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リモートワークで気分が滅入り、
少し散歩に出かけてみると、
昼下がりの街にはさまざまな風景があった。

幼稚園の黄色い送迎バスで
楽しそうに騒いでいるかわいい園児たち。

神社で地面に頭がついてしまいそうなほど
深い祈りを捧げるおばあさん。

中央分離帯の緑を剪定して
汗だくになって作業するシニア男性。

そして、ぶらぶらと散歩をしている中年女性の私。

よく考えてみると、
20人規模の小さな会社という箱に詰め込まれ、
小さな家でずっとパソコンと
睨めっこしているこの私は、
とても狭いちっぽけな世界で、
勝手に滅入り、勝手に卑屈になり、
ネガティブな気分でいっぱいになっている。

ちょっと外に出れば、
色々な年齢のさまざまな職業の人がいて、
みんなそれぞれの時間を
過ごしていることに気づく。

あぁ、なんて狭い世界にいるんだろう。
何億と人口がいる中で、
わざわざそこにいて、
ちっちゃくなっていなくてもよいのではないか、
と思う。

私は現在キャリアコンサルタントとして
活動をしていますが、
20代のまだ若い時に一旦仕事の世界から外れた時、
退職際にもらったアンケートの言葉が
忘れられない。

「あなたを失うことは、会社にとっての損失です」

その言葉は退職を決めた後にもらった、
お客様からの言葉。
「仕事をやっていてよかった」と思うと同時に
「辞めなければよかった」とも思った。

あまり過去を振り返ることは
好きではないのですが、
最近歳をとったのか、
時々過去の出来事が頭をよぎることがある。

カムバック主婦としてキャリア復帰した今、
自分が正しく生きているのかどうか、
問いかけることがある。

世の中には色々な人が、いていいのだ。
さまざまな状態の人がいるものだ。
そして選ぶべき集団はごまんとある。

ネットで調べてみると、
日本の中小企業の数は
経済産業省の
「2020年版 中小企業白書・小規模企業白書概要」によると、
2016年の統計で359万社あるそうだ。
わざわざ窮屈な今の会社に限定しなくても、
世の中には山ほど会社はあるのだ。

私にはやりたいことがある。残りの人生で。

ある人材会社の経営者がいた。
その人は私が判断する限り、
過去の栄光にこだわり、
「うそだろ?」と思うような経歴を掲げていた。
そして社員を雇っては
ボロ雑巾のように使い倒し、罵倒し、
経営者自身は外出して遊んでいるようだった。
昼間からビールを飲んでいたし、
税金滞納の紙切れも見つけてしまった。
はっきり言って、この経営者に騙されたと思った。
その会社は2ヶ月で辞めた。
まだ私はまともな社員だった。

私はその時、
人材紹介事業部マネージャーという肩書きを
「テキトー」にもらって名刺に印刷された。
当時の社員は経営者含めて4人しかおらず、
名ばかり管理職もいいとこだった。

その時に学んだ。
「肩書き」なんて、いかようにもなる。
実態なんて表しておらず、
マネージャーらしい仕事をしていなくても、
対外的にはどんなイメージ付けも可能なのだ。
しかし人材業界に長く身を置いていると、
実は人事も人材会社も
そんなあてにならない「肩書き」に
ものすごく左右されてしまうことに気がついた。

もちろん上場企業の役員、管理職であれば
「肩書き」は説得力になるのは間違いない。
それを否定するつもりはないが、
日本の99%を占める中小企業における
「肩書き」というのは
当てにならないかもしれないなと思った。
なぜなら私のような人間にも
簡単に「マネジャー」とう肩書きをつけられ、
名刺を出しただけで
それなりの説得力を持ってしまったからだ。

だから何が言いたいか。

今、私の周りで起きている採用のシーンは
バイアスに満ちているということだ。
私の「マネジャー」という肩書きだけが
一人歩きしたように。
そしてあの時もらった
「あなたを失うことは、会社にとっての損失です」
と言ってもらえるような仕事が、
今の自分にできているのだろうか。

人の評価は当てにならないかもしれない。
しかし感謝から思わず出る言葉や、
社会的に期待されることがもしあるのならば、
本当の価値を持っているのではないか。

今の私は、お客様や社会からの期待に
応えられるような行動ができているだろうか。
対象とすべき人にしっかり応えているのだろうか。
たくさんの人、価値観が溢れている世界の中で、
あえて「そこ」を選ぶべき理由はあるのだろうか。

会社の経営者とそこに雇われる人、
その関係性が対等になれば、
正しい評価が成り立ち、
人権も尊重されるのではないか、と思っている。

仕事の評価なんて経営者の独断でしかない。
特に99%の中小企業においては、
ほとんどそうなのかもしれないと思ってしまう。

だから、自分の価値観と感覚を
信じることに決めた。
肩書きだけが一人歩きしている
バイアスだらけの世界から足を洗う。

人間関係を洗浄して、一歩踏み出す。

私の残りの人生は限られた時間しかない。


#ビジネス

#変わろうよ日本

#一歩踏み出す



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