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“現役書店員”がオススメする「うつ」についての本 vol.47

おはようございます。

本日は新刊のコミックエッセイの紹介です。
こちら↓

おすすめの理由

・他人事ではない、うつのリアルと試行錯誤の詳細が励みになる

著者はハラユキさん。コミックエッセイストでイラストレーターとしてもご活躍され、他にも書籍を出版されています。

そんなハラユキさんご自身のうつ体験を予兆から、復調し「普通」になった現在までをそのまま描いています。
日常の中で急に気持ちが落ちたり涙が出てきたことで身体の異変に気づき、メンタルクリニックへ通います。その後更年期うつも疑い婦人科へ行ったり、違う病気を疑ってみたり。
最終的には復調し仕事量も徐々に戻し、しかし現在もうつと向き合っています。

特に印象的なのは、まず行動力が凄く色んな書籍を読み漁り、また調べたりして、取り入れられることを実行していき、その試行錯誤を情報提供してくれている点です。

ざっと、
・うつ症状のきざし
・病院に行った方が良いレベル
・医療機関はどこに行けば良いか
・担当医にモヤモヤを感じたら?
・メンタルの薬とはどいうったものか
・回復期の注意点
・そもそもなぜうつ病になるのか
・家族はどう関われば良いか

などなど専門家としてではなく、ひとりの患者としての目線から書かれています。(精神科医の監修ありなので更に安心ですね)
感覚的にどういうことかと言うと、自分から専門家の本を読み、必要な、あるいはあてはまる症状や対処法を探すのは結構労力が要ります。

対して、本書はいわば「体験談」なので不要な部分がありません。(もちろん症状等個人差あるのでそれに合わせて処置も異なります)

そして、先生との会話でどんな気持ちになったかや、過ごしていく中での気持ちの変化など事細かに本音で描いて共感できます。

他にも病院側の事情や、日本人の仕事休暇の取りにくさへの訴えなど、ご自身の取材や体験をしっかり盛り込まれていて物語がスッと読み進められます。

うつって、まさかじぶんが?

と思いますが、案外思い当たる症状もあったりするかもしれません。
もし少しでも迷うことがあれば(無くても)、「うつを治す」といったようなハウツー本よりも先に本書を手に取ることをおすすめします。

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