見出し画像

消滅呪文 メドローアの物理

ダイの大冒険(漫画、アニメ)に登場する、「メドローア」の物理特性を計算するFS(フィクション科学)です。いわゆる空想科学系。

作中では温度を操作する究極呪文として描写されています。作者殿はどうお考えで考案されたのかはわかりませんが、これがまたなかなかどうして結構筋が通っており、それなりに物理的に解釈でき、しかも威力を試算する式も立式できます。

基本となるのは熱力学の基本法則

  • 熱力学第一法則(ヘスの法則)

  • 熱力学第二法則(エントロピー増大の法則)

  • フーリエの熱伝導式

です。

詳しい適用方法は数式もあるので画像で。

これらは全て物理的に理にかなっており、少なくともマトリフ氏の説明どおりの操作ができれば確かにこのような物理現象は考えられます。

そして、特に金属に関してですが、実際に温度の急激な変化は物理破壊を引き起こします。

金属加工において、高温状態から急冷する作業は「焼き入れ」として知られていますが例えばいわゆる鋼鉄の場合、大体700℃前後で焼入れを入れますが、温度が高すぎると焼き割れ、焼き歪みが起こりやすくなります「大学基礎 機械材料 SI単位版、門間改三著、2016年第21刷、pp51-52」。

メドローアはこれよりも遥かに高い温度と遥かに低い温度が隣接する極限状態であり、大きな破壊力を持っていることは間違いありません。仮に対象にぶつかって表面0.1mmから加熱が起こった場合、炎部分が2000℃、氷部分がマイナス200℃とした場合、15400000W、IH加熱調理機の最大出力5133台分の熱移動が起こります。

こうして対象は粉々に破壊されます。利用している物理現象はシンプルそのものであり、その分防御も難しい代物といえますね。
最後はほんの冗談ですが、一般相対性理論から見た、魔術師の考察です。

ではまた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?