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【研修15日目:BigSisterの取り組み:救わない】

研修15日目は、昼過ぎまではボストン市内にあるBigSisterという団体へ。午後はもともとヒアリング予定だった団体が予定つかなくなってしまい、近隣の町の小学校へいかせてもらいました。夕方16時には校長先生副校長先生はじめ先生はほとんど学校にいませんでした。日曜日にはその小学校の先生がDEI(「Diversity(ダイバーシティ、多様性)」「Equity(エクイティ、公平性)」「Inclusion(インクルージョン、包括性) )を授業などで最近取り入れられている様子の講演も聞くことができました。2つ合わせると長いので2つの記事に分けます。こちらはBigSister団体視察について。どちらかというと運営の話が多かったため、団体運営者向けの内容多めです。

◆BigSisterという団体視察
BigSisterは、ボストン市内にある団体で、7-24歳の女の子にメンター(ボランティア、同じく女性、年上)とマッチングをして、数か月間、週1会ってメンタリングをするというプログラムです。女の子が自信を持ち、もともと持っている力を発揮できるようにしていくことが目的です。プロのメンターではなく、ティーネージャーのティーネージャーのメンターになり、家族でも学校の友達でもない関係性をつくっていく画期的な活動で全国にそのネットワークがあります。

お話をされていた内容の一部)
・救うということはしない。そもそも持っている力を発揮できるように環境を整えるためのメンターシップ。
・メンター側(BigSister)は白人であることが多く、メンターされる側(LittleSister)は有色人種であることが多い。そうした中で偏見や無意識の差別が生まれないような教育プログラム、大事にしている価値がある。
・メンター側へのインタビューや背景チェックはかなり丁寧にする。安全な環境を確保する必要があるため。また、家庭の事情を深く知ること、危険な状況を知ってしまうこともあるため、そういうときの手順なども明確化。スタッフがそこへの伴走をする。もしメンターがこのプログラムにふさわしくないと思ったら入口でその方の関りをお断りしている。

https://www.bigsister.org/より

運営について)
・多くの割合は寄付で賄っている。一年中通してさまざまな寄付イベントを実施(イベントチケットを買うと参加できるイベントがあり、そこでは車があたったり、私たちが訪れたときは代表の方が16年の年月を経て交替をするとのことでそのためのイベントがある等話していました。)
・支出の8割は人件費、女の子たち同士をよりよいマッチングできるよう、人材の確保と教育をしなければならず、そのために寄付を集めている。
・最低限の衣食住を必要としている人たちを助けるための団体や寄付が直接支援に使われることが多い団体も多いなかで、「良質な」関係性を女の子たち同士につくるということの価値とそのためにいかに寄付が必要かということをデータを通して言語化している。(世の中の優先順位がこういうことについて特に低いので、高める必要性を感じる)
・スタッフ研修は、構造化された研修と日々の相談の組み合わせが重要。

中でほとんど写真撮れずビル入口での写真。ボストンコモン公園目の前の一等地にあるビルの中でした。やはりオーナーがビジョンに共感し、安く貸してくれているそうです。