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四十歳から目指すイラストレーター②絵の自己分析と、見つめ直す目標

絵を描かれる皆様は、自分がどんな絵を描いているか、意識した事がありますか?
又、自分の絵は他の方にどんな印象を与えているのか考えた事がありますか?

私は今まで「自分の絵のことは、描いている自分が一番分かってる」と思い込んでいました。
しかし、それがとんでもない間違いだったことが最近判明し、驚愕しました…。
今回は自分の絵を客観的な目線から見つめ直し、自分が描きたい絵や方向性について改めて考え直してみました。

◆今まで自分が考えていた、自分の絵の印象

まずは、すごく恥ずかしい自白をしなくてはいけないんですが……
今まで私は、自分の絵を「スタジオジブリ風」だと思っていたんです。
そう思っていた言い訳をさせてもらうと、「もののけ姫」を初めて見て以来、模写するとしたらスタジオジブリ作品でしたし、好きな絵もスタジオジブリに勤務されているアニメーターさんの絵だったのです。
そんな方々に憧れ、練習を重ねてきたので、ちょっとは自分の絵はスタジオジブリに近くなっているはずだと思い込んでいました。

スタジオジブリ作品の絵の魅力をキーワードで挙げるとしたら…

全年齢対象、表情と動きもイキイキとして魅力的、格好いいと可愛いが共存、あらゆる角度で描いても完璧なデッサン、誰がみても「これはジブリ作品だ」とわかる個性

自分の絵にも、こんな要素があるといいなと思っていました。

◆実際聞いてわかった、他の方から見た自分の絵の印象

自分の絵はジブリ風だとこっそり確信していた私ですが、最近家族に「私の絵って、何に似てる?」と聞いてみました。
すると、予想外の答え…「うーん、似てる絵ないなぁ
「ジ、ジブリとかは…?」と聞いてみると、
確かに似てないことはないけど、違うかなぁ

ち、違うのか‼️‼️😱😱
衝撃でした、少なくともこの十年くらいは自分の絵はジブリ系だと思っていたので…

他にも、自分の絵にテイストが近いのではないかと自分が思ったイラストレーターさんの絵を見せてみますが、いずれも反応は「うーん…近い気もするけどどうかなぁ」というものでした。
ここで初めて気づきました。

私って、もしかして自分の絵を物凄い勘違いしてるんじゃない?

◆自分の絵を自己分析するためにしたこと

以上のような経験から、自分が思う絵の印象と、他の方から見える絵の印象は全く違うんだなという事がわかりました。
自己分析は難しいですが、それは絵でも変わらないのですね。

では、どうしたら他の方がどんな風に私の絵を見ているかが分かるのか?と考え、私は作品をSNSにとにかくあげることを始めました。
すると、どんな絵が沢山閲覧やいいねが頂けるのか、結構はっきりと見えてきました。
又、ありがたいことに絵に対してコメントを頂けたりして、自分の絵がどう見えているのか知る事が出来ました。

SNSを通じて分かった私の絵は…

アナログテイスト(特に鉛筆だけのシンプルなものが良い?)っぽい、可愛く優しい印象、ライフスタイル系統のテーマに合いそう、子供を持つお母さんが見る雑誌媒体などに載っていそう

自分の絵が必要とされるであろう、かなり具体的な場面が分かってきました。
もっと早く、自分の絵を沢山の方に見てもらう機会を作るべきでした。
(参考に、最近描いて、沢山の方に見ていただけたアナログテイストの絵です↓)

◆絵の自己分析を踏まえて振り返る、去年の目標

これまでの私の絵の方向性は、「スタジオジブリ風」であることを前提に考えてきたものなので、大きく見直さなければならないと思いました。

上記の画像は、2020年にTwitterでイラストレーターのカワグチマサミさんの企画「フリーランスかーちゃん」の際に、私が提出した自己分析と目標の画像です。
こちらの画像の内容を元に、カワグチさんが今後のアドバイスをしてくださいました。

カワグチさんから頂いたアドバイスは以下の通りです。

・ウェルカムボードなどギフト系に合う(温かみのある絵)
・植物を楽しく描けるのは強み、経験と知識があれば大きな武器になる
・HP、ブログなど自分の情報を発信できる場所を作った方が良い

など、すごく参考になるアドバイスを沢山いただきました。

こちらを提出したのが2020年10月のこと。
一年が過ぎましたが、この中で、私が実行できているのはnoteを書き始めたことと、HPの制作を始めたことくらいでしょうか…

何故アドバイス頂いた内容を十分に進められなかったのか。
今振り返ってみると、大きな原因は以下の三つだったと思います。

①今より子供が小さくて絵にかけられる時間が足りなかったと
②自己分析が十分でなく「やりたいこと」「やれること」「憧れているだけのこと」の区分けがちゃんと出来ていなかった為に、制作の手が止まってしまった
③自分の絵柄をよく分かっていなかったので、自分の絵が活躍できる場面を具体的に想像する事ができなかった

◆目標を達成するための再考察、再分析

以上のことをふまえ、もう一度自分の目標を自己分析する必要があると感じました。
その為にやったのが、以下の③つです。

①自己分析表の見直し
②実地調査をし、どのジャンルのどの本にイラストを載せたいか目標を明確にする
③憧れの近藤喜文さんの作品から、私の描きたい世界を明確にする

①自己分析表の見直し
やりたいことと、憧れていることをもう一度はっきり分けてみたのがこちらです。

こうしてみると、意外と憧れている仕事が多い事がわかります。
やりたいことも多く、多岐にわたっているので、もし営業活動を始めるならもっとジャンルを絞らないといけないと思いました。


②実地調査。どのジャンルのどの本にイラストを載せたいか明確にする

やりたいことを絞った後、実際の書籍ではどのような絵が使われているのかを本屋さんに確認に行きました。
実際に本を見てみると、使用されている絵のジャンルの広さに驚きます。
どこかに営業をしたいなら、漠然と描いているだけでは、自分の絵は採用されることはないと強く感じました。

色々本を見る中で、自分が健康・育児・自己啓発ジャンルの挿絵に強い関心を持っていることを自覚しました・
私は、「人の役に立つ役割を持ちながら、同時に優しさを感じる絵」を書きたいのだなということがわかりました。
自分の絵を掲載していただきたい、目標の書籍も見つけることができました。


③憧れの近藤喜文さんの作品から考える、私の描きたい世界

憧れの絵を描かれる方は沢山いるのですが、その中でも特に、近藤喜文さんの絵に強い憧れを抱いています。

近藤喜文さん…スタジオジブリのアニメーターで、「耳をすませば」の監督や「火垂るの墓」「おもひでぽろぽろ」などの作画監督、その他数多くの有名な作品に参加されていました。格好いいアクションから穏やかな日常生活、細やかな表情まで、あらゆるものを描くことができる素晴らしい技術を持つだけでなく、絵の中の人物や世界へ深い愛情を持ち、その想いを線で表現していらっしゃいました。とても残念なことに
、47歳の若さで、病気でお亡くなりになっています。

スタジオジブリ公式サイトにて、近藤喜文さんが作画監督をされた「おもひでぽろぽろ」の画像が使用可の現場写真で紹介されていたので、お借りして添付します↓↓
(画像は計50枚公開されています。どれも素敵なので、ぜひご覧ください)

描かれている人物たちの表情、仕草…画像を見ているだけで、こちらまで幸せな気持ちになってきます✨
近藤さんは、生前「ふと振り返ると」という画集を発表されてます。
その中で、近藤さんが描かれる絵の中の人物たちは、どの作品でも、とても丁寧に毎日の生活を送っていることが伝わってきます。
近藤さんの卓越した技術によって紙の向こう側に世界が生まれ、大地が存在し、風も吹き、音も声も聞こえてくるようです。
絵をうまく描くというより、この世界観を描きたかったという近藤さんの想いが伝わってくるような気がします。
そして、その世界を描く近藤さんの線選びはどこまでも丁寧で優しく、愛情に溢れています。
おもひでぽろぽろの画像を見て分かる通り、すごい枚数の絵を描かなければならないアニメーションでも、そのクオリティや姿勢を崩されることがなかったなんて…もう本当に心から尊敬しています。
(「ふと振り返ると」のamazonのリンクです↓)

こうして文章にまとめてみて、私は近藤喜文さんの確かな技術と、優しい眼差しで描かれた日常生活を丁寧に送る人々がとても好きなのだということがわかりました。

◆自己分析をしてみて分かったこと

以上の再考察、再分析から、自分にとって重要なキーワードがわかってきました。

・日常を丁寧に暮らす人々と、その生活
・人の役に立つ役割を持ちながら、同時に優しさを感じる絵

今後、私は以上のことをテーマに作品作りをしていくつもりです。
そして、そんな私の絵がお役に立てるとすれば、本屋さんで関心を持った健康育児、自己啓発のジャンル、そしてお客様の思いを絵にこめる似顔絵作りなのではないかと思いました。

今回、自分の絵への思い違いに気づかなければ、私はずっと自分の絵を勘違いしたまま、描きたいテーマを深掘りすることもなく、なんとなく絵を描いていたかも知れません。
自分にとって、絵を公表し、多くの方の意見を聞けたことは本当に良いチャンスだったと思います。
ジブリ風でないのは正直残念ですが(笑)、私が近藤喜文さんの絵に感じた感動を、今度は私の絵を見た誰かに感じて頂けたら本当に嬉しいし、それを目標に今後も頑張って絵を描いていきたいと思います。

こんな、人々のさりげない幸せな日常を描いていきたいです

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