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『未だ見ぬ友へ』

私は確実にこの「一冊の本を愛する人」になりました。

ほのかに香るもの、朔太郎はそれを「詩のにおい」と云う。それをリズムによって表すのだと。 花房葉子さんの豊かな絵とテキストからあふれ出る詩のにおい、そのリズムにのって解放されていく。国境を超え、時代を超えて、女たちに会いに行こう。

そこで迎えてくれるのは、文学に身を捧げた粋な女たち。だれかの肩にもたれかかることなく、自分の足であるく女たち。

「葉子から話は聞いてるわ」なーんて言われて、一緒にお茶をしながら、たわいない話を楽しむ.。ひとりの時間を愛する私たちは、決して孤独ではない。目には見えなくても確かにそこにある何かで、私たちは繋がっている。

あゝ、それにしても美しい絵。ため息が漏れる。深い森の緑にも吸い込まれそう。美しい銅版画の絵に魅せられて、時々でひらきたくなる。愛されてるなぁと思う。これは、そういう本。

時空を超え、月の引力に引っぱられるように惹きつけられる、この感覚をなんというのでしょう。かつて私がベネズエラへ飛んでいったように、今、葉子さんはブラジルにいる。勝手ながら「似たような嗅覚をもつ」気がしてしまう。

いや、きっとだれもが惹きつけられるに違いないのだ。だって、私の欲しかった言葉が、たくさんふりそそいだように、あなたのほしかった言葉が、きっとそこにある。

15年の歳月を経て再びカタチになった『未だ見ぬ友へ』

画文集: #未だ見ぬ友へ
著者:#花房葉子

ギャラリーあまりや
北海道夕張郡長沼町西5線南4
電話・FAX:0123-88-0922

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