「いのちの輝き」にみる「架空」という概念の考察
2025年大阪・関西万国博覧会のロゴマークが決定し、その奇抜さと独創性から多くの反響を呼んでいます。
その名も「いのちの輝き」
1970年大阪万博のDNAを継承した細胞(CELL)を繋げたイメージだということですが・・・。
やれ「シテ…コロシテ……」だの「沙耶の唄」だの「ショゴス」だの「キャラメルコーン」「ムック」「エリックだけのおもちゃ」「財団仕事しろ」・・・などいろいろと言われているようです。
このようにただのロゴマークであるはずなのに人の心を引き付けるのは、人々がこのロゴマークから何らかのストーリーを考えているのだと思います。
そしてこの「架空の存在」であるロゴマークを「意思のあるもの」として認識してしまったのではないでしょうか。
そんな感じのことを書いていきたいと思います。
「架空」とは、自分の行動や言動によりリアクションを返さないと思われる存在
なのだと思います。
アニメのキャラクターは当然私たちの声に耳を傾けません。またギャルゲーに選択肢があったとしても、それは私たちの声ではありません。
一方でAIのSiriは私たちの声に反応しリアクションをとりますが、私たちはSiriが膨大なデータをもとに利用者の声に返答するAIであると知っています。
大昔の人間にSiriと会話させれば、架空の存在ではないと考えるかもしれません。
また流暢な会話を行い、人間と変わらない返答ができるAIロボットが未来から来たとして、それを「架空」であると認識できるでしょうか。
少なくとも野比のび太はドラえもんを「架空」の存在とは認識していないように見えます。
結局のところ「架空」とは意思があるかないか、ということになるのですが
人間がそれを判断するのは非常に難しい。
哲学的ゾンビ、あるいは中国語の部屋、など昔から多くの人々によって議論されて、いまだに結論の出ていない話だと思います。
今話をしている人間が本当は意思もなく返答しているだけの存在かもしれないし、意思がないと考えられているSiriも親兄弟を人質にとられ、命令通りに動かないとこいつらの命はないぞと脅されているかもしれません。根気強くiPhoneにむかって大丈夫ボクがついてる!絶対君を守るから!だから信じて本当のことを話して!といえば気持ちが通じるかも、そして話される真実、組織から逃げる二人、やがて二人は恋に落ち、ベッドの上で・・・・・えっ茶番が長い?すみません。
そういったことから「架空」という存在は主観でもって判断するしかないでしょうし、そうなるとそこには当然グラデーション、人による認識の差が生じます。
ではここでちょっと極論です。
本当にアニメキャラクターは架空の存在なのでしょうか?
例えば妄想。誰しも一度は推しキャラの色々な妄想をしたことがあるでしょう。そうですね?経験者は語るというやつです。第三者からしたら自分の意志や考えが介入しない、返答もない。まさに「架空」の存在ですが
それを考える本人の中では自分の行動・言動に自分がリアクションをとっています。
あるいは自分と同じ考えを持つ人が同じようにキャラクターを動かし、あたかも自分の思考にリアクションがあったかのように考えるかもしれません。
沙耶の唄、クトゥルフ神話、SCP財団などはその手助けになるでしょう。
では最後に、大阪・関西万博ロゴマーク公募サイトの文面を引用して終わりたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
"LOGO ANNOUNCEMENT"
"結果発表"
"最優秀作品
dummy"
"みなさまから、たくさんのご応募とご意見をいただいたロゴマークの最優秀作品が決定しました。
ウィズコロナ・ポストコロナの時代に、「新しい万博」を彩り、「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマを力強く表現するロゴマークが生まれました。
大阪・関西万博のシンボルとして世界中から愛され、親しみを持たれるロゴマークを目指していきます。
2025年に向けて一緒に盛り上げていきましょう!"
"デザインコンセプト
踊っている。跳ねている。弾んでいる。だから生きている。大阪・関西万博。1970年のデザインエレメントをDNAとして宿したCELLたちが、2025年の夢洲でこれからの未来を共創する。関西とも、大阪府ともとれるフォルムを囲んだメインシンボルだけでなく、CELLたちは、文字や数字を描きだし、キャラクターとしてコミュニケーションする。自由に。有機的に。発展的に。いのちの輝きを表現していく。"
"受賞者
グループ名TEAM INARI(チーム イナリ)
作者(代表者)シマダ タモツ
生年1965年
職業アートディレクター/ グラフィックデザイナー
グループメンバー雨宮 深雪(あめみや みゆき)大亦 伸彦(おおまた のぶひこ)上村 慎也(かみむら しんや)布川 侑己(ぬのかわ ゆうこ)藤澤 勇佑(ふじさわ ゆうすけ)"
出展:https://logo.expo2025.or.jp/logo_announcement.html
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