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進撃の巨人感想 パート3(壁外編前半)


はじめに

前回の続き。基本アニメの順番通りにコメントしていきます。原作にしかないシーンは原作何話ってのも書いときます。ストーリーは一通り把握しているという前提で感想を書いていきます。また、言うだけ野暮すぎるなってとこはスルーするのでそこは悪しからず。

海の向こう側~凶弾

壁外編前半OP「僕の戦争」
このOPは曲もいいんだけど映像がすごい良いね。壁内思考にどっぷりつかった視聴者に、壁外にも人はいて醜い戦争を繰り返してるって現実を否が応でも叩きつけてくるような映像。巨人兵器のアクセントも効いててまさに進撃の巨人のOPって感じする。

アニメ第六十一話 ライナー「お前がガビを救い出すんだ この真っ暗な俺達の未来から…」
マーレへの忠誠に染まった発言したと思ったら急にガビを救えって言ったり、なんだかよくわかんないシーン。ライナー正直頭おかしくなっていて、どっちも本心で両方の心を同時に抱えてるからこんな発言になるのかな、と思った。ライナー、ファルコの柔軟性や聖人っぷりを見抜いてて信じることができたからこそ反マーレ側の本音を打ち明けることができたんだろうか。

出典:進撃の巨人22巻

アニメ第六十一話 誰かが屋根から自殺したシーン
直接的な意味はないだろうけど何か意味を見出すとするなら、ライナーは精神が分裂、崩壊ギリギリの限界状態であり、罪悪感を押し殺しながらかろうじて生きてることを象徴してるのかなと思った。このあたりのライナーが静かに狂ってる感じ不気味です~ごい好き。

原作第九十五話 ガビ「いつか…本当のことを話してね」
ここらへんのガビ、ライナーへの思いがかなり重くて良い。ガビは心からライナーをわかってあげようとしてるんだけど、ライナーからしてみればそう簡単にわかってもらえるわけないってわかってるから「…そうだな」って言うしかないのつら良い。ライナー死ぬほど孤独なんだろうな…。

アニメ第六十二話 ライナー「俺だけだと言い切れるか?」
ライナーって追い詰められたり切羽詰まった時の、他人を追い込んで有無を言わさず自分の意見を通す能力がかなり高いと感じる。相手が考えたくないこと、認めたくないことを的確に詰めて思考する余裕を奪う人心掌握能力?みたいなのすごいと思う。これには忠誠を示す作文ガリガリ書きまくった経験が反映されてたりするのかも。ここだけじゃなくマルコの立体起動装置をアニに外させるときとか、ファルコが名誉を侮辱したときとか。

アニメ第六十二話 アニ「私もそうだ!!生きて帰んなきゃいけないんだよ!!」
アニが、人間の大多数は自分勝手なクズだっていう思想を持ってるって描写は何度かあったけど、その思想がはっきり確立されたのはここの気がする。生まれてすぐ親に捨てられ、拾ってくれた父親も自分の利益のために格闘技を強制してきて、ライナーが保身のために人を脅すのを目の当たりにし、そして自分も故郷に帰るためならライナーのことなんかどうでもいいと考えていた、総じて上記の思想に至った、みたいな感じなのかな。

アニメ第六十二話 ライナー「まだ何もわかってないんだ」
最初鎧が壁破るの見たときはとんでもない悪意を持って壁を破壊してると思ってたのに、実際には何もかも思い通りにいかなくて必死に何かをなそうともがいていたっていう全然違った見え方になるのが見てて面白いシーン。

アニメ第六十二話 アニ「あいつがいたんじゃ…もう限界」
ケニーの地雷を狙ったのかってくらいきれいに踏んでったシーン。アニ、覚醒アッカーマン三人全員と対峙して生き延びてるのすごすぎる、しかも三人全員の逆鱗に触れた上で。

アニメ第六十二話 ライナー銃フ〇ラシーン
美しい…。「お前ならやれる」の凛々しい顔からの落差、素晴らしい演出だわ~。

出典:進撃の巨人24巻

アニメ第六十二話 「このままじゃ…何にも果たせないまま…終わっちまう」
ライナー→エレン→ファルコにこの思いが受け継がれてってんのキレイ。「ただやるべきことをやる」って言葉もライエレファルで受け継がれてるぽいね。現段階のエレンにおいても、かつての兄貴分としてのライナーの言葉が残ってるんだと思うとすごい。この状況になってもなお、むしろこの状況になったからこそ、エレンにとってライナーは未だに兄貴みたいな存在なんだろうな、と思った。

アニメ第六十二話 エレン「自分で自分の背中を押した奴の見る地獄は別だ」
エレンの境遇、心情を端的に述べたいいシーン。急にこんなこと言われてファルコちょっと戸惑ってそう。

アニメ第六十三話 画像のシーン
子供の笑顔でかろうじて保ってるライナー。いたましくて口角上がるね。

出典:進撃の巨人24巻

アニメ第六十四話 ライナー「俺が悪いんだよ お前の母親が巨人に食われたのは俺のせいだ!!」
ここ、エレンがライナーに会いに来たのは作戦なんだろうけど、戦術的なものというよりエレンがただライナーと話したかっただけっぽいよね。
自分が地ならしを起こすことも、ライナーがやったことと同じように「仕方なかった」と思いたくて話に来た。けどライナーにこう言われて、自分の行いは全て自分の責任なんだと認識し直し、「やっぱり俺はお前と同じだ」とより重い覚悟を決めて進み続けることを決意することになった場面。
ライナーからすると自分の罪を裁いてくれると期待してたのに、実際はその罪を共有することしかしてくれないから欲求不満だっただろうな。しかも共有とはいっても孤独がまぎれるほどでもないし、立場が敵すぎてすぐ対立する羽目になってるし。

出典:進撃の巨人25巻

ここ、エレンとジークの思想をたった一ページで表現したいい場面。

アニメ第六十五話 ゾフィア死亡シーン
おれ結構ゾフィア好きだったから悲しい。たまに変なこと言うミステリアス感醸し出した不思議ちゃんって感じでタイプだったのに。

出典:進撃の巨人24巻

上の画像みたいな、そういう不思議ちゃんがたまに見せる素直な笑顔マジでかわいい。

アニメ第六十五話 戦槌の巨人登場シーン
巨人化し終わる前にぶん殴るの最高。戦隊ものとか仮面ライダーでお決まりの「変身終わるまでは手出ししない」をガン無視する演出、めちゃ良い。

原作第百一話 画像のシーン

出典:進撃の巨人25話

手掴もうと必死な4人と冷静なピークちゃんの対比ウケる。さっきピークがハグした人がロープ持つ係してて押し付けられたのかな、とか思った。

アニメ第六十五話 パラディ島勢力戦闘シーン
初見時は壁内思想にどっぷりつかってたから「ウォー!いけいけ殺せ!!」って思ってた。今まで世界と巨人に虐げられてきたパラディ島勢力がその力を存分に見せつけててかなり高揚した場面。

アニメ第六十六話 ファルコ「オレもガビも…みんなあなたの味方ですから…」
ファルコの聖人っぷりがよく表れたシーン。めちゃめちゃ反エルディア教育受けてきた上、戦士隊副長として凛々しく振舞ってたライナーしか知らなかったはずなのに、エレンとライナーのわずかな会話でライナーの境遇をなんとなくでも理解し、その上でこんな言葉をかけられるの柔軟さと聖人度めっちゃ高いと感じる。

アニメ第六十七話 ファルコ「踏みにじられたからだ…」
ガビのこと、ヒステリックに反エルディア思想喚きまくってて初見時めっちゃ嫌いだったけど、この世界ならこっちがむしろ普通で、逆にこんなあっさり島の状況を察せられるファルコってだいぶ変わった子だと思う。こんないい子どう考えても戦士に向いてないし、マーレからしても何かの拍子に忠誠とか結構揺らいじゃいそうだから巨人受け継がせるの躊躇っちゃいそう。

アニメ第六十七話 画像のシーンのピークの表情
瀕死で失意に塗れたピークちゃんの表情。いいね…興奮する。

出典:進撃の巨人26話

アニメ第六十七話 サシャ死亡シーン
ガビが死ぬほど嫌われる原因シーン。サシャって白夜回では気絶してたし、原作では逃げるベルトルトと会話してないし、たまにギャグシーン入れてくるし、進撃の巨人ほぼ唯一のシリアスを感じさせないキャラだったけど、その子死んじゃってもうこっからしんどいのが続くって確定した瞬間だった。悲しいけども、マルコと同様死のコスパめちゃめちゃいいキャラ。
ここでエレン笑ってるけど、ハンネス死亡シーンからわかるようにエレンって自分の無力さを強く感じると笑う癖があるからであって、でもそのこと誰も知らないし、エレンが引き起こした事態なのはその通りだからクソ野郎にしか見えないの、つら。

出典:進撃の巨人26巻 ペトラに次ぐ死に顔美人

義勇兵~天地

アニメ第六十九話 ハンジ「何で私なんか団長にしたんだよ…」
ここらへんからハンジさんがずっと苦しそうでつら良い。理想と現実、島と世界、正義と正義の間でどうすればいいかず~っと苦しんでる、良いね~。

アニメ第六十九話 妊娠ヒストリアの表情
全っ然幸せそうじゃない。理由考察については後述。

アニメ第六十九話 エレン「お前らが大事だからだ 他の誰よりも…」
ここらへんみんなお互いのこと大事に思ってていいね~。エレミカのラブコメの波動も感じるし、いいシーン。

出典:進撃の巨人27巻

アニメ第七十話 ブラウス厩舎での食事シーン
ガビがサシャ母の手払いのけて気まずくなるシーンあったけど、孤児を集めた家なんだしそういうことは今までにもあったのかもしれない。
カヤがなんか怖い顔してるとこは、こんなガビを見て自分がブラウス厩舎来た当初のいろいろ絶望しきってた時期を思い出してたのかな、とか思った。

出典:進撃の巨人27巻 パックォ

アニメ第七十話 ハンジがサネスを思い出すところ
ハンジさんが、自分が今その役を演じているんだと自覚するシーン。進撃って死んだ人が生きた人に影響を与え続けるみたいなことよくあるけど、意志とか決意に関する少年漫画的な意味じゃなく、こういう社会的な役割や責任に関する意味を持つって演出、大人って感じしておしゃれ。(サネス別に死んではないけど)

アニメ第七十話 カヤ「お母さんは誰も殺してない!!」
ここら辺の会話最高。カヤのアニメの声の演技ま~じでいい。ガビの分からせ第一弾。
そのあとの「でもベンが謝るのはおかしいよ マーレで生まれただけなのに…」ってセリフも、逆に「島に生まれただけなのに迫害されるのはおかしい」ってガビファルにぶっ刺ささって二人がつらそうな顔してるのつら良い。
ここでサシャにつながるのめ~~~ちゃめちゃ天才。初見時マジで感動したの覚えてる。

アニメ第七十話 ポルコ「ずっと一緒に戦ってたのに裏切り者だったなんて…」
ここ、ジークに裏切られてショック受けてるのポルコだけなのウケる。やっぱジークの底知れなさは隠しきれてなかったんだなと感じる。逆にポルコ素直すぎるだろ、壁内侵入してたら精神分裂どころじゃすまなかったのではと思わざるを得ない。ポルコを継承から守ったマルセル結果的に有能。

アニメ第七十一話 ザックレイ死亡シーン
業の深いイスの爆発で死んだシーン。たしかにこれ置き場に困るだろうな。
この人、司令も言ってたけど革命に生き革命に敗れたし、生涯の夢も叶えられたし、このどうしようもない世界にしてはだいぶ幸せに生きれた人なんじゃないかとは思う。

原作第百十一話 ガビがかわいいコマ
かわいい。

出典:進撃の巨人28巻

アニメ第七十二話 ガビ「私が憎くないの?」
最高。ガビの分からせ第二弾。このコマ美しすぎる。

出典:進撃の巨人28巻

サシャパパママ聖人すぎる。死生観とか世界の捉え方とか達観しててすごい。森を出るってほんとこの作品のテーマに関わる言葉だわ。
あとニコロが「…すっかりメインも冷めちまったな」って言ってるのは、何の決めゼリフなんだよと思った。

アニメ第七十二話 エレンがアルミカガビの部屋に入ってくるとこ
重要人物が登場するとこなのにすごいぬるっと入ってきててウケる。この作品、ライベルが正体明かすシーンもそうだけど、重要なことをぬるっとさせてくるのうまいよね。

アニメ第七十三話 画像のシーンのガビの表情
エレンにめちゃめちゃ怯えてるガビの表情。興奮する。

出典:進撃の巨人28巻

アニメ第七十三話 エレアルミカ会話シーン
ここでわざわざ会話したのは、アルミカを突き放して後に自分を討ち取らせるためって理由もあるけど、エレン自身が帰る場所、頼れる人を自分で無くして完全に退路を断とうとしたみたいな理由もあったのかもしれない。
本音と嘘が入り交じるシーンだけど、奴隷って言われてキレたとこは本音っぽい、なんなら図星だったのかも。あと、ネットでアルミンの頭はベルトルトにやられてるって書き込みよく見るけど、そこは普通に嘘だと思う。巨人継承前からアニにもベルトルトにもとりあえず話し合おうって言ってたのは変わってないし。

アニメ第七十三話 アンカ「え?私は何とも…」
ここ、アンカがイェーガー派だってことを意味してると思ってたんだけど、ネット見たらそんな解釈してる人いなかった。まああんだけピクシス陣営で動いてきたんだし今更裏切ったりはしないのかな、イェーガー派ならなおさら「私は何とも…」なんて言わないだろうし。
「終末の夜」のアニメ見返したら死んでたわこの人。裏切ってなかったですね。

アニメ第七十三話 画像のシーンの兵長の表情
いいね~~。この人ずっとこんな表情してるな。

出典:進撃の巨人28巻

原作第百十三話 画像のシーン
兵長の化け物感がすごい出てて大好きなコマ。

出典:進撃の巨人28巻

アニメ第七十四話 クサヴァー「私なんてこの世に生まれてこなければ…」
ジーク、自分を愛してくれたほぼ唯一の人にこんなこと言われたら、人は生まれるべきじゃないって思想を信じて疑うことはなくなっちゃうのも仕方ないのかもしれない。
しかしジーク、幼少期は戦士になれるわけなかったのに、この使命を見つけたことで戦士長を演じつつ義勇兵を組織するにまで至ったんだから、本当にやる気があればなんでもできる子だったんだな、と思う。てかイェーガー家全員スペックが高すぎる。

アニメ第七十四話 ジーク「クサヴァーさん見ててくれよ!!」
兵長唯一の失策シーン。ジークを苦しめたい気持ちが強すぎてこんなことしちゃったんだろうか。まあ進撃始祖エレンの影響受けてたってのもあるかもしんないけど。




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