さくらももこが生きた町を歩く
昨夜、1泊2日の静岡ひとり旅から帰った。
気持ちが高まって眠れなくてホテルで書いた
静岡1日目の日記はこちら。
今回はそのつづき。静岡2日目のこと。
焼津で買ったおやつとホテルのコーヒーで軽めの朝ごはんにして、清水駅へ。
壁に描かれたさくらももこさんの絵を見ていきなりにやにやするの巻。いらっしゃい〜って言われてる感じがして、すでに嬉しい。
清水魚市場まで歩く。河岸の市いちば館で、サーモンと桜えびのかき揚げのおにぎり、抹茶入り玄米茶、爆安マグロ漬け丼を買って外で食べた。
すこし離れた向かい側に同じマグロ丼の器を手にニコニコのおじさんがいて、心の中で「おいしいよね〜」とひそかに思ってたら「おねえさん、うまいね!」と爽やかに言われた。人は同じものを食べるとやっぱり親近感が湧くものなのかもしれない。
ホットコーヒーを買って水上バスに乗り込むと、その後をついてくるようにたくさんのカモメが飛び交う。隣の男性が静岡の人で、三保の松原にまつわる天女の羽衣伝説を聞かせてくれた。それがツナ缶で有名な「はごろもフーズ」の名前の由来でもあるらしい。
それから、清水と静岡の商店街を歩いた。
さくらももこさんのエッセイで20歳の誕生日に静岡の商店街をまっすぐ歩いた話を読んだ記憶があって、私もやってみたいと思ったからだ。
静岡駅北口を出てまっすぐのびる商店街では、休日ということもあってか出店も多かった。その中に流木を扱っているお店を見つけて、立ち止まった。
陶芸で作った動物が座るのにちょうどいいものがあるといいなと思ってそう話すと、 店主さんは「いいものがあるかもしれない」と言って、レジンで海があしらわれたすごく素敵なものを出してくれた。 色もサイズ感もドンピシャで、一目で気に入った。他にも、霧株みたいな小さな木と貝殻、流木のマグネット、肉球のカードスタンドも袋に入れてもらってほくほくした。店主さん自身もやさしくて、出身地も近くて話に花が咲いた。
猫雑貨のかわいいお店も見つけた。猫だらけの空間でどれにしようか悩む時間も楽しい。私は小さなノートとくつ下を選んだ。ここでもお店の方と話せて、陶器の生き物たちのことを褒めてもらえて嬉しかった。
いっぱい歩いたあとは駅近くのカフェで休憩。「コーヒーかすを再利用した温泉の素」というのを初めて見かけて、珈琲羊羹と一緒に自分へのお土産にした。
今回の旅で、静岡がすごく好きになった。
焼津と清水を歩いて、おでんを食べること以外はまったくノープラン。なんにも調べないで、センサーがピンと来たところに行く。これが自由にできるから、ひとり旅が好きなのかもしれない。観光したいわけじゃなくて、自分の感覚をもとに冒険してみることや、その土地に住む人たちの生活を感じられることが嬉しい。
そうしたら、旅の前と後ではちがう自分になる気がする。知らなかった土地を、そこの空気や食べ物や人とともに思い出せるようになる。
また、旅に出たい。
でっかい海と太陽に会いに行きたい。
そう思える大切な記憶になった。
この記事が参加している募集
遊びに来てくれてありがとうございます。サポートは創作活動のために使わせていただきます🐈🐾