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202211 雑記

週に大体2回、銭湯に行く。

黒湯の温泉できれいなサウナがあって、駅から少し離れているためほぼ地元の人しかおらず、そこまで混雑しないのでとても気に入っている。

「黙浴」
サウナの壁にこう書かれた張り紙がある。
新型コロナが流行し、定着した言葉だ。

「サウナの中ではお静かに」これは町の銭湯ではなかなか守られてこなかったルールだ。
男性の方はわからないので女性の話になってしまうけど、コロナ以前、サウナ室の中はわりかしうるさかったと思う。
常連の方がいて、おしゃべりに花を咲かせていることが多かった。
内容は、ついているテレビの感想から洗い場にいるご婦人の悪口まで。

密室がそうさせるのか、小さなコミュニティがそうさせるのか。
サウナ室内でみんな仲良く話していたはずが、一人洗い場に行くとその人の悪口を始める。
そんな光景を見ることも少なくなかった。

一人で静かに入りたい時に、そのノイズはすごく鬱陶しかった。
他にも人がいるんだから黙ってくんないかな、そう思いながらしかし我慢するしかなかった。

そこにできた新ルール、「黙浴」。
もちろん飛沫感染を防ぐためにも徹底した方がいいと思うし、そう思わない人がいたとしても、たかだか10分やそこいらの時間わざわざ誰かの不安を煽ってまでお喋りすることはない。

最初はわりとみんな守っていた。
だけど時が経つにつれ、なんだかんだ大丈夫なんじゃないか、お喋りしたいししちゃお、の流れが出てきてしまった。

ただ、確実に以前と違うのは「サウナ室内にいる人数を見て会話を始める」ということだ。

わたしが行くサ室はマックス6名入れる。
とはいえ、大体いつも2〜3人、多くて4人、それ以上になることはほぼない。

わたしプラス常連、この場合当然だが会話は始まらない。
わたしプラス常連が2人、これが運命の分かれ道。

言ってしまえばわたしもそこそこの常連なので常連×3でもあるんだけど、常連にもいろんなタイプがあって、ご挨拶程度の仲の関係なら意外と会話は始まらない。

もしかしたら、入ってるのが2人だったら多少の会話はあるのかもしれないけど、わたしという人間がいることによって「黙浴」のルールが優先されるのだろう。

しかしお喋りな常連2人が出会ってしまった時、当然のように会話が始まる。
だがさらに室内に別の人間(not常連)が入ってくると、自然に会話は収まっていくのだ。なるほど、人は自分がマジョリティになると気が大きくなるのか。


常連2、not常連2、対等の数になってもお喋りがおさまらない時ももちろんある。それは、シマ根性というか自分たちの場所、という感覚が強いんだと思っている。
しかしここはサウナだ。自分ちじゃない。

わたしは、挨拶から本格的なお喋りに移り変わりトピックが2つ目になったら声かけをすることにしている。
そこまで話してたらもう、確信犯で会話してるから。
挨拶で終わるならそのくらいは別にいいし、その後片方が話しかけてももう片方は実は嫌だなと思ってる時って割と会話が早めに終息する。
そのタイミングで注意すると、本当は話したくなかった方の人が何だかかわいそうだなと思って、トピック2つ目、というのを決めた。

「黙浴、お願いします」

色々言い訳を言われることはあるけど、最後は静かになる。
そして静謐な時間が訪れる。

わたしはサウナが大好きだ。


【🌲出演情報🌲】

https://busukai.com/stage08/

第8回ブス会*『The VOICE』
脚本・演出:ペヤンヌマキ
音楽監督:向島ゆり子


出演:高野ゆらこ 罍陽子 異儀田夏葉 天羽尚吾 古澤裕介 金子清文

/向島ゆり子(演奏)

日程:2022 年 11 月 24 日(木)~30 日(水)

会場:遊空間 がざびぃ


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