2014年12月の記事一覧
ロボットくんの調査(ちょうさ)[short story]
鉄製の扉が半開きになっている。
そこで僕は、自慢のアームでそれをゆっくりと押した。
扉の先にもまだ道は続いている。剥き出しのまま天井を這うパイプ。鉄の色で染められた殺風景な通路。その狭い中をぐいぐいと進んでゆく。
途中で障害物があった。転がったままのスパナ。僕はそれを、自慢の小型キャタピラーでゆうゆうと超えてゆく。
さらに進んでゆく僕。また道は曲がっていて、その先には階段があった。また
二匹の猫 [short story]
ここ、インド・ムンバイの港町には、今日も数多くの船が繋留され、波とともにかすかに帆の先を上下させている。
昼過ぎだからか、既に多くの漁師は海から戻って来ていて、そのてらてらに焼けた肌を露出させながら、港のそこかしこで休んだり、数ルピーしか行き来しないしょっぱい賭博に打ち込んだり、あるいは次の仕事に移動しようとしている。
それらの中のひとつ。漁船……と呼ぶにはあまりにも寂しいが、その「ボート