Untitledの作品について

芝田町画廊のUntitledの作品について
(ここ一年のまとめも含めて)
今回初めて無題を意識のもと制作。
いつもは言語化したものをメモして、それを重ねて行き、タイトルに繋げる。
 度々現れる言葉をあえて打ち消しながらの制作は気持ちの上での制限がかかった。
打ち消した言葉は今思い出せば
回帰、内に込める、元に戻る、めぐる、
現象としては外に放出ではないということ。
 抽象画は捉え方の自由度が高い。何かに見えてくるものはその方の経験や見たことから出てくる。
 作者も毎日違う気持ちが表れては消えるがそれがもったいないと思い、言語化して残してきたが、今回はない。
 具体的には和紙の端は全て画面の裏に戻した。
描きたいものは「生命感」「生き様」「生きている証」
 最近嫌われるグロに近づくが、私はそう思っていない。
曝け出した人間の心の姿。
そして新しい生命体を作り出している気持ち。
 まだ見たことのないものの初めての目撃者になりたい気持ちは変わらずある。
  具体的な制作としては流木、和紙、岩絵具で描いている。にかわの力で和紙は表情を変え、かなりかたくなる。10回くらいの塗布なら膠を塗るとそのたびにヘタる。それがある時から物質としての存在感を出して、かたまる。和紙は支持体だけの存在ではなくなる。和紙に関わる方からしたら良さを打ち消していると言われても仕方ないと思う。
 流木は海岸、ダム、川のもの。木としての生命が終わった時から始まった新たな生命を感じる。そのままで使ったり、カナダワシで削ったりした。その上から膠を塗る。最初は吸い込んでしまうが、これもある時から物質を感じるコーティングになる。
 流木の力に負けないように寄り添い、力をもらいながら画面に入れる。
 これが私の現在地。ここからもっと進化していきたい。
#抽象画
#和紙
#流木
#膠
#岩絵具

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