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Rosa nerdvalentinedayというアーティスト

(sic)boy以降日本でロックを感じるビートに乗るラッパーが増えた気がする。
しかしその大半がただギターの鳴るトラップビートをロックと提唱し、オートチューンのキーを合わせて単純なメロディを歌うだけのロックの模倣物である。

しかし彼は違う。

彼の楽曲には力強い歌声やシャウト、排他的なリリック、そして高度なラップスキルを含み現代における新たなミクスチャースタイルを確立させているように思える。
1つ前の我々の世代で言えばTYOSiNや前述した(sic)boyがその役割を担っていたのだろう。しかしその活躍の全盛をリアルタイムで見ることが出来なかった我々より下の世代ではそれらは全て過去のロックスターであり彼らの世代には彼らの世代の新しいロックスターが必要なのである。筆者は彼がいずれその役割を担うアーティストになってくれると信じている。

頭から上から目線、毒っ気のある文章で申し訳ない。
ただ彼の魅力を文章で表現するにはこれが最適解であったと認識している。
とりあえずは楽曲を聴いて貰うのが1番早いので早速先日彼がSoundCloudにてリリースした
「最終絶情躁音(Deep Anoxia)」を聴いて頂こう。
(執筆時点ではSoundCloudのみでのリリースだったが2024年6月15日よりapple music,Spotify等のストリーミング配信が開始された。今後は是非そちらでこの楽曲を楽しんで頂きたい。)

前半の緊張感溢れるラップパートから熱情的なサビ、高度なデスヴォイス(グロウル)パートまで彼のスキル面における魅力がこれでもかと言うほどに詰まっている。
彼とメールでやり取りをした際に彼はV系ロックやシューゲイザー、デスコアをフェイバリットにあげており、エモーショナルな歌唱やシャウトはここからの影響なのではないかと推測しているのだが本楽曲のハチ(米津玄師)の楽曲「結ンデ開イテ羅刹ト骸」からの引用でもある通り彼の荒廃的な世界観はボーカロイドミュージックから受け取ったものなのではないかと思っている。
少し歌詞についても触れておきたい。
この楽曲全編で歌われるのはさしずめ絶望といった所だろうか、しかし曲のラスサビ前最後のブリッジ部分では
この様に歌われる。

※SoundCloudより引用

私はこの一節からこのクソと絶望にまみれた世界をも強く生きてしまおうといった覚悟、決意を感じとった。
現状若者の間ではODリストカット自殺などもはやディストピアとも取れるほどの怠惰が蔓延している、彼が楽曲を通してその鬱屈とした感情を代弁しその先で必要になる光まで歌ってくれることで救われる若者は少なく無いはずだ。

いかがだったであろうか、この記事で彼のことをもっと深く知りたいと思った方は是非SoundCloudを覗いて頂きたい。また彼が所属するコレクティブ「Sadistic Heretics」も合わせてチェックをお願いしたい、メンバー全員が素晴らしいアーティスト達だ。
最後になるが我々は幸せ者である。なぜなら彼が新たなスターになるまでの一部始終を一緒に眺めることが出来るのだから。


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