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「グラレコ本を作ろう!」-概念執筆編-

いよいよ、2021年の6月に、有廣編著でグラレコに関する本を出版します。共著者は、30人以上。ここまで来るまでの道のりはとても大変だったけど、必要で大事なプロセスだったのかもしれないと思い、その長いプロセスを丁寧にハーベストしたいなと思い、今回はnoteにまとめて残しておこうと思います。

 本の具体的な内容には触れられませんが、出版するためのプロセス(私のちょっとした気持ちも)を記しています。

 今回は、概念執筆編!

グラフィックの実践の歴史

 22人の事例編の方々の原稿執筆と並行して、中野民夫さんと嘉村賢州さんに、海外のグラフィックの源流や日本でのグラフィックの実践についてインタビュー形式で原稿にまとめていく作業を行っていました。出版社の岩切さんの編集は事例編が終了したのちでした!

今回の本の企画の際に、みんなから愛される本にするために相談し、どうしていたら良いかを困りあぐねていた私に「手伝うよ」と快く声をかけていただき、「こんなことだったら貢献できるよ」と伝えて下さったお二人です。

研究でも先行研究のレビューが大事であるように、様々な諸先輩たちの実践があるからこそ、私たちも日々試行錯誤しながら実践できています。その源流や歴史を辿り、実践をメタ的に捉えていきながら、私たちの実践を大事にしたい。多様な現場での実践が実りあるものにするために。

 お二人にインタビューをして、文字起こしはhome's viメンバーの一木逸人さんにお願いして原稿を仕上げていきました。
(まじでありがとうございます泣)

これはぜひみなさんに見ていただきたい。

アメリカの流れ、日本でのグラフィックの流れ、グラフィッカーの黎明期、グラフィックがイベントなどに入る文化への形成など。また、グラフィッカーとファシリテーターとの関係性やチームの組み方など、お二人からたっぷりとお伺いできました。

小さいけど、ちょっとしたことで未来は変わる。

ここでは、詳しい内容は全部はお伝えできないのでもどかしいです。色んなグラフィックがあっても良いし、色んな考え方があったも良い。

ただ、一つ何のための場なのか。何のためのグラフィックなのか。

それを問い、一緒に作っていくことが大事なんだと心の底から思えてインタビューでした。

先駆的な実践者の哲学と考え方(ゆりさん&まいこさん)

先駆的な実践者として、今回は牧原ゆりえさん、小見まいこさん、井口なほさんにお願いしました。

実践編の方々の原稿執筆が終わらないとお願いすることができず(編集者の岩切さんの方針により)、思いの外事例編に時間がかかってしまったので、長い時間お待たせしてしまいました。

私がなぜ3人のことを信頼しているのかというと、3人とも相手を尊重し、コミュニケーションが柔らかで、在りたい社会に対して素敵に探究されているから。(私の憧れの3人でもあります)

御三方には、本当に良くしていただきました。

ゆりえさんには色々気にかけていただき、たまに愚痴を聞いてもらいながら、本当に泥臭く一緒に原稿を執筆をしました。ゆりえさんに書いていただいたのは、ハーベスティングというより、人とコミュニケーション取るとは?対話とは?描くとは?という根本的なあり方の部分。人には力がそもそも備わっていることを信じるゆりえさんの姿勢が表現されている原稿です。

小見さんは、お子さんの誕生&年度末でお忙しい時期に執筆の依頼をお願いをしましたが、快く色々引き受けていただきました。こみさんは柔らかくて印象があるのですが、場への優しく柔らかい視点深い探究と人への優しさ原稿にも滲み出ていました。

井口さんの原稿執筆は、現在一緒に進めているところです。なので、なほさんのことはまた別編で書こうと思います。

この3人との原稿執筆の伴走(見守りながら)は、私自身もとても勇気づけられました。そうそう、この人との関わり方、人を信じる考え方、違いを受容する、これが私は好きだなと思い起こさせていました。

この3人の原稿もぜひ見ていただきたいです。

成長を支え、共に未来をつくる

 そして、最後に着手したのは立命館大の荒木寿友先生、同志社女子大名誉教授の上田信行先生の原稿でした。

 私、先輩の石橋智晴さん(ハルさん)にグラフィックを教えてくれ、ファシリテーションやワークショップデザインから場づくりの楽しさと奥深さを教えてくれた荒木先生。

 私やハルさんの成長過程を見て、グラフィッカーが絶え間なく成長していくためのポイントを原稿に書いていただいて下さっています。
 描き方ではなく、being(あり方)を高めるポイントまで押さえてくださり、いただいた原稿を見たときに、成長を見ていただきながら、私たちが鍛錬していたのを見守って下さっていたんだなと思い、ありがたいなと感じて泣きました。笑(すぐ泣きがち)


そして、上田信行先生。お馴染みプレイフルラーニングを提唱している根っからのプレイフルな先生。(説明が雑w)セサミストリートに触発され、教育工学の観点からワークショップデザインの実践&研究者でもあります。

 私やハルさんが入っているエンラボを主宰している荒木先生、そしてその荒木先生に絶大な影響を与えた上田先生。エンラボのアドバイザーにもなっていただいています。

 そんな上田先生の言葉の中で、私が好きな言葉が「Not Yet」高みを目指し、さらに良いものを求め、成長していくことの大事さを私が先生から学びました。

上田先生にも原稿の依頼をしたとき、「挑戦的な依頼でワクワクしました」とご連絡をいただき、私もワクワクしました!挑戦的な本かもしれませんが(何に?w)、先生がワクワクするということは、もうすでにプレイフルな本なのだと思い、私のこの一年半のしんどさは実はプレイフルなことだったんだと、まぁ楽しくしんどいから良いかと能天気な私は思いました笑

 上田先生からとてもつもなく影響を受けた私が、先生にお願いしたのは「私たちの在りたい未来をつくる」こと。そのために、しんどいこともあるグラフィックの実践を乗り越えるためのポイントを伝えていただいてます。

 こちらも原稿を見た瞬間、泣いてしまいました。批判検討はするけども、悲観することなく、自分たちの世界でポジティブに世界を作って行こうという力強いメッセージがあります。

ありひろのパートはあるのか

いや、そうなりますよね、私のパートはもちろんあります。笑

が、ほとんどみなさんが大事なことをおっしゃって下さっていて、私は本当初学者の方がつまづくところのフォローしているぐらい。

文章を書くのはそんなに苦手ではなく、文章を書くのは好きな方ではあるかもしれません。が、一般書なので、重複した内容を書くことができず、私のことは全部二の次三の次。それでも良いです。

この本が大事なのは、私が仰々しく上から目線で「これができたら良いんです」ということではなく、みんな色んな現場であくせくしながら、自分や現場を見つめ続けていること。スキルも技術も常に鍛錬していることが伝わることです。

誰かすごいグラフィッカーの話とかいらない。みんなそれぞれの良さがあり、その良さの中で現場をより良くしようと努力している。

それを伝えることが大事なので、今回私はほとんどコーディネーターの役割に徹していました。またいつか自分の大事なポイントを押さえた本が書けたら良いな。

そう、色んな現場で泥臭く実践し頑張っている共著の人たちの思いと実践を見ることで、読者に自分の現場が良くなるように勇気付けられたらとても良い。

みんなの良いところを引き出して、みんなが良い顔でワクワクしながら話しているのを見るのが私は本当に本気で好きです。そう、私の幸せです。

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初校のスタンプが押された原稿を見たときに、感動しました。ここまできたんだと。

それだけこの道のりは大変でした。

初学者のための本だけど、どの層のひとが見ても面白い深さも十分あります。深さがないとか言わせない。

でも、コーヒーの深煎りはちょっぴり苦手です。笑

次はいよいよラストスパート編!わっしょい!



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