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1/28 チェーザレ昼夜レポ(※ネタバレあり)

とうとう原作を読みました。
そしてようやく初のロッサ公演!
ということで、ロッサキャストの感想や、Wキャストならではの違い、原作と照らし合わせての解釈を中心にまとめていきます。

※以下ネタバレ含みます!
※あくまでも個人の感想です!

【キャスト】
ヴェルデキャストがわりと正統派なお芝居だとすると、ものすごいアドリブ挟んで自由に味付けしてるのがロッサキャストの印象でした。

赤澤アンジェロは可愛いんですけど、歌うと芯の強さが出てるというか、山崎アンジェロが男の子って感じだとすると、赤澤アンジェロは青年って感じでした。
これまでずっと大輝くんアンジェロを見ていたから、アンジェロの言動がキーとなる場面の印象が全く違っていて面白かったです。

鍵本さんは今回が初見なんですが、ジョヴァンニの繊細な部分とか、序盤のちょっと嫌な部分の見せ方とか、すごく原作に近いなと思いました。
あと、何よりアドリブの挟み方。「媚び諂うしかない」「愛想笑いでもなんでもする」ってセリフがとても刺さるジョヴァンニ閣下でした。
そう考えると、風間ジョヴァンニは対チェーザレの内面を強調したキャラ付けになっている印象です。
そういえば、今回両キャスト共通でジョヴァンニの演者さんが初見なのがなんとなく面白かったです。キャスティングされる作品傾向が、普段私があまり見ない作品なのか……逆に他の作品も観てみたくなりました。

ドラギニャッツォの礼生くんは久しぶりだったけど、何気に1番楽しみにしていたかもしれません。
結構良い子なキャラクターとしてのお芝居しか見たことがなかったので、ドラギニャッツォをどう演じるのか……いや、めちゃめちゃ嫌味で鼻につく感じ!ちょっと狡さと意地悪さが出てて、プライドの高さも滲み出てて、めちゃめちゃドラギニャッツォ!!
頌利くんのドラギニャッツォは我の強さが前面に押し出されてて、ああきっとコイツ裏切るなって感じでそれも良かったんですけど、礼生くんのドラギニャッツォはにこやかに裏切っていく感じが怖かったです。

健人ロベルトはお世話焼きが強調された印象。邑弥ロベルトが友達感が強い感じでアンジェロの隣にいるとしたら、健人ロベルトは先に大学に通ってた先輩感が強い感じでアンジェロの一歩前にいて振り返ってるイメージを持ちました。

いなせアンリに関しては、真っ先に浮かんだのが「品のある粗忽者だなぁ」でした。矛盾してるんですけど、声質のせいか、立ち方が綺麗なせいか、そんな印象が最後まで抜けませんでした。荒々しさの表現はおっきーに軍配が上がりますが、声音での圧はいなせアンリの方が迫力がありました。

ロッサ公演


マチネ(2階1列センター)
とても見やすい!オケピの様子がちらちら見えるのも良きでした。そして衝撃のピアニストが指揮者も兼ねてるとは……!
モニター上の本当に真ん中のお席だったので、指揮を確認するキャスト陣の視線が来るし、セット上段のキャストの目線とほぼ一致するので、視線の先にいる錯覚ができます。
上から見ると、オープニングの場面でライティングが石畳風になってるんですね!ライトを千鳥格子にすることでの演出、めちゃめちゃ綺麗でした。
あと、今日全員声の圧がすごい。いい。ってなりました。

・ワイングラスをチェーザレから投げ渡されるとこ、先週はくーるくーるくーるって感じだったのに、今日グルングルン回っててミゲル一瞬弾きかけてたけど、よくあれ片手(しかも左手)で受け取れましたね!?
・1幕赤澤アンジェロと健人ロベルトの掛け合いはどこまでも陽気で明るめ。
・取り巻きを呼ぶジョヴァンニ閣下「……ピスタチオ!」「いや、あの、ピエトロ……っはい、ピスタチオです〜」さすがに笑い声の漏れる客席。このあともピスタチオ誰か引っ張ってましたね(笑)
・ラファエーレはるちゃん、お戻りのとき思いっきりフランチェスコくんにマント当てに行ってて、すごい満足そうでした。
・立ち去る際のチェーザレ、ラファエーレのマネをして髪をたなびかせていくから、ケンチミゲル笑っちゃってて少年感!!!
・祭のシーンでチェーザレが取り出した金貨が勢い余って舞台下へ……ざわめく客席……赤澤アンジェロがうまく取り繕ってました。

ソワレ(9列下手)
ほぼセンター寄りだったので忘れ去ってたけど、まだ下手チケット持ってました!!!
ロッサでもあの場面がお顔正面から見れる!!!
マチネからの興奮冷めやらぬまま、ソワレはぴあ貸切公演。

・過去一好きな「お前には一生涯分かるまい」でした……何あれ……絞り出すような震えた声も、表情も、仕草も、全部好きすぎた……場面として好きだけど、それ以上に揺さぶられるものがありました。こういうシーンのケンチさんのお芝居ほんと好き。
・取り巻きを呼ぶジョヴァンニ閣下「……エスカルゴ!」もはやルと濁点しか合ってないので一瞬誰を呼んだのかと(笑)
・乱闘後、アンジェロが「やはりミゲルのためなんですね」って言ってて、マチネはミゲル様って言ってた気がするし、初めてアンジェロが対外的にミゲルを呼び捨てにしてるところを見ました。マチネは原作でも呼び捨ててた場面のはずだし、やっぱりチェーザレ様の前だからかなぁと思ったから、すごくスッキリしました。

スペシャルカテコのトークでは、まずWキャストのロッサメンバーの紹介(うっかりいなせの紹介を忘れて、すかさず周りからフォローされる中川さんも見れました。)
「ジャージーボーイズでお世話になってるぴあの貸切公演ということで」という前フリから、ジャージーではいつも無茶振りをされるので藤岡さんにお返しということでぴあにかけて一曲!という中川さんの無茶振りにタジタジの藤岡さん。
「ジャージーはね、そういうキャラだから」「オレ今、ダンテなのよ!?」と藤岡さん必死に訴えるも絶対引かない中川さん。
最終的にはダンテの歌う曲の一節に合わせて「ぴあの人はすべて〜」「○○川と〜多摩川と〜荒川と〜」「他に何川あったっけ?(小声)」「いろんな川にのまれないでね〜」と高らかに歌われてました!
東京の川詳しくないので忘れてしまいましたが、5つくらい並べてて、とっさに引き出せるのはさすが藤岡さん!
キャストも客席も笑顔と拍手に包まれてました。
そして半島の情勢を歌っていただきました。(途中で藤岡さんフードもその下の被りも取ってました笑)

ソワレはぴあ貸切公演

ヴェルデ、ロッサ、両公演を見て改めて感じたのは、それぞれまったく違うというケンチさんの言葉が全然大げさじゃなかったこと。
基本に忠実な方向に突き詰めたのがヴェルデで、基本に個人の解釈をより強く反映させたのがロッサという印象。複数回通うと成長がわかるヴェルデと日替わり万歳なロッサ。
個人的には陽と陰の対比が際立つ大輝くんのアンジェロの方が舞台としては面白いけど、より原作に近いイメージを持てるのは赤澤アンジェロでした。
乱闘騒ぎのとこは、おっきーアンリの荒々しい歌い方がとても好きで、ケンチさんとより合ってるかなと。いなせは声が綺麗すぎて……
裏切りを持ちかけられる場面は邑弥ロベルトの演技が好みすぎたけど、礼生ニャッツォが健人ロベルトに追い打ちをかけるかのような微笑みと追加の肩ポンしたのが怖すぎて震えました。
あと本当に礼生ニャッツォとケンチミゲルのシーンがめちゃめちゃ刺さる……頌利ニャッツォの最後に必死に訴える感じも良いんだけど、完全に礼生ニャッツォのお芝居が好みど真ん中すぎました。

しかし何度見ても、40過ぎたおじちゃん達が16,7の青年を演じてるのすごいですよね。
大人びたキャラだからこそっていうのもあるかもしれませんが、若手俳優に混じっていても違和感感じないのはさすがとしか言えません。
強めの赤澤アンジェロとだとより差が縮まって見えるので原作感を強く感じたのかもしれません。
こういう細かな違いを比べられるのもWキャストの楽しみだなと思いました。

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