日常を言葉にしてみました。
この物語はアホなひとりの男が、アホになりきれずにマジに生涯を賭け人生を走り抜けたお話である。 ある政治家が言うには「彼は若すぎたのだ」と。 ある美容院経営者は「彼は夢を追いすぎたのだ」と。 そして市井の老人曰く「彼は正直に生きただけだ・・・・」と。 今想うコト。 それは「K」、私は彼をそう呼ぶが、その「K」が死ぬ間際に遺した 「人生は最大の*アホ*ってことだ」というある意味、不明なword の羅列が私の心を揺さぶった。その振動が正しい共鳴でありまた「K」に対する敬意だった
その匂いを嗅いだのはこれで三度目である。 遥か彼方に視線を移し、昼間だというのに煌々ときらめく不自然な三日月を度のキツイ黒縁メガネで覗いていた。 今の僕にはそれが精一杯の抵抗で欲望の淵から彷徨う背後霊のような僕がいたに違いない。 これは勝手な想像だが匂いというものは既に記憶された統計に過ぎずそれに抵抗しない自分が欲しかった。 小田急線はいつもの色彩をまといながらも新宿から箱根に向けて走りだしていた。 女「こういちくん、じゃない?」 僕「?・・・まりこ」 女「そうよ、ほら高