測りすぎ
読んだ本の感想はなるべくInstagramに投稿するようにしている。本の内容をすぐ忘れるから、読み終わった時に何とか言葉をひねり出すことで、すぐ忘れてしまう罪悪感から逃れたいだけかもしれない。
Instagramに投稿しそびれた本で、印象深かった本が、『測りすぎ なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?』ジェリー・Z・ミラー 著。
ざっくり雑にしか覚えてないのだけど、なんでも数値で測ろうとするけど、それだけではこぼれ落ちるものがあるということだ。本の紹介に全ての管理職読むべし、と書いてあるが、本当に読んでほしい。
例えば、医師が手術の成功率で評価されるとなると、成功率を上げるために難しい手術はしないようになって、患者にとっては不利益が生じている。時間をかけて築いた関係性の中で、患者から感謝されることにやりがいを感じる医師は多いが、患者からの謝意や満足度は評価に反映されない。外来で患者数をいかに捌けたか、そんな数字で見られるから、長時間並んだ割に一瞬で診察時間が終わってしまうということになる。
内部の叩き上げではなく、外部からよく事情を知らない人物が経営者になるとどうなるか。事業のことも働く人のことも知らないので、何でも数字で判断しようとする。その経営者に提出する数字を出すために、従業員の時間がかなり割かれることになる。そしてその数字が本当に意味のあるものなのか、十分に検証されることはない。
これはアメリカの例ではあるけど、大学の授業料が高くなっているのも、評価機関に提出する書類の数値作成のために雇用される事務職員が増えていて、その人件費が反映されていると書いてあって、すごく納得してしまった。
この本の話がずっと頭にある中で、この数日、まさに数値作成に追われていた。時間がかかるので残業もしないといけず、この数値を出すことにどれだけ意味があるの?と思うことしきり。何とか作ったら予想した通り、じゃあこの指標はどうなるか、さらに追加注文が来る。
提出した相手は、この数値見てるだけでニマニマしてしまうとご満悦だったけど、数値じゃなくて現場を見て!と強く思う。
隔日で作らないといけない売り上げに関する統計もあって、その数値について、また別の人から件数は目標値を超えているのに、金額が目標に達してないのはどういうこと?と質問された。単価が低いということだと思うけど、そこを分析するのはあなたの仕事ではないですか?と返した。
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