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6月8日 警察改革は起きるのか

先日のデモで、NYPDの警官が、デモに参加した女性を「Stupid bitch」と罵りながら道路に押し倒したビデオが拡散されて、これが大事件に発展している。

なぜ、警察が急に暴力的になったかには理由がある。デモに乗じて略奪行為が起きたときに、クオモ知事がNYPDがコミュニティを守る義務を履行しなかったと非難したからだ。そして翌日NYPDがライオットギア(暴動仕様)でストリートに出たときには、略奪は終わっていた。けれど警察は、デモを制圧する気まんまんできている。結果、そこにいた平和なデモが警察の暴力の対象になったのだ。最初、警察をかばったデブラシオ市長は、ビデオの拡散と市民からの非難にさらされて、このビデオの事件の警官の解雇をNYPDに求めたが、NYPDはこれを拒否している。関係筋からの話として、どうやらNYPD署長が辞任し、200〜300人の警官が引退するだろうと報じられている。

NY州北部のバッファローでも、デモに参加した老人を、警察が押し倒し、ケガをさせる事件が起きた。問題の警官2人は、起訴されたが、裁判所の手続きの際に、警官が裁判所に集まって彼らに拍手喝采を送ったという。

そして、バッファロー警察では、警官57人が「市から法的な保護を受けていない」という理由で辞任した。市民に暴力を振るって罰せられるのであれば、警察は務まらないということらしい。その理屈に従うと、警察の市民に対する暴力がなくなる希望はゼロである。

そもそも現代の警察というものの歴史を振り返ると、アメリカの警察は、解放した奴隷の行動を監視するために作られたのだという。NPRが詳しくルポしていた。

アクティビストたちからは、今回こそは、という空気が漂っている。アクティビストだけじゃない。「今回は変わる」という希望が高まっている。

私の友人の中でも、スピリチュアル度がかなり高い。

週末、久しぶりにマーヴィンと長電話をした。

マーヴィンは、ちょっと前まで、私が暮らすブルックリンのアパートの管理をしていた人だ。いわゆる雇われの管理人とはちょっと違う。うちのビルを所有する大家さんのゴッドサンで、20年以上ビルに住みながら、ゴミの処理などをしてきた。そもそも8世帯しか入っていない小さな低層のビルで、これまで私がシングルライフを安心して送ることができたのは、大家さんとマーヴによるところかなりでかい。

大家さんは、黒人女性で社会学者である。マーヴは、彼女の親友の甥っ子で、NYPDの911応答係として20年以上勤め、数年前に早期退職して、病院に勤めていた。コロナウィルスが問題になる直前に、ガンが発見されて休職した。テキストメッセージで休職したことは聞いていたが、ガンの診断を受けたことは、この週末の電話で聞いた。


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