理不尽事案に弱い自分
自動車を初めて所有したのは大学生の頃だった。まだ運転もおぼつかない状況だったが,ある日友人から好きな女の子と松本市でデートしたいので,乗せていってほしいと頼まれ,若干不安に思いながらも50キロほど離れた松本市まで二人を乗せて行った。前日は割と寝不足だったのだが,友人には親切にするもんだろうと汗をかきかき頑張って運転をした。が,まだ初心者での長距離運転だったこともあり,目的地に到着後の駐車がスムーズにできなかった私に,件の友人、後ろから座席を蹴りをいれながら「この下手糞ッ」と激しく罵倒した。額に冷や汗を,目に涙を浮かべながらなぜか友人に何度も謝っていた私。そして帰宅後,その日のガソリン代も支払われることなく,ただ友人の足となった上に,罵倒されたことに激しい理不尽を感じ,その夜は眠れなかった。なぜあの時怒れなかったのか。この小さな事件はいまだに時々夢に出てくる。謝っている自分が夢でも情けなく,泣けてくる。
先日,知り合いから「連休明けくらいに長野県に行くので林業の話をしたい」という連絡をいただいた。仮で日程を定め,1週間ほど前には正式に日程を決定して再度連絡するとのことだった。ご家族でいらっしゃるとのことだったので,子供さんや奥さんが退屈しないように,お菓子の予約をしたり,本や漫画を用意していた。連休前まで下肢の痺れなどによって思うように働けなかったため,家事代行業の方に水回りの掃除をお願いして待っていたが,待てど暮らせど連絡はない。当日になって来訪の確認をしたところ,「コロナのこの時期だというのにと,身内から控えるように言われた。子供もいることだし…」との返答。最初にお話をいただいた時に,私も同様に思ったものの,山の話をぜひしたいとのことだったので承諾したのだったが… なぜギリギリでもいいから,連絡をいただけなかったのか… それなのに「いいです,いいです。またおいでくださいね😊」と即座に返答してしまった。馬鹿だ…本当に私は馬鹿だ。懲りていないのか。
これって何故なんだろう。後で理不尽で眠れないくらいなら,その時に怒ればいいのにその場で怒れない自分… いつもそうだ。情けないことこの上ない。世の中の皆さんは,こういう理不尽に遭遇した時にはどのように対処しているんだろう。最近やっとのことでやっているのは,「理不尽の元」からできるだけ距離を置くこと,できれば関係を切ること…のみだ。長い付き合いであるほどなかなか切れないけれども,理不尽な人間は何度でも理不尽なことをすることは体験済みだ。自分を守るためにもなんとかしなければ。理不尽事案に弱い自分。頑張れ。もうちょっと頑張れ。