2024/8/11

大倉集古館のコルビュジエ展に駆け込んできた。なぜか3章から始まる展示構成はかなり謎だったけど個々の作品はとても良かった。数年前に西美でやっていたコルビュジエ展には行けなかったので、今回初めてまとめて彼の絵画作品を見る機会になった。

コルビュジエは健康的で溌剌としたボリュームのある人間の肉体に関心があったようだ。作品を追っていくと、その肉体の量塊感を、油彩によるマチエールではなく線でいかに表現するかという課題に次第にシフトしていったように見えた。個人的に気に入ったのは、マティスの晩年を思わせるような力の抜けたドローイングとパピエ・コレによる裸婦の作品で、ドローイングだけだと軽やかなところに、裸婦の身体の部分に色紙を敷くことで線だけでは表せない量感が生じていた。しかし色紙も裸婦と少しずれたところに敷かれており完全には一致していないため、線の特徴と色の特徴がそれぞれ残されていて、その間を行き来するような感覚があった。

コルビュジエの理論が白人・男性・「健常者」中心主義的であることは前提として把握しておくべきではあるが、いつも西美の常設展で一点見られるだけだったので、まとめて見たことでいいところもわかった。明日まで。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?