「感謝と祈り」第365話

人間的に魅力のある人ってどんな人だと皆さんは思いますか？

人には二通りの人がいます。

その一つが、誰かのおかげでうまくいった、と手柄を自分のものにしない恬淡の人。

反対になんでも自分の手柄にしてしまう人は、「俺が俺が」の欲深で強欲の人。

今は自分が前に出たり、自らをアピールして、目立つことも厭（いと）わない人の方がもてはやされる風潮がありますね。

しかし、古来より日本では、実はそうではない人が好まれだそうです。

淡泊な人とは、従容な人であり、こだわりのない人だとも言えます。

昔、鈴木善幸総理という人がいましたが、
その人は一見あまり人気がないように見えました。

彼は漁業関係の出身者で、演説もさほど上手い総理ではなかったらしいです。

しかし、鈴木前総理は、アメリカの事がよく分からないから、ソニーの盛田会長に、アメリカとの会談で、どのようにしたら良いのか、アドバイスを求めたのだそうです。

すると盛田会長は、とにかくアメリカにはイエス、ノーをはっきりして、その事について短い理由を述べ、あとはいつものように好きに喋ったらいいというアドバイスをされたそうです。

そのおかげで、総理はうまくアメリカとの会談を乗り切る事が出来たと後々まで仰っていたといいます。

鈴木前総理は、うまく会談を乗り切った後も、それを決して自分の手柄と思わず、盛田さんのお陰だったと考える従容な人柄でした。

派手さはないですが、こだわりのない素直な人柄だったようです。

すると、この人の為にこれからも何かしてあげたいと、盛田会長も思ったと仰っています。

手柄を自分のものとせず、教えてくれた人に感謝出来る人は、やはり魅力ある素晴らしい人ですね。

今日も最後までお読み下さり、ありがとうございました。