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腹腔鏡手術体験談(不妊治療)

今日やっと、腹腔鏡手術をしてもらった。決して楽しみだったわけじゃないのだけど、前の産婦人科から転院した理由は、この病院の医院長の多孔術をしてもらいたかったからなのだ。

ステップアップの速さと確実な腕に定評のあるおじいちゃん先生。先生が若い頃は厳しいことをズケズケと言われることに耐えられず治療を断念した人がたくさんいると聞いていた。
実際会ってみると、話に聞いたほど厳しく感じず、以前受診していた先輩たちにそのことを伝えると「歳をとってまるくなったのよ〜。私何回も泣かされたもん」と口を揃えて言うのだ。

オペの前日の入院で、お出汁の効いた美味しい和食を夕食に食べた後、美味しくない下剤をグビグビと飲んだ。話には聞いていたけど、やっぱり美味しくない。クエン酸入れすぎやろ、、、!と心の中で発狂。

お通じは朝起きたらやってきた。看護師さんが、「腹腔鏡手術だから、あまり神経質に綺麗にしなくてもいいんだろうけど、トドメの浣腸やっていきますね」と、可愛い顔で恐ろしいことを告げてくる。
浣腸の威力は抜群で秒でトイレに籠ることに。
(なんて羞恥プレイだ、、、!!と思ったことは内緒。) 

術前のエコーで子宮と卵巣をチェック、からの洗浄。個室に戻ってからはお尻に注射2本。(唾液の分泌と消化活動等を止める注射)
本当に痛いことしかしないんだよな〜。と心の中で不満を漏らす。

個室で待機していると旦那が立ち会いにやってきた。
旦那には手術中、この個室で待機してもらっておくらしい。
看護師さんに呼ばれて、頭に給食当番のような帽子をかぶる。髪の毛を全部入れたら、担当の看護師さんと、相棒の点滴をコロコロと引き連れてオペ室まで歩いていく。
(ここの病院はオペ台にも自分で上がるのだ。これ、どうにかしてほしい…泣)

オペ台に乗った後、執刀医のおじいちゃん先生を待つ。その間、頭上でスタンバイしている麻酔担当の看護師さんと世間話をする。
しばらく待った後、おじいちゃん先生が登場。
麻酔の説明のとき、先生が横に来て、深呼吸を2、3回している間に意識が無くなるよ、って聞いていた。
「点滴から麻酔を入れますね!」と元気な女性看護師の声がして、深呼吸を始める。
1回…、2回、…3回…。
あれ?意識飛ばないじゃん!!
4回目…、5回目…、6回目…、7回目あたりから視界が真っ暗に。視界、というか、意識が飛んだ。

気がつくと下腹部に鈍痛。そして気持ち悪さ、寒気。
ひたすらひたすら寒かった。

「終わりましたよーー!自分で深呼吸してみて!!」
「そうそう、大きく大きく!」
と痛みと寒気に耐えながら、深呼吸に頑張る。

「身体を動かしますからねー!その前に背中とお尻拭きたいから身体を浮かせられる??」

と、麻酔から覚めてすぐに自力で身体を動かすことを求められる。
高校時代に受けた虫垂炎の手術の時は、麻酔が切れてからこんなに動かされてたっけ??
痛みが強かったからそのぶん不満も大きくなる。

「じゃあ、部屋に戻るよーーー!運ぶからね!こっちのベッドに移すよ!少し身体を浮かせて!」

と言われるがままにあまり言うことを聞かない身体を動かす。
「よし!」
という声の後から台車に乗せられたのだろう、ガシャガシャと縦の振動を感じながら運ばれていく。
この時ぼんやりと流産した時の手術の日のことが頭をよぎった。
(あの時は個室に着く前に、旦那の顔が見えた瞬間に号泣したんだよなぁ)

個室につくと旦那が心配そうな顔で待っていてくれた。
「大丈夫?」
「……。いたーい…さむーい。きもちわるい。」

どうやら私の身体は麻酔とあまり相性がよくないらしい。看護師さんが嘔吐してもいいようにと三角コーナーみたいな箱を枕元に置いてくれた。
「寒いですよね、オペのあとだから仕方ないです。毛布持ってきますね。」
寒がる私にあたたかい毛布を被せてくれる。
あぁ、至れり尽くせりだと思いながらも、手術しただろう場所がとにかく痛くて悶絶。
「鎮痛剤、入れておきますね」
と看護師さんが点滴から薬を入れてくれた。
旦那が「すぐ効きますか?」と聞いてくれた。
「うーん、人によりますが…。市販の鎮痛薬もそうですよね」
とやさしく答えてくれた。

そんな会話を聞きなら「早く効いてくれ!!」と心の中で発狂していた。
旦那は術後30分程度で退室しなければならないらしい。「昔は遅くまでいれたんですけどね」と看護師さん。

旦那が帰った後少しずつ鎮痛薬が効いてきた。痛みを紛らわしたかったから寝てしまいたかった。
定期的に看護師さんが血圧と体温を測りにくる。

体温が38℃近くになってきた。オペの後はよくあることらしく、ひたすら横になっていた。

夕方にご飯が運ばれてきた。
「ごはん、、、!!」
と喜んだのも束の間。よろよろと立ち上がると、しばらくしたら鎖骨あたりに激痛が走る。
ご飯を食べたいのに、お椀を持った両手がガタガタと震える。
(ちょっっと!!これも麻酔の影響!!??)
と戸惑いながらも、五分粥を少しずつ口に運ぶ。
一緒についてきたアップルジュースの味が美味しく感じられて感動して涙がでそうになった。
(そういえば、昨日の夜から何も食べてない!!!)

ヨーグルトを食べてる途中でお腹の張りを感じ、そして、鎖骨の痛みにも嫌気がさして食事を中断。残したヨーグルトが心残りである。

下膳してくれる看護師さんに鎖骨が痛む理由について聞いてみた。
手術の時にお腹に入れた炭酸ガスが、空気よりも軽いため、上半身の骨のあたりに来るのだとか。
人によってはあばらが痛いそうだ。
「呼吸をしてたらそのうち消えるから、そんなに心配しなくてもいいですよ。」
とにっこり笑いかけてくれた。

にしても、痛い。手術したところよりもかなり痛い気がする。

食後もベッドに仰向けになり、SNSをだらだら見て過ごした。仰向けにかると炭酸ガスが分散するのか痛みがない。
本当は歩いたりしたほうがいいのにな〜と思いながらスマホばかりを見る。

ふとトイレに立ち、用を足した後、手術したところをのぞきんだ。

「…お?おお??」

なんと、ヘソの下にホッチキスの針が2本。
「え!テープでとめてるって言ってなかったっけ!??」
と大混乱。そして恐怖を感じた。

これって、どうやってとるの?いつ、とるの??


すかさずgoogleで「医療用ホッチキス 外し方 」とか調べてみる。
抜糸より痛い、とかいう書き込みを見つけて青ざめる。
「なんなんこれ、ホッチキスなんて一言も言われてない、、!」
とスマホを片手に絶望。

明日はいよいよ退院。このホッチキスが一体どうなることやら。

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