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気になる記念日があったので調べてみた

Twitterのタイムラインに流れてきたモーメントカレンダー。花火大会などの季節型イベントや8耐レース、甲子園などのスポーツ関連、コミケやサマソニなどのエンタメイベント、祝日や記念日などが記載されている。Twitterへのつぶやきネタに使ってくれということらしい。

私が気になったのは記念日。これは日本記念日協会が認定と登録を行っているもので、祝日とは別。団体、企業、個人問わず申請ができるので、実に様々な記念日がある。記念日名だけを見ていると真面目なものやちょっとクスっと笑ってしまうものまである。大概はごろ合わせか、新しいことが始まった日で、特に大きな理由がありそうには思えなかった。しかし調べてみたら、熱い想いが込められていることがわかった。

その中から、いくつか紹介する。

  • 企業が発売日にちなんで登録した記念日

    8月25日「即席ラーメンの日」
    チキンラーメンが日清食品から発売された日。日本におけるインスタントラーメンの第1号である。おいしい、保存が利く、手間がかからない、安い、安全という5つの条件をクリアして商品化したらしい。

    実はチキンラーメンがあまり得意ではなかったりする。おいしいインスタントラーメンに属しているのだとは思うが、私にとっては味が濃すぎる。極めて薄味好みなのだ。インスタントラーメンのスープの粉は3分の1程度が好ましい。チキンラーメンは味の濃さを調節できないので、嫌いというわけではなく「得意ではない」なのである。日清食品さんには申し訳ない気持ちだ。

    インスタントラーメンという最高に便利なものを、日本で初めてこの世に生み出した偉業は素晴らしい。この記念日はもっと評価されるべきだと思う。

  • 企業が創業日&語呂合わせで登録した記念日

    8月20日「発毛の日」
    リーブ21が、創業日の1976年8月20日と【は(8)×つ(2)もう (0)】にかけて制定した。脱毛・薄毛などに悩む人たちが、発毛を通じて、自信と喜びを取り戻してもらう企業であることを知ってもらいたい、とのこと。

    ありがたいことに、私は薄毛や脱毛には悩んではいない。しかし、渦中の人は多くいる。個人的にあまり気にする必要はないと思っているが、当事者にとってコンプレックスである事は間違いない。自信と喜びを取り戻す手助けができる企業があり、手を差し伸べてくれると言うのであれば、すがってみるのも悪くない。

    今は悩んでいなくても、将来どうなるかわからない。できれば必要ないままで歳を取れたらいいが、この記念日については記憶に残しておこうと思う。

  • 協会が語呂合わせで登録した記念日

    8月31日「野菜の日」→や(8)さ(3)い(1)
    1983年に食料品流通改善協会が、野菜の栄養価やおいしさを見直してもらおうと制定。

    誰か1人ぐらいは話題にしそうな語呂合わせだが、記念日があるというのはあまり知られていないと思う。結局のところ、普段から野菜を食べている人は食べるし、食べていない人は食べない。きっかけにして欲しいという思いがあるのだろうが、効果のほどは微妙。

    ただ、講座系のテレビ番組が取り上げてくれる可能性はある。脳の片隅に置かれる程度だったとしても、意識を変える良い機会にはなると思う。農家系ポッドキャスターさんやユーチューバーさん、PRに利用してみませんか?

  • 公共機関が語呂合わせで登録した記念日

    8月19日「バイクの日」→バ(8)イ(1)ク(9)
    バイクによる交通事故の増加を防ぐため、政府の交通対策本部が制定。安全運転教育を積極的に展開する日としている。

    交通事故が減るのは良いことだが、躍起になって運転者をつつくような活動をするのはいかがなものか。交通安全ではなく、検挙件数を上げることが目的になってはいないだろうか。我が身を鏡に映して、よく考えて欲しい。正しい交通安全活動とはどういうことなのか。

  • 神漫画家がファンへの愛で登録した記念日

    8月14日「ハッピーサマーバレンタインデーの日」
    テニプリ(テニスの王子様)のキャラクターたちへ毎年、多くの愛情がこもったバレンタインデーチョコレートが贈られる。ファンの皆様へのお返しの日として、作者である許斐剛先生が制定した。ちょうど半年後の日。

    届くチョコレートが多すぎて、集英社内に留めておくことができず、許斐先生が自ら、運ぶためのトラックと集計のための倉庫を借りたのは伝説である。しかも忙しい中で、作者本人も集計に関わっていた。お茶目な写真がTwitterに流れると、ファンはキュン死にしたとかしなかったとか…

    許斐先生は計り知れない。週刊で書いていた時よりも月刊連載である今の方が忙しいと言うが、その仕事のほとんどがファンに向けられたものである。未だかつて漫画家が、自ら作詞作曲した曲をひっさげて、作品名でもキャラクター名でもなく、作者名でライブを行ったことが他にあるだろうか。しかも1度ではない。回を重ねるごとにスケールアップし、キャラクターも登場する豪華なライブ。ファンは、キャラクターの歌にはもちろんのこと、先生の歌声に酔いしれる。

    夏にバレンタインデーを作ろうという発想自体、許斐先生の凄さを表している。ファンへ感謝するだけではなく、その思いを形にする最高の芸術家。否、ハッピーメディアクリエイター時々漫画家。ファンにとって許斐先生は、創造主を超えた神的存在なのかもしれない。

記念日の申請は意外に簡単である。記念日登録申請書に、登録の目的や日付の由来、それによって行われるイベント企画などを書いて提出し、審査を通れば登録される。よっぽどのことがない限りは通るようで、毎日、複数の記念日が制定されている。類似していても、名称や目的が少しでも違ければOKだ。例えばラーメン。ラーメンの日、おいしいラーメンの日、辛ラーメンの日、棒ラーメンの日など、ラーメンの記念日だけでもたくさんある。

こんな簡単に作れる記念日に、果たしていかほどの価値があるのだろうか。日本記念日協会では以下のような利用ができるとしている。

一般社団法人日本記念日協会HPより一部抜粋

記念日が多すぎて広まりにくいという欠点はあるが、企業がイベントを行う際に、PR活動として使えるのは便利だと思う。(個人的にネタにしてしまって大丈夫なのだろうか。やや不安である)

何かやろうとしても、思いつかず行動できない事はよくある。社団法人が認定している記念日であれば、堂々とイベントとして企画することができる。毎年その日が必ずやってくるのだから、事前準備も心構えもしやすいだろう。

上であげている野菜の日やバイクの日など、持続していくことが大事な内容のもある。1日だけではあるが、行動のきっかけになるのであれば、こんな良い事はないと思う。

ただし、この記念日の申請にかかる金額が、年に1日で150,000円である。団体や企業であればそんな大きな金額ではないだろうが、個人で取るならば重い。軽い気持ちでは申請できない。

それを踏まえると、この記念日1日1日にとても大きな価値があるようにみえる。一見ふざけてるような名前の記念日もあるが、そこにはとても深い思いがある。

日本記念日協会のホームページでワード検索をすることができる。気になるワードや自分の好きな言葉で検索してみたら、もしかしたら何らかの記念日があるかもしれない。好きなことに向き合うきっかけになれば、モチベーション向上につながる。

時間つぶしでもいいので、覗いてみてはいかがでしょうか?楽しいですよ!

因みに、私の好きな漫画家トップ3は、田村由美先生、久保帯人先生、内藤泰弘先生である。説得力はないかもしれないが、事実だ。ただ、長いことテニミュを観ていたのも事実だったりする。それだけのことなのだ。

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