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両丹日日新聞連載4(2022年2月)

幸せに生きることは幸せに食べること

86farm・まころパン 岩切 康子 (福知山市)

自然に囲まれたところに住みたいという夢が叶い、神奈川県から福知山に越
してきてもうすぐ4年が経ちます。
2018 年に夫とともに86farm を立ち上げ、農業とパンや野菜加工品などの製造を行っています。
それらを通して地域の方やゆらジェンヌのような仲間との関わりもでき、楽しい毎日を過ごしています。

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「幸せに生きることは幸せに食べること」とは私の座右の銘です。
毎日必ずやってくる食事の時間を幸せに過ごせたら、人生がより充実したものになると思いませんか。
そもそも人の体は食べたものでしかつくられないので、食べることは生きることで、今食べているものが未来の自分をつくるのです。
野菜やパンを食べた方が健やかに幸せに生きられるようにと願いながら、生
産者として日々勤しんでおります。

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農業で大事なことは畑の土や野菜・虫などと向き合うことです。
一見わかりにくい問題も、例えば葉の色や虫のつき方などのちょっとした変化が教えてくれるのです。
それを見逃さずしっかりと向き合うと、本質が見えてきます。
また野菜によって個性があるので、それを生かせる環境を整えることも私達
の役割です。
例えば里芋など水を必要とするものは水持ちが良い畑に植えたり、暑さが苦手な生姜などは陽の当たりにくい畑に植えたりします。
環境が整うと野菜はすくすくと育ちます。

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野菜でパンを作るときも同様に、個性を生かすことを考えます。
人参は蒸して甘さを出してからパンに練りこんだり、さつまいもはじっくり焼き芋にしてパンで包んだり。
数種類の野菜をのせて焼き上げるパンの場合、大根やじゃがいもはオーブン焼き、万願寺とうがらしやなすは素揚げと、味を引き出す下準備をしてからパンの上にのせます。
野菜同士が引き立てあって、新しい美味しさが生まれます。
「向き合うこと」「個性を生かす環境を整えること」これは野菜に対してだけでなく、人との関係にも繋がることです。
畑が生きる上で大切なことを教えてくれました。
86farm・まころパンの通販サイトはこちら

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これから力を入れて取り組みたいことの一つに体験教室があります。
以前野菜収穫とその野菜を使ったパン作りをしたときに、子ども達が畑で驚き、収穫して喜び、料理して食べて楽しんでいる様子を見て、これは農家である私達が未来を担う子ども達に提供できるかけがえのない場だと確信しました。
現場での生きた食育が「農」について興味を持つきっかけになったら嬉しいです。

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ゆらジェンヌには、きょうと食いく先生(学校、保育所、地域等での体験型
食育を推進するため農作物の栽培や加工・調理等の食農体験指導を行うことができる専門家)の認定を受けたメンバーも多数在籍しております。
農業や料理などそれぞれの得意分野を生かした食育活動を今後広げていく予定です。


地域の皆さんが自分や大切な人の明日のごはんを背負って立ち、一人でも多
くの方が幸せに食べて幸せに生きるための伴走者になれるよう、走り続けます。

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