絶望に暮れる朝がある。 いくら夜用ナプキンを使っていたとしても、ズレてしまったら意味がない。 最近だとオムツ型のナプキンも発売されているが、私は使う勇気がない。 普段のナプキンよりは安心感は得られると思う。 だけど、なんとなく、介護用パンツを自ら使っている気分になる。捨て方もよく分からない。 他にもタンポンや、経血カップなど様々なものがあるけれど中に物を入れるのは抵抗がある。 処理する時も不器用な私のことだから、 手や衣服にベットリと生臭い血を付けてしまうことになるだろ
あるところに、しあわせちゃんがいました。 しあわせちゃんは、 たくさんのおともだちと、 まいにち、 それはそれはしあわせにくらしていました。 あるひ、しあわせちゃんのところに ふくんがやってきました。 しあわせちゃんをひとめみた ふくんは、しあわせちゃんをすきになってしまいました。 しあわせちゃんがすきなんだ。おともだちになってくれない? いいわよ。 ふくんは、しあわせちゃんがいくところについていくようになりました。 しかし、 あんなにいっぱいいたしあわせちゃん
定時が近づいて来て、社内全体が騒がしくなった。 他の部署で何か問題でも発生したのだろうか。 ここまで何もなく過ごせて、定時に上がれそうだと言うのにこちらに問題が派生してこなければいいのだけれど。 それに今日は、絶対にドラッグストアに行かなければならない。ナプキンのストックが無い不安を早く払拭したい。 トイレに行った時に、家から持って来た夜用ナプキンと替えたのだがやはり夜用だと動きづらさは否めない。 周りには気付かれてはいないだろうが、匂いも気になる。体内から出てくる余計な
普段は絵画なんて、全く興味の無さそうな彼を美術館に誘ってみた。 モネ、シャガール、ルノアール。 有名どころの画家の名前が揃っていて、元美術部の私は胸が踊っていた。 その美術展の招待券がたまたま、二枚手に入ったのだ。招待券だから、勿論無料で入場できる。 なぜ、チケットをくれる人って偶数で渡してくれるのだろうか。自分と行って欲しいという心の現れなのだろうか。 私は元々、一人で行く気でいた。だが、折角二枚あるんだ。彼を誘ってみようと思い立った。興味がなさそうなら、私が二回
駅までの道すがら、ナプキンが擦れる。その上にストッキングを履いて、その上にインナーボトムスを履いているから余計に圧迫されている。その上、ヒールのある靴なのだから歩きづらいったらない。 インナーボトムスも履いていないと、腰が安定しない。普通の日より、骨盤が緩くなっている感覚があり気を抜くと座り込んでしまいそうだ。骨も期間に寄って、強度が変化するのだろうか。 ようやく駅に辿り着き、いつもの時間の電車に乗れたことに安堵する。 この時間は、いつも満員。 座れるなんて希望は一日も持
たまに、考えることがある。 「もし、神様がいるとしたら」 今の私だったら何を願うだろう。 大金持ちになりたい。 会社に縛られない自由な暮らしがしたい。 過去に戻りたい。 願っても変えられない状態や、過去を 見えない「神様」にお願いしてしまうだろう。 友人とざわつく居酒屋でその話になった時、 彼女は「もし、神様がいるとしたら今すぐ死ねるように願う」と言った。 3年も付き合って、同棲までしていた彼氏に振られたそうだ。 私たちは30半ばの独身。 周りに幸せな結婚をしている人
どうしようもならない朝がある。目が覚めた瞬間に下腹部の鈍痛と、下着の不快感が襲う。あぁ、月曜日だと言うのに。予定日より三日も早い。油断をしていた。 休日を二日挟んで、また今日から出社。それだけでも憂鬱なのに、朝からこれか。太腿の辺りの不快感から、布団まで汚れているのではないかと不安になる。 とりあえず、起きなくては。身体をくねらせて布団からの脱出を試みる。やはり、昨日とは違い腰の辺りがズドンと重くなっている。 布団を体から離すと、案の定敷布団には赤い染みが出来ていた。