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佐久間裕美子のMyLittleNewYorkTimes

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書籍化したMy Little New York Timesから1年前の今日の日記と今年の日記を対にして不定期にお届けします。
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#明日は明日の風が吹く

日記:5月17日

今日は、B&Bとnumabooksの内沼晋太郎さんとインスタライブで話をした。自分が、今、本や書店のために何ができるかを考えたときに、一番、私が知りたい答えを持っていそうな気がしたし、ソーシャルなどで内沼くんが書いていることを見ていて、リアルに悩んだり、考えたりしている様子が伝わってきて、直接聞きたいと思ったのだ。 (インスタライブがアーカイブできるようになりました) 先行きがわからない状態で、いろんなことをやっている人たちそれぞれが、新しい現実に、何を考え、自分の営みを

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日記:11/17-23 ニューヨーク、ノースハンプトン、東京

11月17日  日曜日だというのに、朝から予定がびっちり詰まっているのは、お別れ会がふたつ入っているからだった。ひとつめは、昔はよく遊んでいたけれど、近年になってすっかり遠くなってしまったコリンとデヤの夫妻のお別れ会。早めに行って1時間くらいはいようと思っていたのだが、午前中の仕事の流れでギリギリになってしまい、20分ほどしかいられなかった。こういうとき自分は最低だと思う。  デヤは、バージニアに行って、森林保全の仕事をする。水辺の木を伐採したことが汚染を悪化させているという

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自分の中のエゴという面倒くさい存在

 ずっと前に、スピ系の年下の友達が「あの人は魂年齢が高い」というようなことを言っていた。人間は、何度も生まれ変わるものだから、人によって「何度目の人生」というものが違う。何度も生まれ変わっている人は精神が成熟している、という話である。その説を、自分が信じているのかどうかはわからない。が、人によって、とても若いのに、驚くほど精神が成熟しているよね、という人がいるのは本当だ。  ケイトには、ずっとそういう印象を持ってきた。おそらく初めて会ったときの彼女は20代半ばか後半だっただろ

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トランプ・カントリーにて(4日目)

3日目のエントリーは、こちらにアップしました。 ノースダコタ州ファーゴのモーテル。チェックインを済ませ、外に出ると、口笛とともに「ママシータ」という声がする。声が聞こえたほうを見ると、灰皿の横に、サングラスをかけた白人男性二人が立っている。周りを見回すと、女性は私しかいない。車に乗り込んで、what the fuck is wrong with people とつい言葉が出た。男友達が「なにか言われたのか?」というので、起きたことを説明すると、「気のせいだよきっと。あっちの

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トランプ・カントリーにて(第2日目)

ミズーラに1週間ほど滞在していたコリーがパッキングする間、友人のベン・フェレンズに連絡した。ベンはFairEnds というブランドをやっていて、ミズーラ郊外のファームに住んでいる。

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トランプ・カントリーにて(第1日目)

ポートランド経由で1ヶ月と10日ぶりにアメリカに入国した。 成田からポートランドは9時間かからない。ポートランド空港の職員はみんな上機嫌で、ここから入国するのも悪くない、と考える。私の荷物をチェックしたTSAの職員が、ポートランド空港はTravel and Leisure のランキングで連続7年ベスト空港に選ばれているのだと教えてくれた。 市内のヴィーガンカフェで時間を潰し、空港に戻ってモンタナ州ミズーラ行きの飛行機に乗り込んだときに、乗客のほとんどが白人だと気がついた。

「マリファナというブギーマン」の裏バージョン+背中を押される

この日記は、「マリファナというブギーマン」の裏バージョンです。 そもそも、自分は「マリファナの本を書きたい!」という野望を持っていたわけではない。これ、おもしろいトピックだから、雑誌の記事にするべきなんじゃないか、と思った。そして記事を出した。そうしたら、文藝春秋という憧れの出版社から声がかかってしまったのである。 そんなチャンスが向こうからやってきたら、やらないという選択はないだろう、と取り掛かることを決めた。 こういう事の運び方は、自分の人生において象徴的なことだ。自

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