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「短歌人」2024年7月号掲載作品

ひかり

やはらかに麺は縮れてスープ濃きカップヌードルたまには食べたし

時に高き壁にありしを母はいま庭に小さく草むしりをり

ひかりさす窓辺に椅子を引き寄せてヘルマン・ヘッセのことばに触れる

鳥かごを逃げた小鳥はさがさずに空色に塗る胸のうちがは

採光のよき建物と思ひをり木のテーブルに絵本をひらき

帰宅する小学生の歌ふこゑ窓より入り来るは嬉し

本を読みながら眠りに落ちてゐて続きを夢の中に読みをり

※同人2欄、冨樫由美子

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