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「短歌人」2019年8月号掲載作品

朝のひかりにしづかに垂れてゐし藤の夕刻待たず散りそめてをり

六月はなつかしい月なにもかも生まれるまへを思ひ出させて

すこしだけ降つてる雨を傘にきく昔むかしの讃美歌みたい

東京についてわたしが語るとき架空の街のやうな東京

手足ほそきむすめが内に棲んでゐるはずの重たきからだをほぐす

ハンカチが背後にそつと落とさるるそんな遊びのありしとほき日

(会員1欄 冨樫由美子)

#短歌 #短歌人

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