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黄昏

 晴れ渡った秋空。しばらくはこうした好天が続くらしい。土日のどちらかは、ロードバイクに跨って走ってきたいなーなんて思ってる。だから、どうかこのお天気が続きますように。
 刈り入れが終わった田んぼには、天日干しのハザ掛けが作られていたり、機械で脱穀してしまった後のものを俵形に圧縮したやつが転がっていたり。

 農家の人間ではないので詳しくはないんだけど、刈り取りの機械はコンバインというのが主流。これは稲刈りをするだけではなく、それに直結して脱穀や選別も同時進行でやってしまうらしい。でも、そうせずに稲刈り機(バインダー)を使って稲刈りをし、その後ハーベスターという機械で刈った稲を籾米にするやり方のもある。天日干しのやつは、ハーベスターで刈っただけのものを干す。手間はかかるけどお米の味は良くなるらしい。また脱穀が終わった後の茎や葉を俵型に圧縮してるのは、これを発酵させて牛の餌にするためなんだそうだ。
 ちなみに、日ごろいただいているお米は、バイトの関係でお知り合いになった人の家などからのいただきもの。ありがたいことにここ数年お店で買ったことはない。天日干ししたいただきものの美味しいお米に感謝。

 広々した田園地帯は、建物も灯りもないので、陽が落ちるとあっという間に闇に包まれる。遠くの山裾の集落に点々と灯りが光りはじめるたそがれ時。
 黄昏。たそがれとは「誰そ彼」。人恋しくて薄闇の中で人を探す。けれど、誰が誰だかわからずに大事な人も見失う。そんな時間帯だと昔の人は言ったらしい。何だかわかるような気もします。


【台所日記 #002】
 新しいメニューに挑戦!ポークビンダルー、インド中部のゴア地方のカレー。
 スパイスカレーの制作に凝り出して2年くらい。どんどんレパートリーを増やしたいお齢ごろ、笑。基本のスパイスカレーの作り方をベースに、次のような点に留意。トマト多めにする。酸味の強いやつがいい。豚肉は角切りにして半日以上スパイスとワインビネガーでマリネする。柔らかくなるまで40分くらいはしっかりとトロ火で煮込む。仕上げにタマリンド。酸味と甘みの好みはここで最終調整。場合によってはビネガーを足して酸味増し。そんな感じですかね。いや、それにしてもタマリンドは最強。この上品な甘味と酸味は他にはない感じ。
 写真1枚目が、KALDIで市販されてるルーで作ったやつ。それを食べた結果、ここはこうした方が美味しそうだぞって改良したのが2枚目のやつ。
 改良ってのは、単に私のイメージや好みに寄せたってこと。パプリカを多くして色合いの赤みを鮮やかに。それから、具が豚肉だけってのが寂しいので煮崩れしにくいニンジンも加えた。あと、酸味爽やかなテイストが増すようにパイナップルも加えた。で、どうだったでしょう。いや〜、良いです!パイナップルと仕上げで加えたタマリンドのペーストの酸味と甘みが溶け合って何とも美味しいね。これはカレーというよりも、スパイシーなトマトベースのトロピカルなシチューって感じですね。

 ところで、インド人ってほとんどがヒンズー教徒。豚肉は御法度なんじゃない?そう思うでしょう。私もそう思った。でも、調べてみて豚肉使用がOKな理由がわかった。
 このカレーの発祥地のゴア地方は、16-19世紀、インドのスパイスをヨーロッパに向けて積み出した港があった場所。そこに居住していたポルトガル人が作り始めたのがこのカレーだそうだ。だから、豚肉使用は問題なし。ついでに言うと、ワインビネガーを使ったり、油もギーではなくオリーブ油だったりするのは、「欧風」ってことなんでしょうかね。歴史上初の「欧風カレー」だったのかもしれないね。


【音楽室 #002】
 初期のポストロックの雄、スコットランドの Mogwai、静寂と轟音の対比みたいなポストロックの初期様式を確立したバンドとして有名。だけど、それと同じくらい心惹かれるのは、このバンドの楽曲ほぼすべてから伝わってくる哀しみのトーン。世界はあまりに傷つき、人々はそのど真ん中に佇んでる。そんな感触。
 賛否両論あるらしいけど、このバンドはかなり明確に自身の政治的立場を表している。スコットランド独立とか、反ネオリベラリズムとか、反貧困とか。そういう社会問題に積極的にコミットしてきているみたい。
 高校の時、新木場コーストでのライブを聴きに行ったんだけど、その轟音というか爆音というか、凄まじい音圧に圧倒されたっけ。また行きたいなあ。

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