クライアントと関わる中で依って立つものを確立する事の大切さ

・書類作りはデータが大事
・本来の暮らしを見据えたトップダウンアプローチが,「今ここ」での関わりや支援を強化しますよ
・早寝早起きはフェイルセーフの基本ですね

 業務内容が変わって,作成する書類が当然変わっています.まぁ先人の知恵を借りる形で使ってるんですが,それでもやはり基本のフォーマットは新しい課題やらが出てくる毎に作らなきゃいけない訳ですよ.要求される内容に沿った形ではあれども,その時に感じた勢いでだいたいは作ります.が,暫くすると時々「合わないなぁ」とか感じたいする場面もあったりして,でもその時にはある程度周知された内容になってたりするから,フォーマットを変えていくのに躊躇したり.もうさっさとMVCが分かれたUI早よ.と.やっぱしデジタル化してスカウターな形式希望で(そしてbuffer overflowして壊れ.

 今の法人内において,部署毎ではOTが1病棟1〜2名体制で分担されていて,全体の交流はちょこちょこで,まとまった感じではそれほどなく.とはいえ,各々が個別に交流する事はあるわけで.まぁ自分の場合はやはりクライアントが場所を変わったとか入院したとか退院したとか絡みが多く.なので必然的に精神科病棟を担当している人とクライアントや病棟についてなどを通して思考の共有や情報交換をしている時間が長い感じです.特にここんとこはクライアントの近況についてを話したり聞いたりしながら,そこにおけるいろいろな課題を挙げていって解明していく(解決ではなく)事が多かったり.というのも共通に関心のあるクライアントが,狭い意味での作業に囚われないようないろんな背景と,今後について考える内容が非常に本来の意味における作業というのを意識していかないと,何を入院中にサポートしていけばいいのかわからなくなりやすいから.まぁそういう事を共通理解のものとしていけるのは,ある意味地域を曲がりなりにも経験してるからと言えるかもしれません.でもまぁまだまだ作業療法士で地域を血肉としている人の割合は全然少ないので,そうでない人とも共有していくのは課題.というのはともかく.
 でまぁたまに病棟を移るクライアントさんがいる訳ですが,ちょうどそういう人がいて,その人についてのサマリがあったりするのでそれを書いて移動先のOTさんへ提示し,そこからいろいろと話をしたり.その人の状況を自分が依って立つところである(影響されやすいけど)作業機能障碍の観点から見ていったら,作業不均衡は以前からそれ程目立ってはおらず,現在は作業剥奪が中心になっているな(入院中だからね)という感じで,だけれども退院して今後の暮らしを形作っていくところにおいては作業剥奪は減っていき,作業疎外や作業周縁化などが大きくなっていくんじゃないか.それは今までの生活史においてもあった(けどそれを(本人すら)認識してなかった)事が顕現していく可能性があるので,そうなった場合における相談や支援などの活用へと繋ぐ為の情報提供や連携が,入院中に作業療法としてできる事なのかもしれないし,その関わりの中で作業療法というものについての正しい理解をして貰う時間を取るのと,本人の大切な作業をしっかりと共有していき,本人が主体的に暮らし方を選択できる環境を整える必要があるんじゃないかな.というのを説明したりしました.本来ならジヴンがやらなきゃならないところを,病棟移動という事でできないのはちょっと残念な気もしますがそれはしょーがないし,逆に言えば,そういう意志を他のOTさんとも共有していく機会にもなるからいいかなとちょっとポジティヴに思ったりして.
 尤も,上記の関わりがうまくいったとして,退院して本来の暮らしを行う中で地域におけるサポートを活用する場合に,じゃあ地域にそれだけのOT資源があるかというとそれは別の話なので困ったなぁというのはありんす,ああ,地域生活支援のOTさんが増えて欲しいし,自分そっちへ早よ,とか.もちろん他の資源も合わせてちゃんとクライアントへと説明してますんよ(偏りアリ).
 そうやってあーだこーだと話をしていく中で,療養病棟のOTさんからは「やっぱり病棟での作業療法を行う場合でも,病院外の事をしっかり理解しているかどうかによって,その関わり方は変わってくるし,知らないで済ます事はより良い作業療法とならないですね」との言葉があったりしました.まぁ自分としても,いろんな事を考えてるつもりでも,その後の暮らしっていうところまで視野を持てないままでやっていた時があるわけで,何か不全感や目的を見失ったまんまで日々の業務をやるのはなかなかツラいものがあったなぁと思い至り.自分の職業的アイデンティティの為にもいろいろな事を知った上で視野を広く持ち,その中で今やれる事をやるというのは大事かなと思うわけです.病棟だと特にその関わりは有限ですし,期間はいろんな要因により変化しやすいので,限られた環境の中で何を優先し取捨選択していくかというセンスは常に求められてるんじゃないかと感じます.

 また別に,長期入院者についてのあれこれもあるんですが,それはそれで重要なトピックですので,改めて.

 そんなんで週間ルーチンは割りと習慣化していき,律儀にメモを取っていった甲斐があってソラで次の流れを思い出せる程度には内容が皮質下の認知領域へと移行した感じです.だいたいそういう時に何らかのミスをやらかす感じがデフォではあるので,やっぱり開始前のメモ確認は手放せず.なので時間早めに行って余裕を持つのは大事です.決して年取って早起き基本になったからではないですてば(視線右斜上30°).

プログラマを経て作業療法士へ.精神科病院で病棟やデイケア,通所リハなど渡り歩いた後で自立支援事業所へ.主な担当領域は精神障碍を持つ方の生活支援,特に就労支援が中心.大切な作業を大切に,がモットー.