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キヤノンさん、気候危機懐疑論をスポンサーするのをやめてください。

*しばらくnoteにポストするのをやめていましたが、大切なお知らせがあるので一時的に復活しています。

キヤノンの関連企業であるシンクタンク、キヤノングローバル戦略研究所(CIGS)が、気候変動懐疑論を流布している、と伝えると、人はびっくりする。
私自身もびっくりした。カメラの世界市場で最大のシェアを持ち、多くの自然写真家たちに愛用されるグローバル・ブランド、そして日本を代表する上場企業であるキヤノンが、持続性に関心のあるブランドであるという顔をしながら、キヤノンという名を冠した機関が、科学者たちには陰謀論として退けられている論を展開することを看過しているのである。

なんでまた?という反応をされることもある。なんで?の答えはわからない。わかっているのは次のことだ。

CIGSが創立されたのは2008年のこと。CIGSのサイトには、御手洗冨士夫会長による創立の挨拶が掲載されている。CIGSの研究主幹・杉山大志氏は、気候変動を「フェイクニュース」とし、グレタ・トゥーンベリさんを共産主義者と呼び、フォックス・ニュースや保守のシンクタンク、ランド・コーポレーションなどを情報ソースとして紹介するだけでなく、子ども向けの気候変動懐疑本を出版したりしている。The Guardianが書いた記事によると、キヤノンは「(CIGSは)非営利の私営団体でキヤノンからは独立しており、事業の一部ではない」と回答しているが、CIGSのトップには、御手洗冨士夫会長が評議会議長として座している。

2020年に、2050年までにカーボン・ニュートラル実現を目指すことを宣言したが、日本の経済界には脱炭素や再生エネルギーへのシフトに消極的なブロックがある。御手洗冨士夫キヤノン会長がかつて会長を務めた経団連は、シフトを減速させたい大企業の利益を代表してきた。そして御手洗会長が経済界や政府の方針に及ぼす影響力は想像にあまりある。
また、キヤノンの事象は、国際市場に向けては先進的な企業の顔を見せながら、日本国内では別の顔を持つ日本企業の悪い一面を象徴している。CIGSには英語のミラーサイトがあるが、杉山氏のビデオやポストは英語のサイトのトップには登場しない。

だからこそ今、持続性目標へのコミットメントを発表しながら、気候変動懐疑論を看過するキヤノンに、現状を考え直してほしいと伝える必要があるとの結論にいたり、グローバル企業の社会責任を追求するAction Speaks Louderの写真コンテストに、サポーターとして参加することにした。

このコンテストとキャンペーンについて人に話すとき、驚いた人が必ずしも支持を表明してくれるわけではない。より直接的な環境破壊に従事する企業はいくらでもあるし、作っているカメラは、気候変動のリアリティを私たちに画像で伝えてくれる貴重なツールでもある。けれど、ミスインフォメーションの流布が、必要な変革を減速されるために行われている。日本はいまだに世界第3位の経済であり、日本政府や企業がどのような気候変動対策を行うかは、私たちひとりひとりにとって大きな問題である。キヤノンさんが、気候変動をリアルな脅威として受け止め、さらなる加速を食い止める努力に加わってくれることを願ってやまない。

👉もっと詳しく:
ゾンビ化する温暖化を疑う人々。その科学的、経済学的なおかしさ/論座(明日香壽川 東北大学東北アジア研究センター/環境科学研究科教授)
組織的な温暖化懐疑論・否定論にご用心江守 正多 国立環境研究所 地球環境研究センター 副センター長)
グローバル・クライメート写真コンテストの開催を発表 写真家たちがキヤノンに気候変動懐疑論への支援停止を要求(ASL
👉私たちにできること:

  1. 知る

  2. コンテストのサイトを見る。

  3. @camerasdontlie.contest をフォロー、ポストをシェアする。

  4. 写真コンテストに参加する。

  5. 写真家やカメラファンに話す。

  6. #camerasdontlieのハッシュタグを使って自然や環境の写真をポストする。

  7. キヤノンに問い合わせ、お願いをする。


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