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The Back Scene of Films

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制作の裏側的な。 Notes written about the back scene of films (e.g. music videos)
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待ってたよ、00s。

待ってたよ、00s。

8/17 ドラマ『イケメン共よ メシを喰え』主題歌、
「ぐーぐーぐー」が遂に配信リリースされた。
それに伴い本楽曲のMVも公開されるわけで、
今回は久々にこのnoteにて本作について深掘りしていきたい。

何と言っても本作はテーマが00sということで、
平成一桁世代の自分としてはルーツがありすぎる為
話したいことが山ほどある。

さて、なにから話そう。笑

そもそも本作の始まりはドラマタイアップが

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三つ巴。三本の矢。

三つ巴。三本の矢。

2020年秋、某日。

僕たちは4月に発表するシングル曲の打ち合わせをしていた。
候補曲がいくつかある中で、「春に投げたい曲」はなんだろうと言う議論になった。

今作、「メロディが浮かばなくても」はご存知の通りタリラ作になるのだが、彼自身が製作した楽曲がDannie Mayのシングル曲になるのも初めてとなり、楽曲自体も明るくポップなものであったから、
春にふさわしいだろうということで決まった。

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届かない未来と過去へ捧ぐ。(後編)

届かない未来と過去へ捧ぐ。(後編)

1日目

この日は主人公のパートナーの撮影だ。
例によって家ロケは予算の都合上用意できないので、マサの家を借りた(何回目?笑)。

12月に入って2週目だったと思う。
朝9時ごろだったか。
現地に集合し撮影を開始する。
この時マサは作曲による疲れから別室でずっと寝ていた。
だいぶ撮影でごちゃごちゃしていたのに
撮影が終わる15時くらいまで一度も起きてこなかったので、
相当疲れてたのだろう。すまんな

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届かない未来と過去へ捧ぐ。(前編)

届かない未来と過去へ捧ぐ。(前編)

「この曲が人生最後の僕の代表曲だったら」
この曲を初めて聞いた時は去年の11月頃だったか。
アコースティックギターを片手にマサがふと口ずさんでいた。

その時にはまだギターのコードをただ弾いてるだけだったから、歌詞もメロディもはっきりしない。
ただ僕は何故かぼんやりと、ものすごく広大な自然、そして静寂の中ポツンと1人立ち尽くす若き青年が浮かんだ。

彼はそこでなにを思ってるんだろう。
何故この場所

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仮面とその奥。

仮面とその奥。

いよいよ発売になる2EP「DUMELA」から
リードシングル「灰々」のMV企画の話が始まった
9月某日。

この曲は現代社会におけるさまざまな記号に囚われた人間をイメージして作られた曲であり
歌詞も意図的に記号(単語)の羅列で描かれていたりと、とてもエネルギッシュな内容になっている。

更にこの曲を解釈する上で外せないものがある。
さまざまな記号に出逢い、身に纏い生きる我々でも絶対に共通して持つ記

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動き出し。前足。

動き出し。前足。

初夏のじめっとした暑さが心を不愉快にさせる7月下旬、
Dannie Mayは新たなる挑戦として
10月以降の連続リリースに向けて走り出していた。
やることはたくさんあった。
アー写、ロゴデザインの一新、
MVやジャケットの撮影、楽曲の制作などなど。
Dannie Mayはこれまた分業がすごいので、

・楽曲制作をタリラとマサ
・アレンジをタリラ
・MVとアー写のディレクションをYuno
・その他諸

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人の苦しみ、自分の物差し(後編)

人の苦しみ、自分の物差し(後編)

『針よ墜とせぬ、暮夜の息』が
いよいよ10月にリリースを迎えた。
これは12月にリリースした2ep「DUMELA」から
先行配信されたシングルとなり、リード曲でもある
『灰々』へ続くDannie Mayの序章的な意味合いもあった。

この曲を初めて聞いた時、
そしてMVを作るにあたって、
まず浮かんだのは登場人物が2人とも女性だったということ。
そして、主人公はどうにもならない苦しみの中にいるのだ

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人の苦しみ、自分の物差し(前編)

人の苦しみ、自分の物差し(前編)

今回は長くなりそうなので2回に分けようかな。笑

10月から始まるリリースの最初を飾ったのは
「針よ墜とせぬ、暮夜の息」。

これが前回登場したカメラマンの福田さんとの最初の作品となる。

音源デモが上がりMVの撮影をそろそろ企画しなければ、という頃。
元々は曲調的にもアニメーションが合うんじゃないかとメンバーのマサとも話していた。

割愛するが色々な事情でアニメーションは土壇場で頓挫した。笑

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