晴れのちのち時々晴れな階段を

本業的にはお休みが入っているものの,先週からの怒涛の本業によるイベント準備と参加の波に,その合間を縫った就労支援フォーラム(これは別途書く予定)参加を含めて気分的に17連勤な勢いです.なんだこれ.20年ぶりくらいな連チャンで.

そして今週はマルシェでの売り子から入りましてな.マルシェについては,この場合福祉サービス事業所がメインに呼ばれている為に,まぁその何だ,割りと似たり寄ったりな品物が被る感じなのはしょうがないのかなぁとも思いましたり.店の並びで呼び込みが全部「ラスク」「ラスク」「ラスク」となったのにはちょっと笑いましたが.主催が障がい福祉課なので有難くもそうなるよなぁと思いつつ,これがもし主催が変わった場合に自分とこの事業所は埋没してしまわないか,一体何を期待されて出店する事になるんやろかという面倒くさい考えに囚われる感も無きにしもあらず.いえ,こういう機会を提供してもらえるというのは有り難いんですよホントに.でも,だからこそその先というか,本来あり得る姿ってどうなんやろというのも想像するワケで.何と戦ってるんやろジブン.

利用者さんとの関係となれば,現場にはスタッフがあちこちで足りなくなる時に引っ張り出されるのは,たぶんサビ管ならどこでもよくある話だとは思います.まぁそれがいかんという訳では(その体制がどうよという^H^Hこらこら)ないのですが,どうせなら現場に入る機会にちゃんとクライエントの状況観察はしときたいよねぇという感じで見ていくわけですが,そこで得た情報を整理して,それを他のスタッフと共有するのが案外難しかったりするのですな.なにせ作業療法の言葉は基本的に使いませんのんで.前提となる知識・経験はまず無いものとして話をしなきゃならんからですな.そこで必要なのが何をベースに話をするかという事で.

私自身はAMPSの認定を受けているわけじゃないんですが,AMPSの考え方やその内容については面白いし有用やなと思ってます.なので作業遂行については(あくまでも)AMPSの各項目を(運動技能とプロセス技能に分け,下位項目をより平易な言葉で書き直して)使用したシートを用いてます.まぁAMPS全体を使うというよりも,一部を流用するという形になるのですが,それでも共通の基盤とするには良い感じやなぁと.外には出せないでしょうし,経時的に追うのも評価者による揺れを玩味した上での目安程度になっちゃうんですけど.

※でも逆に言えば,やはりFisher先生はよく考えて作ってあるんだなと感心し,尊敬します.

でもそういう事を通しながら,作業療法のエッセンスというのは通奏低音の様な形で支援者,関係期間などに広げられるといいなと考えてます.そんな邪ぽい企みなんぞを持つサビ管ってどうよ.

利用期間や個別支援計画上の理由もあるにはあるんですが,利用開始間もないメンバさんだったりすると,最初は頻回な面接というか,現状確認と振り返りの話し合いをしたりします.最近もそれで週に何回か面談を行っているんですが,その中で話される事がこの人の作業に対する思いについてを聞くきっかけになる事もしばしばあったり.

10年来の入院から改めて在宅生活(と言ってもグループホームなんですが)を始める事になり,日中活動として生活スキルを高める生活訓練と,医療的に寄った日常生活・対人交流のケアを行うデイケアとの併用で2週間弱の方で,最初はどちらの利用についてもスムーズに通所する感じだったのが,次第にデイケアの方へと気持ちが傾き「生活訓練を減らしてデイケアを増やしたい」との言葉が出てきたり.
まぁそうなると周りは反応しますよな.まぁ自分はここで生活訓練のスタッフとしての立場で話をする事になるわけですが,まずは説得だの説明だのという前に他のスタッフへ「まず本人の気持ちを聞く事での関係づくりとします」と宣言して本人と話をしたわけですよ.

そして本人の言葉からは,生活訓練の活動は生活スキルの向上にあるが,別に生活で困っている事は出てこないのでやっててもあまり響かない感じがして,でもデイケアでやっている事や過ごし方においては,運動やストレッチやゲームなどで,キーワードは「嬉しい」「楽しい」.そしてもう一つは身体機能に対するスタッフ(デイケアOT)からのマンツーマンのアプローチが,一つは身体的な機能維持への不安の軽減と「構ってもらえた」という嬉しさに集約されるのかなぁと.

ここで自分は思いました.「ああ,今のこの人にとってはまだ機能という心配ごとが優先度の高い状態になっているんだな」と.この人は精神障がいを抱えてはいるんですが,同時に難病をも抱えているので,自身の身体機能に対する衰えを気にしているのが長く続いているんでしょう.その安心感もしくは安定感を求めてなお彷徨っているんやないでしょうか.そこはこの人について考える時に必ず考慮していく必要はあるだろうなというのを改めて教えられる事になりました.

ここを機能固執とするならば,この思考が問題点になってしまう(by齋藤佑樹せんせい)ので,そうではなく,そういう段階なんだというパラダイムで今後の展開を組み立てていった方が建設的やろうなと目下調整中な感じです.ちなみに話し合いの場は本人の部屋で,つまり本人が患者さんとしてでなく自分の暮らしを語りやすい環境(by仲間知穂せんせい)でやっていったり.そして伝えて共有というよりもむしろリアルタイムで場面を見て貰ったがいいよねという事で,現場スタッフさんも一緒に入ってもらいました.こうやって場作りの一要素として現場スタッフさんにもなってもらい,周波数が合う瞬間(by仲地宗幸せんせい)を一緒に感じて貰うのは大事よなぁと思うて.

こういうのからいろんな事を考えさせられるのですが,そこでの思考の流れを自分にフィードバックすると,今までの経験や学びという中でいろいろな人が背中を支えてくれているなぁという気持ちになります.実際サビ管で仕事をしていると,こげなんとの調整がホントに多いですが,そのたんびに脳がきりきりする感じでタイヘンですな.まぁ自分の思考や意志やスキルの低さに泣きつつ修行の一環なので良しとしましょうという毎日です.

プログラマを経て作業療法士へ.精神科病院で病棟やデイケア,通所リハなど渡り歩いた後で自立支援事業所へ.主な担当領域は精神障碍を持つ方の生活支援,特に就労支援が中心.大切な作業を大切に,がモットー.