緑の沼②【ホラー短編・全4話】
翌朝、カーテンの向こうから差し込む光で目が醒めた。時計を見ると、もう十時近くなっていた。専業になってからずっと遅い起床が続いていたが、何も考えなくていい起床とはやはり違う。いい加減起きるべきかとあくびをかみ殺し、下に降りることにした。
軽く朝食をとってから、昨日と同じく物置の扉を開けた。デッキブラシとバケツを手に、ウッドデッキに出る。こんなことは久しぶりだ。ちらりと見ると、緑色の苔が床の隅にもついているのがみえた。昨日は気がつかなかったのだろう。滑らなくて良かった。苔をそ