回のゲストは、日比谷公園と同時にオープンした松本楼 四代目社長 小坂文乃さん。日比谷公園のシンボルとして歴史と伝統を積み上げてきた松本楼の歴史とコロナ禍での意外な戦略についてお伺いしていきます。

日比谷公園の中心「松本楼」が生まれたワケ

日比谷松本楼さんと日比谷公園は全く同じ時期に生まれているんですよね

1903年に日比谷公園を作る時に「公園の中心にレストランを持ってこよう」というコンセプトが設計段階でありました。
3つの洋を取り入れようということで、本多静六さんが立野先生から頼まれて「お花が観れること」「音楽が聞けること」「洋食が食べられること」設計段階から公園のど真ん中にレストランを置こうとなっていました。

初代の小坂さんは洋食をやっていらっしゃったんですか?

初代は銀座で手広く割烹をやっていました。まあ和食ですね。これがそこそこ儲かっていたので、税金をたくさん払っていたんですよ。
そうすると当時は貴族院議員になれるんですね。それをやっていた菅家もありまして、この日比谷公園プロジェクトをいち早く知っていたんだと思いますね。それで購入札をいたしまして、営業権を得るわけなんですけど。西洋風の公園なので洋食のレストランにしようということで始まりました。

激動の時代の中で、何度も再建した松本楼

四代続いている松本楼ですが、建物としては三代目なんですよね。

そうですね。最初の建物は木造だったんですが関東大震災でぺしゃんこになってしまいました。その後の二代目の建物はなんとか戦争は持ちこたえられたんですけど、昭和46年当時”学生運動”が盛んな時に沖縄返還の反対のデモ隊に火炎瓶を投げられて全焼いたしました。これは夜だったのでお客様に迷惑はかからなかったのが幸いでした。

そして今の建物になって10円カレーというのが始まるんですよね。

今の建物が建った時に皆さんからのあたたかいお励ましで、なんとか今の建物が建つことができたので「何かお礼がしたい」ということで
これは先々代の二代目の社長が昔からお馴染みのカレーを再建の記念に召し上がっていただこうと、ただその時に無料で振る舞うのではなくて少額でもチャリティとしてお客様から10円いただいてそれを困っている方にお渡ししようとしたのが始まりですね。

コロナ禍を乗り越える「キッチンカー」??

松本楼さんはコロナ禍をどう過ごされていたんですか

皆さんが自粛されていた時は休業しておりました。元々我々はレトルトカレーの商品を持っていましたので、とにかくこれをいち早く送料無料でお届けするっていうことをやり始めました。あとは色んな冷凍商品も開発をしました。そして今後営業に繋げたいと思いまして「キッチンカー」を持続化給付金で購入させていただきました。このキッチンカーで商品を売るということですね。例えばタワーマンションのある所はコロナの時期でもキッチンカーかなり売り上げた様子なので、これが今後コロナ第三波などにも備えた新しい取り組みですね。

何かお客様に楽しんでいただいて還元できる方法を考えて行ってるんですね。

コロナ禍の飲食店は非常に厳しいんですが、ただ松本楼はこれだけ歴史がありますので、なんとか歴史を途絶えさせてはならないと思ってます。

有楽町の豊かさ

社長にとって日比谷そして有楽町というのはどういった街ですか。

ここ最近は大きなビルが建ったりしていますが、でもガード下には昔ながらの居酒屋さんですとかお店がたくさんあったり
「懐が深い街」だなと思います。色んなハイソなホテルもあったり、すごく庶民的なお店もたくさんあったり
迎える人の幅が広いというかそういう東京にはなくてはならない街だなと思っております。

全編はポッドキャスト「有楽町ひとさんぽ」で公開中。日比谷松本楼  4代目社長 小坂文乃さん。「有楽町ひとさんぽ」はポッドキャストで聴くことができます。全編無料です。​

「有楽町ひとさんぽ」は、有楽町の街の新しいテーマソングを公募するプロジェクト「有楽町うたつくり計画」と連動した超ローカルポッドキャスト番組です。有楽町で働く方、生きる方をゲストに迎え、街の魅力や歴史、展望などを伺っていきます。

<有楽町ひとさんぽ>
毎週月曜日、最新エピソード配信予定。
「有楽町うたつくり計画」公式サイトほかポッドキャストで聴取できます。

<有楽町うたつくり計画>
有楽町の街の新しいテーマソングを創り上げる楽曲募集企画。
一次審査通過者は、音楽プロデューサー・本間昭光さんとのワークショップを通して、楽曲をブラッシュアップし、有楽町の”まちうた”をつくりあげていきます。詳細は公式サイトをご覧ください。
公式サイト:https://www.1242.com/project/yurakucho

「日比谷 松本楼」
HP:http://www.matsumotoro.co.jp/
住所:東京都千代田区日比谷公園1-2
電話:03-3503-1451


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