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松本に行ってきた

 今日は松本に行ってきた。
  松本へは年に5、6回は行ってるかな。買い物だったり、旧友に会いにだったり。でも今日は誰に会うこともなく、ひとり気ままに街を歩き回っただけ。特段の用事もなく、何となくそうしたくなっただけだから。
 三才山を越え市内に入り、まずはアルプス公園へ。常念岳を拝む。まだ冠雪していない。6年前の春にここで残雪の常念岳を眺め、「うわあ、信州に来たんだなあ〜」って感激に浸った場所。GWにここに遊びに来て、付き合うことになった彼氏のこと。初冬に、大学の校舎から冠雪をした常念岳を見て、ずっと眺めてたくなって次の時間の講義をブッチしたことも。心身ともに疲れ果て、住んでた浅間温泉の裏手の斜面で山々を眺めながらぼーっとしてたら、知らないうちに涙でぐしょぐしょになってたお正月のこと。「これからも、何度も眺めに来るからね」と心の中で呟き、松本を去った3月初旬のこと。そんなことどもが頭の中を去来した。

 お昼過ぎに山を降りて大学の近くに戻りお昼ご飯。メーヤウでカレー。激辛だけど激ウマのイエローカレー。松本にいた時、お金がないくせにでもどうしても食べたくなってしまって何度も行ったお店。相変わらず辛くて美味しい。玄米のご飯も美味しい。

 女鳥羽川に戻って川沿いに下っていく。
 当時の彼氏が住んでたマンション。3ヶ月ほど一緒に住んだ部屋。2人で一緒に歩いた川沿いの道。蛍がいるかもしれないと歩き回った川原。花火をした公園。言い争いをした橋の上。6年前のこと・・・なんだか遠い遠い昔のような感じがしたな。
 昔住んでた場所や行った場所、通った道なんかをぶらぶらと歩いてみたくなったのはなぜだろう。私も含め、あの時に私と関わりのあった人はもう誰も住んではいない街。最後の何人かも、今年の春に大学院を修了して松本から去っていったから。言葉で上手く言えないけど、そんな誰もいなくなってしまった街だから歩きたくなったのかもしれない。
 楽しいこともあったけど、不安や苦しみ、悲しみもあった18歳の1年間。バイトや大学での人間関係に困って、悔しくて深夜泣きながらチャリを漕いだこともあった道を、今はゆったりとした気持ちで歩く。あの時の私と今の私、何が違うんだろう。たぶん、自分にできることとできないことをしっかり判別し、ムリやムチャをしない生き方が板についてきたかなあって思った。友だちの数もずいぶん減らした。TVもなくなったしゲームもしなくなった。余計なものも買わなくなった。その結果として残った多くはないモノや人との関係は、とてもかけがえのないもの。そんなモノや人に囲まれ、必要なことだけをこなしながら、日々安穏と暮らす。そんな心のペースが定まったのかなあ・・・なんて思ったよ。
 そんなこんなで夕暮れとなり、暗くなった女鳥羽川を登り浅間温泉でひと風呂。温泉のはずれに建つオンボロアパートを眺めながら、ここに住んでたんだよなあって思ったり。まあ、それとなく自分を見つめ直せた、そんな1日だったかな。


【台所日記 #005】
 8時過ぎに帰宅してからの遅い夕食。お昼もカレーなのに夜もカレー。
 スパイスカレーの仲間、アルーメティといいます。数種類のスパイスでしっかりテンパリングしたたっぷりの油を用意し、ジャガイモとフェヌグリークの葉っぱを炒めるというシンプルなもの。肉や魚を使わないビーガンのカレー。スパイスの微妙な調合が命。テンパリングのさいに入れる順番とか時間で味が左右されるといわれてる。私はそこまで神経質には作っていないけど。あと、フェヌグリークの葉っぱは入手できないから、その代用ってことでプランターから採ってきた唐辛子の葉っぱを使った。その分チリペッパーを少なくし、仕上げの香りづけにパウダーのフェヌグリークを振った。そんな感じで、ちょいとばかり自己流にアレンジしたやつなんだけど、かなり美味しい!



【音楽室 #005】
 秋が深まるしんみりと夜にこれは合うなって音楽。しっとりとしたリリシズムが沁みるなよあって感じのUKインディーフォーク。ウェールズの音楽家の作品。声が抜群に味がある。声色と深みのる歌唱。「声」もまたひとつの楽器として、えもいわれぬ「音響」を味わわせてくれるもんだよなあ、と思える。

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