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弓張月(山下弓)
2021年6月25日 23:20
片割れピアス初めからそうだったかのように片耳だけ付けてそれが似合う年齢でもなくなりました何故、こうして未だに残しているのでしょういずれその相方が見つかる宛てもなく私のピアストレーの一角をひしめくひとりぼっちのピアスもしかするとそれは、その頃の思い出にしがみつきたいからなのかもしれません決して揃いになることのないピアスはある意味私の姿再会が叶うことのない甘くて少しほろ
2021年6月18日 06:34
例えば殆ど他人に見せることのない臀部のあたり太陽の元に晒されることもなく私の身体の中の箱入り娘のように最も白い肌を保っているところ人差し指より薬指の方が長い貴方はその指を滑らかに臀部に沿わせその特徴から言われる男らしさの定説を少し誇らしげに話してくれた触れられたラインに沿って微かな痺れを感じながら私はふとこの写真を思い出していたやわらかな光を受けた葉の裏側が繊細で美し
2021年6月11日 07:34
激しい雨音が鳴り響く昼下がりの午後はオーケストラのクライマックスのようにあらゆる音が共鳴し、脳内変革が起こる余計なものは一切排除世界から遮断し閉ざされた中で貴方のことを想う大切な時間感情を自由に遊ばせ思うがままに呟くのです「ダ・イ・ス・キ」一つ一つの言葉を舌の上で転がしてみるのそれは鈍くひかる氷砂糖のように囁くようにつぶやけば息に甘さだけが残る枷が外れた身体から溢れる思
2021年6月4日 07:54
京の夏を代表する上生菓子「くずまんじゅう」半透明の皮で餡を包んだみんずりとした和菓子をいただくと遠くのほうから祇園祭の笙の笛の音色が聞こえてくるようなそんな気がするから不思議そのいでたちは上品な貴婦人の肌の様でもありつるりと喉越しもよいところに何故か色気を感じてしまう「涼をとる」暑さに任せて裸になるという訳でなく絽や紗の羅(うすもの)の着物に袖を通す簪は硝子玉を選