見出し画像

故郷じゃないけど・・・

 今日は表題のこと。
 出身地は東京都ですが、実は生まれた場所は静岡県の伊豆半島。生まれてから1歳になるまで駿河湾に面した西伊豆にいた。父の実家のあるところ。ふつう、出産は母の実家が多いと思う。けど、いろいろ込み入った事情がありまして父の実家で生まれた。
 でもね、小学校に上がる前に父と母が離婚したもんで、それからしばらくは行けなくなってしまった場所。再び行くようになったのは、姉妹だけで行けるようになった高校生になってから。そして、コロナの前は、大学生の自由の身を生かして春夏秋冬おばあちゃんに会いに行った。1週間滞在させていただいたこともあった。
 そんな場所、故郷とは呼べないのかもだけど、「故郷自慢」めいたことを3つほど。
 まず第1に、駿河湾の水平線に沈んでいく夕陽の美しさ。一瞬のことだけど、息を呑むような黄金色の空と海。
 第2には海の青さ。青というより「碧」です。コバルトブルーか、ターコイズブルーって言葉がぴったりな感じ。
 そして第3に、海産物の美味しさ。美味しいなって思ったものを列挙すると、伊勢エビにサザエ。近海の鰹、特にハガツオのお刺身。保存食の塩鰹。それからミカン。そして真打は金目鯛。お刺身もいいけどやはり煮付けです。10年前まで民宿をやっていたおばあちゃんの手料理は最高!

 伊豆半島って東側は鉄道が通ってるし、リゾート地として開発され尽くしてるんだけど、西伊豆はリアス式海岸で、小さな湾に集落が点在するだけでのどか。交通の便はかなり悪いんだけど、その分人があまり来ないからのんびりできていい。波の音を聴きながらのお昼寝なんて最高。
 よく晴れた日は、駿河湾の向こうに富士山も見えるけど、静岡市のさらに奥の方には南アルプスも遠望できる。あの山々の向こうが諏訪湖や伊那、つまり信州。
 一度だけ車で行ったことがあるけど、上田からだと和田峠越えて岡谷から中央道に入り、山梨で中央縦貫道、静岡から東名で沼津、あとは下田街道って感じで、かなりシンドイ。北陸新幹線で東京に出て、東京から下田まで特急踊り子ってのが楽でいい。半日は費やしてしまうけどね。

 記憶にはないけど、乳飲み子の頃、波の音が子守唄だったのかもと思うと何だか素敵じゃない?おじいちゃんは私たちが中学生の頃に亡くなってしまったけど、おばあちゃんは80歳を過ぎても元気でいる。長生きしてほしいし、その間になるべくたくさん行きたいなと思ってる。


【音楽室 #017】
 これは日本の前衛ジャズのバンドの音。ジャズといってもフリージャズ系統から派生した感じで、4ビートのいわゆるスィング感はない。微小なノイズを織り交ぜたりしながら、かなり硬質で良質なアンビエントとしても十分聴ける感じですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?