振り返る 我が細々の 繰り返し 糧になれども 口には逃し

 自分の興味が思考を仮想化された世界へインプリメントするようなところから,身体性を伴った現実世界へと繋げていくようになっていってるのは,多分IoTやらロボットやらが身近になっていったのと無縁ではないのかもと思いつつ,いやま年齢的な影響による身体の動かなさをどうにかしたいという切実さからもキてるんやないのかねぇとツッコミを入れてみたりもします.まぁどちらにしろ今までやってなかった部類の身体動作が入るので,もう笑える位動かないんですなこれが.とは言いつつもそのハードルを乗り切って下手の横好きってなる程度までなれば,今とは違う世界が見えてくるかもってのと,たまに上手くいくと面白いというのが次に繋がる動機付けとなるので,ああこれが作業の基本となる習慣化に向けたプロセスよなぁとセルフモニタリング.三線や内家拳の頂きは果てしなく遅々として進んでるかもね.

 まぁいろんな経緯があって部署を変わり,病棟での作業療法を主たる業務とする様になって3ヶ月弱になります.10年ぶりの業務内容であって正直こなす事ができるんかねと心配する面もあったんですが,慣れと言うか習慣化していた事は割りと覚えているもんやなぁ(実際には部署どころか病院すら違うんですが)という感じで業務の流れに応じて身体が動くのを感じたりはしてます.とはいえやはり細かい且つ暗黙知になっている内容というのがいろいろあるわけで,そこはそれ就労支援で業務の見える化もあったりした事からいずこも一緒よのうと感慨にふけったり,という暇はなくあれこれをフィードバックしながら覚えていって.

 そんな日々において,以前よりも多く,他の病棟を担当しているOTさんたちと話す機会が増えていってたりもします.まぁ以前が同じ法人とはいえどうしても時間の流れが違う上に場所も離れていたという言い訳をできる場所にいたというのもあるんですが,今は休み時間が固定な上にスタッフルームがあってそこで休憩したりその他いろんな業務をこなす必要があるので,必然的に一緒にいる時間ができるわけですな.そうするとまぁ時々作業療法中や病棟で起こるあれこれについて話をする事が増えるわけで.で,療養病棟担当のOTさんが料理教室をしていた中でのエピソードが話題となりました.どういう料理を題材としていくかという事で,「以前は題材を決めるために料理の本を買ったりして,凝ったものを考えたりしてたんだけど,最近はもう簡単なのばっかりやってますよ.野菜もカットされたのを買ってくるし,調理も短時間でできるのばっかりで,メニューも数種類を回す感じですから」って事らしく.料理として考えてみると手抜きっちゃあ手抜き,だけどそれは何を目的にしてるのかによってその適切度合いは変わってくるだろうなと思いました.なのでそこで状況と目的を言語化して明確にするために少し突っ込んで確認していく事にしてみたり.

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 このOTさんは病棟担当OTから始めて,途中訪問看護を5年くらい(だったかな)やった後,また以前の病棟に戻ってきています.なので「以前」というのは以前の病棟担当という事です.
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 で,やはりここはセオリーに則って,「なぜ」から聞いていったら,まぁ日常的にそうそう凝った料理をする人はいないでしょと.まぁ中にはそういう人もいるかも知れない(特に日頃やらない人ほどやる時には凝りがちと言うがそれはそれ)けど基本的には時間や材料,お金の制約がある中で行うのに手間と時間を好んでかけられる人はそういないですよなって話になるわけで,それはもう実体験(支援としてね)からくるものだよなぁと感心しましたですよ.ああこういうのが具体的な生活を踏まえた上で病棟へと作業を持ち込む意義なんよねと.

 そしてメンバさんの話の中で,気分的に(感情障碍系か?)不安定な人で,普段は一緒に活動すると他のメンバさんの事が気になって手を出したりしてしまい,自分の分がしっちゃかになってしまうけど,最近ちょっと元気がなくて,活動中に自分の分だけで疲れるみたいで,逆に自分の分がちゃんと出来てたりしているからどう考えたらいいのかなぁって事で,そういう行動に対して「〜できる能力」を付けてリフレーミングする(by神田橋せんせ)事を大事にしている身としては,やはりそれも一つの強みでないかなと.外的刺激が減って一人で物事をする環境であれば,注意が周囲に逸れずに物事をスムーズにできる可能性があるんじゃないかなと話してみたり(あくまで可能性,実際はやってみないとわからない).まぁやはり作業場面はインタラクティブというかダイナミックというか,人と環境の相互作用による変化が顕現するので,そこをどう捉えていくかという解釈については,みる人によっていろいろ出てくると思います.けど,その見立てや思考に拠って立つところは,自覚的で実生活である事が大事じゃないかなと.なのでその為にはやはりいろんな経験がある方が良いでしょうし,その為にも自分自身の体験を経験へと活かせなきゃならんのですよな本当に.

 なので少しずつでも取り組んでいる事にうまくなっていく自分を実感したいなと.さぼらないでやっていきましょね.はい.

プログラマを経て作業療法士へ.精神科病院で病棟やデイケア,通所リハなど渡り歩いた後で自立支援事業所へ.主な担当領域は精神障碍を持つ方の生活支援,特に就労支援が中心.大切な作業を大切に,がモットー.