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夏休み② 空港でつかまったところを大谷に助けられる。

ロサンゼルス国際空港の税関で見事「選抜メンバー」となり、角にある別室に連れていかれる。ハメス・ロドリゲスを彷彿とさせる気さくな男性に、荷物を総チェックされた。

カメラを指さし、仕事は何?写真家?と聴かれたので「エディター」と答える。今思い返すと「CEO」と答える手もあった気がするがそれは浮かばなかったし、海外でも意味の通る職業についてる自分がなんだか誇らしくなった。

旅行の目的を問われ「エンゼルス」と答えるとハメスは破顔し「Shohei Ohtani !」と発話した。大谷のことを絶賛する彼に思わず「サンキュー」と言ってしまったが、大谷選手の偉業になんの貢献もしてない自分が礼を言うのはおかしいと気づき、がんばってないイベントの打ち上げに行くような気分になり、少し反省した。

外へ。

早朝のロサンゼルスは20℃前後の気温で半袖では心許ないぐらいだった。最高気温も28℃ぐらい。「からっとして涼しい」という、旅行記やエッセイで見るのみで実感のともなわなかった感覚を得る。

宿泊予定のホテルに荷物を預け、ロビーで残務をこなす。チェックイン前にいすわるのは申し訳ない気持ちもあったが、背に腹は代えられない。積極的に売店を利用し、ドクターペッパーやグラノーラバーを買ったりしてやり過ごした。

のちにわかることだがこのホテルは予約したところとは違っていて、夕方慌てて荷物を取りにくることになる。少ないが買い物をしていてほんとうによかった。

午前11時半、まだ終わりきらない仕事を気にかけつつ、LyftというUberの競合アプリでクルマを呼んで、郊外のアナハイムと呼ばれるエリアへと向かう。目的はひとつ。