きれいめのシャツ


からだを舐めることを
よくしている
遅れてやってきた心を馴染ませて
からだに染みを作るために
私はからだを舐めはじめる
元はと言えば
飼い猫をまだみたことのない部屋に
わざと連れていったときのこと
まず最初に猫は
瞳孔を開いて部屋の中を見つめる
そして部屋の中の姿が猫にとって
新鮮であればあるほど
見えない不安を呼んでくるようで
しばらくすると諦めたように
猫はからだを舐め始めるの
それで真似してみた
思いのほかリラックスして
心中思いやれるの
私の友達は
暗闇がすきで
暗闇を愛しすぎて
光を敵にした
目が夜行性動物になっちゃったんだ
からだ舐めのこと、もっと早くに
教えてあげればよかったな
爪が伸びるのが人よりも早く
前歯が尖っている友達
幸あれ

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