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ボローニャ・ラガッツィ賞ポエトリー部門最優秀賞作品絵本『マッチ箱』

マッチ箱には ーEn una Cajita de fosforo
By マリア・エレナ・ワルシュ

マッチ箱には
いろんなものを しまっておける。
たとえば、陽の光、
(でも、すぐに しめないと)
かげに たべられちゃう)
雪の結晶を すこし、
月のコイン、
風の服のボタン、
もっと もっと たくさん。
ねえ、ないしょだよ。
わたし マッチ箱に 
なみだを ひとつぶ しまってるの。
まだ だれにも みせてない。
もう やくにたたないって わかってる、
だって ぼろぼろ だもの。
わかってるけど、どうしたらいい?
すてるのは、もったいない。
大人はきっと
この宝物を わかってくれない。
………

2021年のイタリア・ボローニャ国際絵本原画展に行ってきました。
今年のボローニャ・ラガッツィ賞には、新たにポエトリー部門ができたそうです。

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この絵本は、ボローニャ・ラガッツィ賞ポエトリー部門最優秀賞作品『マッチ箱』。1920年から2020年の詩でセレクションされたアンソロジーの詩集絵本です。10か国36人のラテンアメリカの詩人たちの作品が紹介されていて、アルゼンチンの国民的詩人マリナ・エレナ・ワルシュの詩『マッチ箱には』で始まります。


マッチ箱からともる灯は、まるで宝物のように、ずっと心のなかで灯りつづけています。

出版社:エカレ社(Ediciones Ekari)
イラスト: ファン・パロミノ (Juan Palomino)
編纂: アドルフォ・コルドバ(Adolfo Córdova)

来年は現地開催あるといいなー。

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