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海外登山 マレーシア最高峰キナバル山 2023/05/24-28


5月24日(水)Day1


待ちに待った自身初の海外登山。前日は興奮と期待で眠れず、誰よりも早く 1時間ほど前に関空出発ロビー到着、みなさんをお待ちする。7時50分、参加メンバー6名全員集合、自己紹介のあと、渡航経験豊富な水谷LCアドバイスで、マレーシアドルに5,000円ほど交換する。

みなさんと談笑しながらあっという間に搭乗時間を迎え、マレーシア航空53便にていざクアラルンプールへ出発。

飛行機に乗るまでのこの時間が大好きだ

6時間のフライトを経て国内線へ乗り継ぎ、最終目的地コナキタバルに到着が現地時間の22時40分。さすがは赤道直下の国、マレーシア、夜間でもムッと蒸し暑い。

現地ガイドのWILLIEさんと無事に合流して専用バスにてホテルへ向かう。メンバーで最年少 高田さんと同じ部屋へ。シャワーを浴びて明日の準備を済ませベットに入ったのは夜中過ぎ。明日からはいよいよキナバル登山スタートだ。

5月25日(木)Day2


朝6時起床、ホテルからは海と積乱雲が見える。そう紛れもなくここは熱帯の国なのだ。 7時過ぎ専用バスでいざキナバル国立公園へ向かう。道中信号が殆どないため高速道路なみにスピードを出しながらの移動だ。突然、右手からキナバル山が雲間から見え出す。想像していたよりもずっと壮大でスケール感の大きい山肌が登場する。果たしてあの遥か彼方にある頂上に自分は登れるのか?ちょっと不安になる。


ついにキナバル山がみえた!登れるのか?

午前9時3分キナバル国立公園に到着。現地ガイドのJASOONさん、ポーターさんと合流。登山計画書を書いて許可証と弁当を受け取って登山口まで移動。準備運動を済ませ、いよいよ午前10時11分「Timpohon Gate_標高1,867m」より登山開始。

未知の世界への旅たちに、みなさんワクワクの笑顔だ。登山道はさすが世界遺産だけあって整備されておりとても歩きやすい。Shelterと呼ばれる休憩所が各所に設けてありトイレも水洗、ゴミ箱もおいてあり素晴らしい環境だ。


水洗トイレ・ゴミ箱完備の小屋

目的地であるLaban Rataまで6つのShelterを通過して、標高差約1,400メートルをゆっくりと着実に登っていく。途中いくつもの花々やウツボカズラ、リスが出迎えてくれて我々を飽きさせない。歩いて2時間少し標高2,200m付近から鬱蒼としたジャングル地帯へ突入。日本ではまず見ることができないキナバルならではの木々等。Layang-Layang Shelterを超えたあたりから徐々に石段が多くなってくる。急勾配沿いに延々に続く・・石段。

スタートして約5時間、4.5km看板_2,898m付近を超えた先に、雄大なキナバル山のトップがやっと見え出す。思わずみんな足を止める。

「・・うわあ・・まだまだ先やん・・」思わず私の口から出た言葉だ。午後4時すぎ、スタートから5.0km地点ついに標高3,000メートルを超える。自身初の3,000m超だ。(大変お恥ずかしい話だが自身のこれまでの最高峰は2,700m)その先3,100mを超えてもなお高い木々が覆い茂る場所を通過しながら1時間後、雲海を眼下に壮大な景色が目の前に広がる。いつの間にか太陽も大きく傾きかけている。


まだまだ遠い・・

「あともうちょっと!!」ガイドさんの言葉に励まされながら、ついにスタートして7時間30分後の午後5時40分。本日の目的地、標高3,272mのLaban Rataに到着。ポーターさん、ガイドさん、みんなで記念写真を取り、早々と山小屋兼食堂へ向かう。食堂にはもうすでにたくさんの人が集まっていて楽しく夕食をしている。我々も早速席を確保してバイキング形式の夕食を摂る。8時間近く急登を登ってきた身体はエネルギーを欲していて何を食べても美味しい。なんでもないカボス茶が特に美味しかったことは印象深い。


僕にとってはこれが小屋での最初で最後の食事だった・・

夕食を終えて宿泊小屋へ。清潔なベットが15ほどあるやや大きめな小屋で真ん中にトイレと洗面所が完備されている。明日の準備を済ませベットに入ったのは19時。実は私が一番早く寝る体制に入ったのだが、翌朝まで一睡もできないまま夜を明かした。

寝れない理由は高山病。強烈な頭痛と吐き気が襲う。この時ほど、みなさんのイビキが羨ましかったことはない。「なんて俺はしょぼいのだ・・明日は吐きながらでも絶対登るぞ!」とか考えているうちに、翌朝早朝1時30分を迎える。

5月26日(金)Day3


早朝1時30分起床。私にとって長く辛い夜だったが、みなさんは快適な朝を迎えられているようで何とも羨ましい。

簡単な朝食を食べたあと(私はまったく食べることができず)準備体操をすませ、熱湯をポットに入れヘッデンをつけて午前2時30分すぎ出発。気合いをいれたのか緊張からなのか、頭痛も吐き気もだいぶマシになっている。何人いるのだろう、大勢のヘッデンの光の波が一斉に動いている。


一歩一歩その先に・・

豊田さんにアドバイスをいただいた呼吸法でゆっくりとゆっくりと登っていく。ここから標高差823mを登れば頂上だ。なんてことはない、いつも練習で登っている神戸の摩耶六甲山と同じだ。焦ることはない。頭上には天の川、進行方向には大きく傾いた夏のさそり座が見える。ということは我々が向かっている方角は西だね、反対方向から朝日が見えるのかな?そんな話を高田さんとしながらゆっくりと歩く。

途中からさらに急登に。焦るな、一歩一歩だ。

午前5時30分 昨日のスタート地点から7,5km、標高3,800m地点に到着。ついに日本では体験不可能な未知の領域に登ってきたのだ。なんだかとても嬉しくて誇らしい気分になる。10分ほどして周りが明るくなって壮大な景色が見え出す。ロープを辿りながら頂上を登り切る。午前6時 8.0km地点 標高3,929m地点に到着。


国内では絶対に体験できない高度へ

ガイドのJASOONさん「はい、ここからあと40分ほどですね」
「あれ、ええー、まだあるの!?マジか・・」頂上と思っていたのは勝手な私の思い込みで雲に隠れていた本当の山頂のローズピークが見え出す。遥か上に沢山の人が集まっている。

「ああ、あそこが山頂か!」いやそう来なくては・・4,000mではないのだ。ずっと先には豊田さん、梅田さん、篠田さんが着々と私のように一喜一憂することなく登っておられる。さすがの安定感だ。高田さんも元気。私は足が重く呼吸が苦しくて思うように進まない。「くそー!頑張れ!もうちょいだ!」独り言をブツブツ言いながら呼吸を整えそれでも登っていく。

ついに午前7時4分 4,095mキナバル山 山頂に立つ。みなさんと集まって山頂で記念撮影。「やった!!」頂上はさすがに風が強く寒い。止まっているとどんどん体温を奪われていくので即下山開始。下山途中、あの壮大なボルネオ島を一気に見下ろす景色は一生忘れないだろう。どんなカメラにも納めることができない壮大な景色は凄かったとしか表現できない。

下山して初めて分かったことであるがよくぞあの急登を登ってきたものだ。景色が見えない夜だからこそ登り切ることができたのかも知れない。


ついに山頂へ!


登頂後サウスピークをバックに

9時30分スタート地点のLaban Rataに到着。朝食をみんなで食べるも未だ頭痛があって食欲がまったくない私。やれやれ呆れたものだ。10時55分Laban Rataをスタート、登山口まで一気に下る。長い下山の道中、気を紛らわすためにも、登ってくる登山者みなさんに声をかけていく。ちょっとした会話なのだがこれがとても楽しかった。大半が地元マレーシアから、他オーストラリアからも一組だけ日本人のグループにも出会うことができた。

15時32分ついにスタート地点Timpohon Gateに無事に戻ってきた。おつかれさまでした!!2日間お世話になったJASOONさん、ポーターのみなさんとお別れして地元ガイドのWILLIEさんの案内で近くの中華レストランでみんなとカンパイ!ホテルに着いてから地元で有名な大衆食堂でのマレーシア料理はこれまた格別に美味だった。


最高だったなあ

5月27日(土)Day4

最終日のフリータイム、こちらも忘れられない素晴らしい体験だった。天然のカメレオン君の出会いからスタートしてボルネオ島の自然が生み出すご馳走の数々…世界一美味しかったマンゴーに数々のフルーツ、香辛料、サメから伊勢エビまでの食材がズラリと並ぶマーケットの活気と楽しさよ。
そして・・ラスト、ボルネオ島でも恐らくトップを誇る高級中華レストランで食べたマングローブガニの格別な味は一生忘れられないだろう。


死ぬほど美味かったマンゴー

(まとめ)


昨年の6月に関西支部に入会させていただき、3,000mの山すら登ったことがない私にこのような素晴らしいチャンスを頂いたこと、奇跡的な天候に恵まれてキナバル山頂に立てたこと、岐阜支部の梅田さん、篠田さん、関西支部のリーダー水谷さん、豊田さん、高田さん、ガイドさん、ポーターさん、キナバルのあの自然美、全てに感謝します。ありがとうございました。国内はもちろん素晴らしい。でも海外の山々もさらに壮大で素晴らしい。チャンスあればいつでも行けるように日々精進してさらに楽しみたいと思います。

(参加者)

日本山岳会 関西支部/岐阜支部のみなさま
水谷 透
篠田 喜美子
豊田 哲也
梅田 直美
高田 康弘
岡谷雄一郎(敬称略)

(みなさまへプレゼント🎁)


僕たちの一生忘れない素晴らしき旅を、動画にしました。編集者のスキルの低さもあって・・長編となってしまいましたが、どうぞお許しください。 それではどうぞ!(クリックするとyoutubeへ飛びます)


山行記&動画編集 岡谷雄一郎(日本山岳会関西支部)



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