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ステークホルダーが多く、UXデザインの理解がない組織で、いかにしてユーザー体験を向上してきたかを「銀行とデザイン デザインを企業文化に浸透させるために」から学ぶ。
冬休みに「銀行とデザイン デザインを企業文化に浸透させるために」を読みました。
読書背景・期待していること
ステークホルダーが多く、かつユーザー体験を重視していない組織の中で、いかにして、ユーザー体験・UXの向上を行ってきたか。
本noteでまとめたこと
どのようにしてインハウスデザイナーが誕生・PJが発足したか?
どのようにしてデザインを社内に啓蒙にしていったか?
1. インハウスデザイナーの誕生背景
異色な職種がどのようにして始まったか?
もともとSMBCはデジタルチャネルで選ばれる銀行になる必要があると考えていた。当時は外部パートナーに委託していたが、本格的にDXに取り組むには業務委託ではなく社員として同じ目線で話ができるデザイナーを求めた。
<学び>
デザイン理解がない組織がどのようにして採用することが始まったのか気になったが、同じ目線を持つ・立場を揃えたいニーズから採用が始まったのか。
2. 社内啓蒙の方法
初期の信頼の積み重ね方法
企画担当者に理解してもらうために、(UXデザイナー視点で)実現したいことよりもなるべく早くわかりやすい成果を出す子ことも大事という意識を持ち、既存企画のレビューでユーザー視点の意見をいったり、PowerPointで工夫してデザイン案を起こしたりという業務から始めた。
新しい企画の打ち合わせがあると聞けば、少しでも顔を出して、インハウスデザイナーはこういうこともやるんだという認識を企画担当者に浸透し始めた。そうして信頼を積み重ね、企画が上がった際にデザイナーにも聞いてみようとなり、デザイナー側も社内の全体的な動きを把握していった。
1. とにかく顔を出す
2. できることは何でもやる
3. ちょっとした相談が増える
4. 領域が増える
5. 全体の動きが見えてくる
6. 横串の提案もできる
<学び>
私自身、エンタープライズセールスの経験があり、商談で課題を聞き出し、
とにかく直接契約と関係ないことでも、提案を繰り返すことで、まさにちょっとした相談が増えて、そこから他の部門にも広がった経験があったので、特に2~4の流れは共感できる。初期は自身が実現したいこと<できることから始めるが大事だと再認識した。
デザインの浸透・文化づくり
■ デザイナーとしての信頼を積み上げる
企画担当者にデザイナーの役割と価値を伝えて、業務推進の伴走者と認識させる。そのためにデザイナー自らが顔を出し、守備範囲を広げる
■ ユーザーにとって価値あるサービスを作る
1つひとつのページに対し、お客さんが使いやすいように改善。その既存の改善実績が新規サービスの立ち上げにも広がる
■ 複数チャネルのデザインを統一してシームレスにつなぐ
トンマナなどデザインを統一して、1つのブランドとして認識してもらう。
■ 価値あるサービスを生むための仕組みを作る
デザイン品質を保つための仕組みづくり
<学び>
先程の「1. とにかく顔を出す~6. 横串の提案もできる」と同じように、信頼作り上げるために守備範囲を広げて、既存のものから最速で実績を作り、結果的に新規から既存も含め全体に関わることで、やっと全体最適を作れると学んだ。
デザイナーのプレゼンスを上げるために
資料化
before→afterの提示
・デザイナーの入る前とあとの改善の成果を可視化できる。
・数値を積極的に出す、数字を出すことでビジネス視点で評価できる。
・課題の原因と対策を言語化、なぜ課題が発生するのかを知りたがっている、学びになる。
勉強会やワークショップ
企画担当者にUXデザインを理解してもらうために実施。課題発見ワークショップ何度か実施、企画担当者自らが気づきを引き出せるように。
デザイナーが情報発信
デザイナー向けイベントで登壇
基盤構築を進めるためにメンバーを増やす必要があった。しかしデザイナーを採用していることを知らない。そこでデザイナー向けイベントに登壇することで採用活動にプラスに。
noteでの発信
銀行がnoteアカウントを持つことがらしくないからこそ、自由を尊重するブランディングとデザインチームのプレゼンスの向上に
サマリー
「理解が薄い中でステークホルダーを適切に巻き込みPJを推進するために」学んだことは、以下の通り。
■ 信頼を高める
そのために自ら色々顔を出し、守備範囲を広める、そしてできることを何でもやることで、ちょっとした相談が増える。
新規PJに入るために、既存のPJにも参加し、できることを発揮する(実現したいことのために、まずはできることから進めて成果を出す)
■ 成果を見える化する
上長の成果報告時に、成果を数値と紐付ける。また原因などWhyを言語化することで、上長の学びも増える。
■ 啓蒙する
得体の知れない活動・役割を理解してもらえる。デザイナーの手が離れて自らできるUXを考えられることで、デザイナーの人数を超えた強い組織、自律した組織ができる。
本書は、ステークホルダーが多い組織の中で、エンジニアが上流に入って全体を統率したい方、中途入社直後のプロジェクトマネージャーやひいてはエンタープライズセールスの方などにとって参考になる動きだと思います。
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