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ともす横丁Vol.11 社外メンターのこと

企業で働く女性の社外メンターをしている。2018年NPO法人アーチ・キャリア設立時、発起人である有冬典子さんからお声がけいただいて登録させてもらった。当時在職中だったため、マネージャーの経験に役立つものと勤務先に届け出。代表の井本七瀬さんからお声がけいただく都度、担当してきた。

なぜ引き受けたかと言えば、在職中、仕事のことで悩んだ時、社内の誰かに気軽に相談することが難しかったから。そんなことくらいで相談するの?という自分のジャッジの声がするし、相談したりすると自分が「できない」人と思われるのではとか、弱みを見せることにためらう「ちゃんとしてなくちゃ」症候群が邪魔をしていたと思う。

特にマネージャー職になりたての頃は、こんな時どうしたらいいんだろう?とひとりで悩んで抱えて、苦しかった。他の人はこんな時どうしているの?って聞いてみたかった。でも聞けなかった。つまらないプライドが邪魔してた。怖かったんだと思う。そんな大したことじゃなかったのに。今考えると可笑しいくらいに。

だから誰かに相談する時にはかなり深刻な状態になっていた。会社が嫌になっちゃった時、手術後快復が遅く体力的にもう無理と思った時。たまたま飲み会で信頼する女性の先輩に出くわし、話を聞いてくれて引き留められて。それがなければもっと早くに辞めていただろう。

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気軽に相談できる、そのことがどれほど心を軽くし、真にエネルギーを費やすべきところに注力できることかと思う。会社の中で相談できればそれが一番いいと思う。でももしそれが難しく感じるとしたら?それは単なる解決策を知るということではない。存在自体に意味と価値があるのだ。

 *NPO法人アーチ・キャリア https://archcareer.org/personal/

七瀬さんのマッチング(メンティ:相談者とメンター)は素晴らしい。メンティの状況やニーズに合わせてメンターとの相性をバッチリ合わせてくる。私が担当した女性たちは、真摯がゆえに身に着けただろう様々な刷り込みから苦しんだり、悩んだり、人知れず傷ついたりしてきた。そこに気づき、捉え直し、恐れを手放して少しずつ前に進むことで、新たな自分やそこにある喜びを発見していく。恐る恐る、でも勇気を持って生きることの素晴らしさに出会う。

このメンタリング(相談)は1時間を3回。合計してたった3時間のことなのに、その変容ぶりは目を見張るものがある。振り返りながら時に涙し、はっとして息をのみ、沈黙が続くこともある。最後には自分と向き合い、涙があふれたりする。

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私はメンターとしてともにいながら、ただ聴いて、問いかけ、気づきにフォーカスしていく。気づくのは本人だ。私は鏡のように、本人が描いている世界を映すだけ。その事実を前に、気づくに任せる。質問されて自分の体験を話すこともある。私の経験はそこで活きる。それはメンターならではだ。

学ばせてもらっているのは私だと感じつつ、人の心の奥深さ、人が出会うことの不思議さを思う。そして出会えたことに感謝している。


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