私の中のパンクロッカー

私はDJであり、音楽愛好家である。

様々な音、音楽、それを作り奏でる人々についてとても関心が強く、突き詰めてきた結果、今の自分がある。

音楽に関してはスーパー雑食なので、聴いたことのない知らない音楽はなんでも一度聴いてみたい（そこで気に入らなければ二度と聴かない）。

下手くそな演奏を聴く位なら、しっかりと整備された車のエンジン音を聴いてる方がマシだし、そこにときめきすら感じるような人間である。

そしてその音楽愛は時として、憑依に近い形で訪れ自分の中に存在する何かと結びつき、呼応して共鳴し始めるー。

最近私は普段の私がしないような行動をして、とある場へ参加することとなった。「日本の将来に期待はできない、これから益々生活は厳しくなるだろう、だからみんなで肩を寄せ合って生きていこう。」そこはそんなポリシーから成り立つような場所だった。

そうだよね、確かに未来に対する備えは必要だよね。

とその場ではそれでいいかと思って終了したのだが。

しばらくして物凄い反抗心が芽生えてきた。

「そんな社会構造から変えるんだ！」

「甘い汁を吸うやつらをぶっ飛ばせ！」

「いつまでも庶民に我慢をさせるな！」

などなどなど、私の中のパンクロッカーが叫び続ける。

それはまるで日本人なら

「しょうがない　SHOGANAI 」

として片付けてしまう場面を

「そんなことは認めない。しょうがなくない！我々は諦めない！」

とぶった切ったヒッピー・パイレーツ・フレンズ（ラテン系ヨーロピアン）の言葉のようにも聞こえる。

正直言ってパンクロッカーが出現したことにとても驚いた自分もいた。

しかし、誰もが窮屈さを感じる社会の空気に疑問を抱いたとして、このままではゆっくりと死んで行くようなプロセスにいる中、私の中には常に根本的な疑問に叫び声を上げ続けるエネルギーがあるという事実。

そして更に掘り下げていくと、おそらくこのパンクロッカー達が一番訴えたいこととは

「お前もっと自分でよく考えろよ！嫌ならNOと言え！表現しろ！」

ということであって、自分が人に合わせてしまった結果生じた自分への不信感に対して警鐘を鳴らされているのだと分析（笑泣）。そう、私自身興味はなかったのに、人に合わせてしたくもない事をしてしまったが故に、ものすごい勢いで反抗心が出現したのであった。そして更にそのことに対してうじうじ悩む自分がいて、時間を無駄にしていた事実もあった。

こうして描くとまるで分裂症のようであるが、私はいつも自分の心情や感情を受け止め、何を訴えているのか、癒すにはどうすればいいか、それをもっと芸術的に表現するにはどうすべきか、そもそもこれ以上アウトプットすべきかどうかまで、一人会議を行なっていることが多い。

そして人が感情的になる時、表面的な理由で刺激されたものの、実際にはもっと心の奥底にある今まで無視されてきた感情とかトラウマなどの本当の理由が隠れていることが多い。私の中のパンクロッカーは、本当は何が嫌だったのかを見せつけてくれた。表現は過激だったけど、ストレートに真意を提示してくる辺り、わかりやすくて今ではとても感謝している。

心穏やかに世界の全てを受け止める癒しの女神のような自分

マイク片手に火を吹いて叫び続けるパンクロッカーのような自分

地球の蘇生を目指すべく微生物たちと連携して環境変換に挑む自分

突然どうでもいいや、と全てを投げ捨ててしまう極端に自由な自分

それらを包括して「私」という存在がここにいる。

そしてそれでいいのだ。

人間とは多面的な生物であり、多次元を生きている存在だ。

どんな自分でも受け止め、癒し、全てを統合するプロセスにいるのも今の人間であり、私たちは全て一つとして繋がっている。

パンクロッカーの叫びも、私一人が持つものではなく、多くの人が似たような感情を抱えているものであって、上手に解放していくことが、繋がっている全てに対する自分の責任だと思っている。

それを心に留めて、自分に嘘をつかず、益々大事にしてあげようと心に誓うのだった。

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